2008年10月18日土曜日

せん妄の診断基準

せん妄の診断基準
 
注意を集中し,持続し,転導する能力の低下を伴う意識障害(すなわち,環境認識における清明度の低下)。
認知の変化(記憶欠損,失見当識,言語障害など)または,すでに先行し,確立され,または進行中の痴呆ではうまく説明できない知障害の出現。
その障害は短期間のうちに出現し(通常数時間から数日),1日のうちで変動する傾向がある。
全身性内科疾患に起因するせん妄では:

病歴,身体診察,または臨床検査所見から障害が全身性内科疾患の直接の生理的な結果であることを示す。
物質中毒性のせん妄の場合:

以下のいずれかを示す,病歴,身体診察,または臨床検査の所見。


1. 最初の2つの基準に記載された症状が物質中毒の期間に出現。


2. 薬物使用がその障害と病因的に関連している。

物質離脱性のせん妄の場合:


離脱症状群の期間中,または少し後に,病歴,身体診察,または臨床検査所見から最初の2つの基準に記載された症状が生じた証拠がある。

複数の病因によるせん妄の場合:


病歴,身体診察,または臨床検査所見から,そのせん妄に2つ以上の病因(例,2つ以上の全身性内科疾患,全身性内科疾患+物質中毒または薬物の副作用)があるという証拠がある。
American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版. Washington, DC, American Psychiatric Association, 1994, pp. 129, 131-133を改変;許可を得て転載。Copyright, 1994 American Psychiatric Association.

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