ボクがドビッシー・ラベル特にラベルに入れ込んでいることは、たびたびブログに音楽情報を書き込むことからおわかりであろうが、ラベル・ドビッシーは好きだなあ。その中でももっとも古くから聞き込んでいる曲目がこの弦楽四重奏曲である。これはもう人生とともにあるといった趣すらある。飽きないですね。いつも2曲一緒なので、僕にとっては全部で8楽章の四重奏曲といってもよい。というか、どちらがドビッシーでどちらがラベルかあまり意識せずに今日まで来ましたといったところである。どちらの作曲家も好きなのであるが、しかしそれでもややラベルの方が好きであるし、聴く回数もラベルが多い。と今日まで思っていたが、人生ここまで生きてきて初めて気がついたのだが、ボクはこの四重奏曲についてはドビッシーの方が好きだ。え〜〜〜という感じ。この曲を聴くときは必ず2曲とも聴いてしまう。最初の一楽章が(つまりドビッシーの方)はとりわけ好きであり、気張って言わせてもらえば、この曲を持って20世紀は始まった、あるいは古典とは明らかに違う現代の音楽が始まったというような思いを持つのである。古典もいいが、やはりボクは現代に生きているし、この気分は斬新なのである。
さて、レベル好きだといっても、これだけ好きでも全部の曲を知っているわけでもない。この年になっても新たな発見があるのだ。5年くらい前には「古風なメヌエット」を発見した。20年くらい前にはダン・タイソンの空前絶後の名演でラ・ヴァルスを発見した。このラ・ヴァルスはピアノから5mくらいのところで聴いたこともあり、もうそれまで経験したことのない初めての種類の感動を覚えた。2年前には「のだめカンタービレ」というテレビドラマで「道化師の朝」を発見した。これはすごくうれしかった。ボクの発見というのはいままで聴いても通り過ぎっていった曲(興味がわかない曲)がある日突然「意味を持ってくる」というか「いきなり脳髄の一番奥底に痛撃を与える」といった種類の経験のことをいうのだ。
http://www.vector.co.jp/soft/data/art/se090506.html
少しこの弦四の背景を紹介したいが、自分で書くより先達の参照を・・・
この弦楽四重奏曲はラベル最初の室内楽で、1903年28才のときに書き上げています。初演は1904年3月5日、スコラ・カントルムにおける国民音楽協会の演奏会だそうです。(エ マーソン四重奏団)”amon cher maitre Gabriel Faure”(敬愛するガブリエル・フォーレへ)という献辞が記されています。 この曲は、私の大好きな弦楽四重奏曲の一つです。だいぶ前から知っていてLPを持っていたのですが、だいぶ前に、スペインの監督ビクトル・エリセ(「みつばちのささやき」で名高い寡作家)の映画「エル・スール」で実に効果的に使われているのを見て感心しました。それがこの第3楽章だったのです。この映画 はクラシックでは他に、グラナドスのスペイン舞曲第5番「アンダルシア」、第2番「オリエンタル」やシューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調 の第2楽章アダージォが使われていますが、メインの曲はラベルです。主人公の少女の心の微妙な揺れを象徴しているようです。「エル・スール」は私の好きな映画のベストスリーのひとつで、詩情のかたまりといって良い美しい映像は忘れられません。主人公の女の子の成長を見守るだけでも感動しますが、スペイン内戦の歴史をご存じの方には更に深い味わいがあるでしょう。私が人に勧める映画の筆頭がこれです。私のラベルの弦楽四重奏曲への思いいれは「エル・スール」への思いいれと重なっています。
映画の棚エル・スール
http://uncletell.cool.ne.jp/infoseek/yawa040715.htm
2. ドビュッシーとラベルの弦楽四重奏曲
ドビュッシーの曲(ト短調作品10)は1893年(31歳)、ラベルの曲 (ヘ長調)は1903年(28歳)に作曲されている。いづれも若い時代の曲 である。ドビュッシーの名を高めた〈牧神の午後への前奏曲〉は、この曲の後 に作られている。ドビュッシーもラベルも、弦楽四重奏曲は若い時のこの一作 しか作っていない。 ところで、ドビュッシーとラベルの弦楽四重奏曲というと、先ず音楽評論家 の大木正興さんの著作の中の言葉が、印象的に頭をよぎるのである。 すなわち、弦楽四重奏曲という曲種は、それまで多かれ少なかれベートーベ ンの強い影響下というか傘の下に置かれるのを余儀なくされていたが、その引力圏から、ここで初めて飛び出したというのである。大木正興さんはまた、それまで誰もが決して弦楽四重奏で意図もせず実現もしなかったことがドビュッ シーによって出現したのである、とも言っている。いわばこういう方法があっ たのかと、周囲を唖然とさせたという感じもしたのだろう。 確かにドイツ系のハイドン・モーツアルト・ベートーベンのカルテットの系譜の延長線上では想像出来ないような曲想、作曲者ドビュッシーのこの大胆な試みは、大いにエポックメーキンなことではあったのである。 二つの作品、まさにフランス独特のエスプリとデリカシーとが全開になった実に精緻で美しい作品、近代フランス和声のセンスと古典的形式感が見事な美しさで混じり合った最高の成果を出している作品、特にラベルの作品については、現代的センスに裏打ちされた叙情的なエロチズムを発散していて、その独特な色彩を放つ生のエネルギーと夜更けの微光のような繊細さはほかに例を見ない、とは、音楽評論家の吉松隆さん。全うまいことをいうものである。 先の大木正興さんは、ドビュッシーの曲を、”四挺の弦によって描かれ霧のヴェールのような肌触りには、作曲者の若い甘美な心情が宿っている”と、またラベルのこの曲は、感覚は新鮮、無類の生気と安定感、ほんとうにすばらしいと評している。 ほとんどの盤が、ドビュッシーとラベルのカルテットをカップリングしている。読者は、どちらの方の曲により好感を持つだろうか。正直なところ、ラベルの曲と答える人が圧倒的に多いのではなかろうか。ドビュッシーの曲も確か に新時代を築いた名曲であるが、ラベルの曲と比べればどこか生硬さを感じる。 ドビュシーの曲の10年後、ラベルの作品が出来上がった時、ドビュッシーは絶賛し、それ以上手を加えぬよう忠告したが、出版された楽譜にはかなりの改訂があったという。 UNCLE TELL
3.ブダペスト弦楽四重奏団
ザハリッヒなスタイルで、今世紀の室内楽をリードしたブダペストSQ。今やこの方式もさすがに古めかしく聴こえるのは時の流れ。フランス印象派の両曲においても、息苦しいほどに精密かつ精力的な演奏を展開しているが、ある種の官能性は追求されない。ソニー・ミュージックレコーズ 発売日:1992年3月1日
4. イザイ弦楽四重奏団 1993年04月24日発売 POCL-5090ポリドール標準価格 2,039円
5. ガルネリ弦楽四重奏団 発売日:1992年08月21日 販売元:BMGJAPAN、定価:1529円
6. アルバン・ベルク四重奏団[HQCDカタログ・シリーズ]
ドビュッシーもラヴェルも1曲しか残さなかった弦楽四重奏曲であり、近代フランスを代表する名曲を音楽史上最高峰のカルテットABQが緻密に演奏した名盤。2008/12/10
http://www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=TOCE-90056 - point_desc
7. カルミナ四重奏団
http://shop.columbia.jp/shop/g/gD3679/ COCO-70518¥1,050(税込) レコード芸術推薦/グラミー賞ノミネート/グラモション賞ノミネート ALBUM 2003/03/26 クレスト1000シリーズ ドビュッシー/ラヴェル:弦楽四重奏曲
世界を瞠目させた驚異のアンサンブル。英グラモフォン賞、米グラミー賞ノミネート作品。 弦楽四重奏の新たな可能性を追求するこの革新的なアンサンブルの手にかかると、どんな作品もまるで洗い立ての名画のように本来の輝度と純度を取り戻す。 カルミナ四重奏団の中にある冒険者と完全主義者との相克は、演奏に異常なまでに高いのテンションを与え、聴くものにも知的・感覚的な受容力を求める。 シマノフスキに続く受賞こそ逃したものの、英グラモフォン賞にノミネートされ、さらに米グラミー賞にもノミネートされた。
8. 東京カルテットのラヴェル&ドビュッシー/弦楽四重奏曲 蘭CBS 1002
販売価格 5,250円 http://tenant.depart.livedoor.com/t/baerenplatte/item5912070.html
以下の四枚も参考は上のページから・・・これは中古市場の価格である。
9. ターリヒ四重奏団 :フランス コンディション: レーベル:シルバーレーベル 6,300円
10. パルナン四重奏団 :フランス コンディション:半円ニッパーレーベル 優秀録音盤!10,500円
11. メロス四重奏団 プレス国:ドイツ コンディション:A/A レーベル:ブルーラインレーベル 1979年録音15,250円
12. レーヴェングート四重奏団 :ドイツ コンディション:A/A レーベル:チューリップレーベル(ALLE) 優秀録音盤・list092015,750円
このような経験は多ければ多いほど次にくる発見が楽しみになる。まあ数年に一回しかこないがね・・・・。
さてこれまでボクはこの弦四をラ・サールであるいはジュリアードで聴いていた。というか、ほとんど基準はラ・サールである。であらたな冒険を始めることにした。昨日アルバン・ベルクSQ(strings quartetのことね)を購入したらこれがおもしろかったのだ。へ〜〜という感じ。そこで「演奏による発見」も楽しいかなと・・・・。ボクはクラシックは好きだけど、うんちくお宅ではない。誰の歴史的名演なんて、実はあまり興味ない。そこまでわからんのです、違いが。悲しいことにそこまで造詣は深くないのだ。クライバーのベートーベン5番を去年初めて聞かされて、これは言われるだけのことはあるなとは思ったけど、それくらいである。若い頃はクナとかシュリとかバルビローリとかヨッフムとかいろいろ追い求めたが、今はどーでもいい。安ければよい。音は(あまり)こだわらない。そこにあるものを買う。いろいろ追い求めるほどのこだわりはないが、今そこにある、手に入るものなら買おうかと。今手に入れなければ、死ぬまでもう縁がないかも、なんて思っちゃうんですな、今日この頃。同じ曲を同じヒトを何枚も買うことは無かったが、ラベルに関してだけは、こだわってみようかな。それも弦四だけね。
で昨日調べたものが以下のデータ。今手に入りそうなラベルの弦四である。
で昨日調べたものが以下のデータ。今手に入りそうなラベルの弦四である。
http://www.vector.co.jp/soft/data/art/se090506.html
少しこの弦四の背景を紹介したいが、自分で書くより先達の参照を・・・
この弦楽四重奏曲はラベル最初の室内楽で、1903年28才のときに書き上げています。初演は1904年3月5日、スコラ・カントルムにおける国民音楽協会の演奏会だそうです。(エ マーソン四重奏団)”amon cher maitre Gabriel Faure”(敬愛するガブリエル・フォーレへ)という献辞が記されています。 この曲は、私の大好きな弦楽四重奏曲の一つです。だいぶ前から知っていてLPを持っていたのですが、だいぶ前に、スペインの監督ビクトル・エリセ(「みつばちのささやき」で名高い寡作家)の映画「エル・スール」で実に効果的に使われているのを見て感心しました。それがこの第3楽章だったのです。この映画 はクラシックでは他に、グラナドスのスペイン舞曲第5番「アンダルシア」、第2番「オリエンタル」やシューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調 の第2楽章アダージォが使われていますが、メインの曲はラベルです。主人公の少女の心の微妙な揺れを象徴しているようです。「エル・スール」は私の好きな映画のベストスリーのひとつで、詩情のかたまりといって良い美しい映像は忘れられません。主人公の女の子の成長を見守るだけでも感動しますが、スペイン内戦の歴史をご存じの方には更に深い味わいがあるでしょう。私が人に勧める映画の筆頭がこれです。私のラベルの弦楽四重奏曲への思いいれは「エル・スール」への思いいれと重なっています。
映画の棚エル・スール
http://uncletell.cool.ne.jp/infoseek/yawa040715.htm
2. ドビュッシーとラベルの弦楽四重奏曲
ドビュッシーの曲(ト短調作品10)は1893年(31歳)、ラベルの曲 (ヘ長調)は1903年(28歳)に作曲されている。いづれも若い時代の曲 である。ドビュッシーの名を高めた〈牧神の午後への前奏曲〉は、この曲の後 に作られている。ドビュッシーもラベルも、弦楽四重奏曲は若い時のこの一作 しか作っていない。 ところで、ドビュッシーとラベルの弦楽四重奏曲というと、先ず音楽評論家 の大木正興さんの著作の中の言葉が、印象的に頭をよぎるのである。 すなわち、弦楽四重奏曲という曲種は、それまで多かれ少なかれベートーベ ンの強い影響下というか傘の下に置かれるのを余儀なくされていたが、その引力圏から、ここで初めて飛び出したというのである。大木正興さんはまた、それまで誰もが決して弦楽四重奏で意図もせず実現もしなかったことがドビュッ シーによって出現したのである、とも言っている。いわばこういう方法があっ たのかと、周囲を唖然とさせたという感じもしたのだろう。 確かにドイツ系のハイドン・モーツアルト・ベートーベンのカルテットの系譜の延長線上では想像出来ないような曲想、作曲者ドビュッシーのこの大胆な試みは、大いにエポックメーキンなことではあったのである。 二つの作品、まさにフランス独特のエスプリとデリカシーとが全開になった実に精緻で美しい作品、近代フランス和声のセンスと古典的形式感が見事な美しさで混じり合った最高の成果を出している作品、特にラベルの作品については、現代的センスに裏打ちされた叙情的なエロチズムを発散していて、その独特な色彩を放つ生のエネルギーと夜更けの微光のような繊細さはほかに例を見ない、とは、音楽評論家の吉松隆さん。全うまいことをいうものである。 先の大木正興さんは、ドビュッシーの曲を、”四挺の弦によって描かれ霧のヴェールのような肌触りには、作曲者の若い甘美な心情が宿っている”と、またラベルのこの曲は、感覚は新鮮、無類の生気と安定感、ほんとうにすばらしいと評している。 ほとんどの盤が、ドビュッシーとラベルのカルテットをカップリングしている。読者は、どちらの方の曲により好感を持つだろうか。正直なところ、ラベルの曲と答える人が圧倒的に多いのではなかろうか。ドビュッシーの曲も確か に新時代を築いた名曲であるが、ラベルの曲と比べればどこか生硬さを感じる。 ドビュシーの曲の10年後、ラベルの作品が出来上がった時、ドビュッシーは絶賛し、それ以上手を加えぬよう忠告したが、出版された楽譜にはかなりの改訂があったという。 UNCLE TELL
3.ブダペスト弦楽四重奏団
ザハリッヒなスタイルで、今世紀の室内楽をリードしたブダペストSQ。今やこの方式もさすがに古めかしく聴こえるのは時の流れ。フランス印象派の両曲においても、息苦しいほどに精密かつ精力的な演奏を展開しているが、ある種の官能性は追求されない。ソニー・ミュージックレコーズ 発売日:1992年3月1日
4. イザイ弦楽四重奏団 1993年04月24日発売 POCL-5090ポリドール標準価格 2,039円
5. ガルネリ弦楽四重奏団 発売日:1992年08月21日 販売元:BMGJAPAN、定価:1529円
6. アルバン・ベルク四重奏団[HQCDカタログ・シリーズ]
ドビュッシーもラヴェルも1曲しか残さなかった弦楽四重奏曲であり、近代フランスを代表する名曲を音楽史上最高峰のカルテットABQが緻密に演奏した名盤。2008/12/10
http://www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=TOCE-90056 - point_desc
7. カルミナ四重奏団
http://shop.columbia.jp/shop/g/gD3679/ COCO-70518¥1,050(税込) レコード芸術推薦/グラミー賞ノミネート/グラモション賞ノミネート ALBUM 2003/03/26 クレスト1000シリーズ ドビュッシー/ラヴェル:弦楽四重奏曲
世界を瞠目させた驚異のアンサンブル。英グラモフォン賞、米グラミー賞ノミネート作品。 弦楽四重奏の新たな可能性を追求するこの革新的なアンサンブルの手にかかると、どんな作品もまるで洗い立ての名画のように本来の輝度と純度を取り戻す。 カルミナ四重奏団の中にある冒険者と完全主義者との相克は、演奏に異常なまでに高いのテンションを与え、聴くものにも知的・感覚的な受容力を求める。 シマノフスキに続く受賞こそ逃したものの、英グラモフォン賞にノミネートされ、さらに米グラミー賞にもノミネートされた。
8. 東京カルテットのラヴェル&ドビュッシー/弦楽四重奏曲 蘭CBS 1002
販売価格 5,250円 http://tenant.depart.livedoor.com/t/baerenplatte/item5912070.html
以下の四枚も参考は上のページから・・・これは中古市場の価格である。
9. ターリヒ四重奏団 :フランス コンディション: レーベル:シルバーレーベル 6,300円
10. パルナン四重奏団 :フランス コンディション:半円ニッパーレーベル 優秀録音盤!10,500円
11. メロス四重奏団 プレス国:ドイツ コンディション:A/A レーベル:ブルーラインレーベル 1979年録音15,250円
12. レーヴェングート四重奏団 :ドイツ コンディション:A/A レーベル:チューリップレーベル(ALLE) 優秀録音盤・list092015,750円
プロスペル・ファン・エーショウテ (1904-1964): 弦楽四重奏曲1番ト短調作品8(ラヴェルの思い出に) がおすすめですよ。
返信削除コメントありがとうございました。
返信削除『In Flanders' Fields Vol.2 ~フランダースの弦楽四重奏曲』
【曲目】
ゴットフリート・デヴレース(1893-1972): 弦楽四重奏曲 へ長調
プロスペル・ファン・エーショウテ(1904-1964): 弦楽四重奏曲 第1番 ト短調 Op.8(ラヴェルへの追憶)
【演奏】
アリアーガ弦楽四重奏団
【録音】
1993年2月 ブリュッセル
タワーレコードにありました。早速取り寄せてみました。楽しみです。