2009年7月24日金曜日

インスリンは早めに使い始めましょう!

2型糖尿病に対するインスリン療法の開始時期について、エビデンスに基づいた基準はありません。しかし、β細胞を疲弊させる前には開始すべきであり、私自身は表1のような3つの基準を考えています。

【表1】 山田先生が考える2型糖尿病患者にインスリン治療開始を考えるべきタイミング
  • 食事療法を徹底しても空腹時血糖値が十分下がらない(入院時の空腹時血糖値200mg/dLが3〜4日で180mg/dL以下まで下がる場合は経口剤のみを再開)。*1
  • CPI(C-peptide index)が0.8以下。*2
  • SU剤の保健認可の最大容量の半分を使用し、さらに、メトホルミンおよびないしはチアゾリジンを併用してもHbA1cが7%を切らない。

*1  入院患者の場合

*2 CPI=空腹時Cペプチド × 100/空腹時血糖値

CPIとは、インスリン分泌能を評価する指標の1つで、“空腹時Cペプチド×100 / 空腹時血糖値”で求められます。非専門医の先生方でも外来で簡単に得られる指標です。
SU剤は、保険適応上の最大用量の8分の1〜6分の1からはじめて、必要があれば4分の1〜3分の1程度まで増量し、その後はメトホルミンかチアゾリジンの追加、もしくは両剤の追加をします。そして、SU剤を最大用量の2分の1まで増量してもHbA1cが7.0%を切らない場合、それ以上、SU剤を増量するのはβ細胞を疲弊させるだけです。

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