2009年12月16日水曜日

肩関節脱臼

朝病院に着くと早速院内ピッチが鳴る。「朝早くすいません。入院患者が肩の脱臼を起こして・・・」脱臼なんて研修医のころはいろいろみたが、肩の脱臼を最後に診てから4〜5年たつなぁ。で、病棟にあがると喘息で入院している40代の女性が起きがけに伸びをしたら、はずれちゃったらしい。5年前に一回やったことがあり、久しぶり2回目の脱臼だと。確かに肩峰が目立つし、触ると肩峰の下がぽっかり抜けている。前方脱臼である。痛い、痛い。コッヘルは当直医が試みて断念したらしい。しょうがないので、穏やかにStimson法をやることにした。ミタゾラムをゆっくり流して、看護師に3kgのリストバンドをリハの部屋から取ってこさせて、うつむけにして右肩をベッドの外に垂らしたら、あれあれSPO2が下がった。さすがに喘息じゃわい。O2を増量して、リストバンドを手首に着けて「30分待つよ。ワシ外来いくから、SPO2みといてくださいね」と病棟を離れた。外来の隙間に上に上がったら患者さんすやすや寝ている。右手をぶらぶら動かしても起きない。無理矢理起こすと、もう脱臼は解消していた。いろいろ動かしてみるが「全然痛くなくなった」と喜んでいる。ついでに鎖骨やらいろいろ調べるが合併骨折等はなさそう。写真の指示をして、三角巾で肩を保護して「3週間はいたわってやらないと、習慣性脱臼になりますよ」と告げる。うまく整復できてよかった。

Stimson法がうまくいくと本当に感謝される。コッヘルでいじめられた経験のある二度目以上の脱臼の患者だとなおさらである。うまくいかんときは困るが、でも大抵うまくいくのではないかと思うが、どうだろう?

0 件のコメント:

コメントを投稿