ラヴェルとクリムト
掲載の絵はクリムトの有名な絵の一つであり、描かれた女性はマルガレーテという。
この女性とラヴェルには因縁があることを最近しった。黄昏の維納(たそがれのウィーン)というのは19世紀後半のウイーンのことをいうのだと思うが、この絵が描かれた1905年というのも色濃くその雰囲気を残しているのだろう。
マーラーでいうと1905年は7番「夜の歌」であり、すでに退廃破綻している。死の影に怯えている。ラヴェルはこの女性の弟のためにピアノ協奏曲を作曲している。それが有名な「左手のためのピアノ協奏曲」である。この弟は第一次世界大戦で右手を負傷した有名なピアニストだったのだ。さて、この女性その弟といったい何物だったのだろう?
姉はクリムトに肖像画を書かせている。弟はラヴェルにピアノ協奏曲を献呈されているのだ。さて実は彼らの兄弟にはもう1人著名人がいるのであった。この人がすべての鍵となるのかもしれない。それを最近知って驚いた次第である。その人物こそが20世紀哲学界の超巨人「ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン」である。ルートヴィヒの兄パウル・ウィトゲンシュタインは有名なピアニスト。姉がクリムトの絵の主人公であるマルガレーテ・ウィトゲンシュタインというわけだ。
なんとも驚くべきつながりだと思うな、私。
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