2009年8月26日水曜日

最近メタゲノムになぜこだわるのか??

細菌叢と発癌を包括的に見る研究が待たれる。最近のゲノムリサーチか何かに、人のフローラのメタゲノム解析が載っていた。面白そうだが手に入らない。メタゲノムは鼻道、耳道、咽頭、喉頭、上気道、気管支などではそれぞれどんどん研究が進んでいる(という話もある)。

メタゲノムといっても知らない人が多かろう。要は「大部分の細菌、病原菌は実は培養不能である」という厳正なる事実をやっとヒトは乗り越えることが出来そ うだと言うことだ。病原体を見つけるためにはまず、分離(クローン化)、ついで培養しなければならない・・・これが細菌学の基本だ。そうやってできあがっ た細菌学・・・これはいい方は悪いが、歴史的に培養可能だった細菌群のカタログにすぎないのだ。

高速大量シークエンスは、培養の壁を乗り越える。海に出て大きな網を投じ、あらゆる魚を一網打尽にする。直ちにミンチにし、DNAを取りだし、(クローン化 することなく)ダイレクトに、余計な選択することなく、ひたすら、予見無く、ただただたくさん、同時並行的にシークエンスするわけだ。それが鮭の遺伝子Aであろうが、マグロのAであろうがどうでもいいのだ。遺伝子Aのホモログが1500個とれたとす れば、それでいいのだ。まず創薬のヒントになる遺伝子が取れるだろう。非常にまれな魚の遺伝子Aも取れるだろう。瀬戸内海のメタゲノムと地中海のメタゲノ ムの違いなど朝飯前になる訳だ。赤潮が起こる海域のメタゲノムも特徴付けることは可能だろう。

これが大腸細菌叢と大腸癌発癌のアナロジーになっていることがお分かりか?

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