2010年7月14日水曜日

11PMとNHKフランス語講座のオープニング曲について考察

お気に入りの曲なので名前が知りたいのだがわからない・・・・こんな経験は誰にでもあるはずだ。小生にも30年いや40年以上気になってしょうがない曲がある。1995年ころ初めてインターネットが出てきたころ、あるいは検索可能になったかと思っていたが無理だった。それ以来15年、時々調べてみようとするのだがなかなか難しい。譜面を書けないのでイメージを具体化できない。

手がかりはあるのだ。それはNHKの語学放送のオープニング曲だったからだ。フランス語講座で夜11時頃始まる。初めて気が付いたのは小学校の5年か6年頃だ。実はこの頃は当たり前のように時に耳にしていただけだったが、そのうち大好きになる。フランス語講座を聞いていたわけでもない小生が、なぜこの番組を覚えているかというとよくわからない。ただ当時我が家に届いていたテレビ放送はNHKが二つと民放が一つだけだったので、チャネルを回すと良く耳にしていたのだろう。

小生が洋楽に目覚めた当時の音楽事情といえば、ビートルズでいえば「Come together」「 Get back」あるいは「Something」の頃である。なぜ限定できるかというと、親友だったAがレコード屋で買ってきて聞かせてくれたのを鮮明に覚えているからだ。小学校5年だったと思うぞ。一人息子で小遣い的には裕福だったAはいろんなレコードを買っては聴かせてくれたから一気に目覚めてしまったわけだ。ラジオを聞き始めた。深夜放送は始まっていなかったか、あるいは気が付いていなかったので、もっぱら日曜日夕方6時ころのNHKーFMが最新洋楽情報源だった。この番組は最新のビルボードランクで紹介する番組だった。ディスクジョッキーは石田 豊。「リクエスト・コーナー」という番組だった。・・・というようなことは今ネットで調べてようやく思い出した。実はFMではなくAMの第二放送だったということも今知った。
テープレコーダーは家にあったので、取り込み翌週学校で皆に聞かせた。ロックというくくりはまだ頭の中にはなかった。なんでも聴いていた。好き嫌いは当然あった。遅れてきた少年だったので(4ー5歳年上はビートルズと同時並行感が強く、彼らがうらやましかった)プレスリーなどが大嫌いであった。これは皆そうだったと思う。プレスリーなどに比べると、そのころはやりのポップスやボサノバは余程かっこよく聞こえたのだからしょうがない。このボサノバというのが小生にはぴったりの音楽だった。またフランス音楽も大好きだった。といっても好きだったのは無名のスキャットだった。シルビーバルタンが好きだったわけではない。このスキャットというのはたとえば映画の「新・黄金の七人 7×7(1968)」で全編に流れる。毎週映画に行っていた小学生は、映画にもしびれたがフランス(実はこの映画は本来イタリアものらしい)にもしびれた。

こんな音楽背景のなかで飛び込んできたのが「フランス語講座」のテーマである。しゃれているのである。誰のなんという曲だろうと、ずっと知りたかった。全曲が聴いてみたいと思っていた。

答えが昨日見つかったのである。何気なく引っかかった「NHKラジオ第二放送 語学講座テーマ音楽1980」というYouTubeに採録されていたのである。さすがにネットは進化している。15年もたつとこのような音源までアーカイブされてしまうのである。ありがたい。そして数十年ぶりに聴いた感想は「新鮮であり完璧にクール」であった。小学生のときの感想とおそらく同じだな。進歩なしだな。

早速NHKにメールで尋ねてみた。2時間くらいで返事が早いので驚いた。その返事引用しよう。

  • いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
  • お問い合わせの件についてご連絡いたします。
  • 70年代のテレビのフランス語講座を調べてみましたが、
  • 番組名は「たのしいフランス語」で教育テレビで午前8時からの放送、夜11時から再放送をしておりました。
  • テーマ曲は委嘱したもので、三保啓太郎作曲との資料が残っておりました。
  • これは1967年から使用していました。残念ながら市販されているものではありません。
  • 以上、ご参考になれば幸いです。
  • 今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
  • お便りありがとうございました。
  • NHK視聴者コールセンター
三保啓太郎は実は三保敬太郎が正しいようだ。面白いのはこの人11PMのテーマの作曲者なのだ。あの「たばたばたばたばら〜」である。これもスキャット(もどき)であるよ。

当時(昭和40年代かしらね)夜11時になると民放では「男のお色気番組」である11PMが始まり、かたやNHK教育では「フランス語講座」が始まるがそのテーマミュージックを書いたのが同じ人であったというのが面白い。いや、どちらにも惹かれていた私であるが、その事実に40年もたって気が付いたというのが愉快である。そういえば、よく似ている。

フランス語のテーマの方がクールだがね。それにしてもあの曲を書いたのが日本人とはね。良い意味で裏切られました。1960年代の日本ってなんか凄いですな。

6 件のコメント:

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  2. 大変この情報、助かりました。私もことあるごとに、この曲をもう一度聞きたいと考えては、果たせずにいた者の一人です。当時はまだこの番組自体はモノクロで、洒落たスキャットをバックに、泡かボールが軽やかに跳ねるアニメーションで、大変素敵なオープニングでしたね。私は1962年生まれですが、高校ぐらいまでこのオープニングが、「たのしいフランス語」で使われていたと記憶しています。11PMの作曲家の方の作品とは、誠に驚きました。本当にありがとうございました。

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  3. 松井さん

    コメントありがとうございます。一人だけではないんですね〜〜。フランス語講座の主題音楽は本当に素敵でした。

    いろんな投稿をしてきましたが、この投稿に対するコメントが一番嬉しいです。探したかいがあったというものです。

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  4. はじめまして。
    私もあの曲を探し求めていた者で、情報に感謝しています。
    大げさでなく、私の人生を変えることになった曲です。あの音楽に惹かれ第二外国語にフランス語を選択してしまい…。
    「三保敬太郎作品集」のCDでも作られればいいですね。

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  5. Yamamotoさん

    はじめまして。松井さん、Yamamotoさんを初めとして「NHKフランス語講座」テーマ曲に魅せられた方は多いようですね。何十年もたっているのに、忘れられないというのは凄いことですね。

    さて、三保敬太郎氏のCDはあり私も手に入れましたが、この曲は入っていません。WEBで調べても三保敬太郎氏とフランス語講座テーマ曲の関連に触れたのはほとんど見つけることはできなくて、

    せいぜい

    http://www.veengle.com/s/%E4%B8%89%E4%BF%9D%E6%95%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E/2.html

    このページくらいかもしれません。

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  6. Epistasisさん、ご無沙汰しております。
    以前のコメント、申し訳ありません、見落としておりました。貴重な情報を、本当にありがとうございました。

    Yamamotoさん、新たな書き込みを、どうもありがとうございます。やはりいい曲には、ファンがつくもので、人生まで変えてしまう力があるのですね。

    ところで、Veengleについての情報、ありがとうございます。これは初めて知りましたが、ユニークなサービスですね。
    ただ残念ながら、私のMacでは動画がうまく動きません。というか、動画自体は入っていないのでしょうか?本当に、作品集のCDができると素晴らしいですね。Epistasisさんが買われたのは、どのCDですか? お聴きになっていかがでしたか?私もぜひ購入したいと思います。

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