2010年12月24日金曜日

8例目のモンドール病

《2010年12月7日火曜日:今年は少なかったなモンドール。でも7例目が昨日現れる・・・》と先日書いたばかりだが、今年3例目のモンドール病が本日現れた。8例目の患者さんである。

今回は病歴からは全くモンドールを疑わなかった。むしろ実際診察するまでは化膿性乳腺炎だと思っていたからな。
生後2ヶ月の赤ちゃんに授乳中、32歳のお母さんである。4〜5日前から急に左のお乳の縁が痛くなり、赤くなり、しこりが触れるようになったと病歴にある。通常この病歴は典型的な授乳期のうっ滞性の乳腺炎であり、あるいは化膿性乳腺炎のそれである。小生もかつて何回メスをいれたことか・・・。昔ならメスを入れることになんら躊躇はなかったのだが、近年の若いお母さんは気をつかう。正直診察するのがはばかられる。なんとか最小限の創で・・・とか考えて診察に臨んだのだが、違うのである。これは乳腺炎ではない。典型的なモンドールなんだな。

良かった。この人も自分で痛いしこりといっている部分から上下に10cm近く静脈炎が伸びている。「触ってご覧なさい、わかるでしょ」と指を添えてガイドしてあげてみる。なんといってもほっといて良いので助かるのである。余りに痛いときのためにコカール(アセトアミノフェン)を頓服で処方した。念のため年明け10日に再来してね、といったがおそらく来ないであろう。きっと来ないであろう。

患者がある集団に固まる傾向・・・というのはどんな医者にもあるのだろうが、小生のこの12月は妊婦やら授乳中の20代のお母さんがとにかく多かった。薬が余り野放図に出せないので本当に困るのだな。ほとんど治療薬の要らない病気は助かる。

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