2012年1月6日金曜日

末梢神経の腫瘍をどうするか?

末梢神経腫瘍を強く疑う患者殿がやってきた。47歳女性、左の頚、正確には「左後頸三角」の更に背側に「くるん」とした硬い10mm大の腫瘤を触れる。圧痛がある。さらに押すと左上肢への放散痛がある。動かない。固着しているかのよう。エコーでは境界極めて明瞭な内部構造の一様な低エコー値の腫瘍であり、後方エコーは若干認める。一見すると嚢胞様でもある。更に二本の索状構造物につながっている。これは血管か拡張したリンパ管か、あるいは神経であるが、放散痛の所見からもまず神経であろう。気がついたのは元旦だという。気がついて4−5日で来院というわけだ。

というわけで末梢神経腫瘍を強く疑うのだが、二つ問題がある。診断は何か?治療をどうするか?

診断:これは頻度から考えるのが通例であろう。通常2つ考えておけば良いと思われる

1)神経鞘腫
2)神経線維腫

このほかにも数多くあるが、まず神経(良性なら)ならこの二つであろう。

この二つの違いが臨床的にわかるであろうか?

治療: どこで誰がやるか?   残念ではあるが小生は手を出すつもりは無い。正直怖い。この方の手が挙がらなくなる可能性がある。

そうなると紹介だが、これが難しい。他のドクターが同じ立場になったときにどう考えるだろうか?  
手を出す一般外科医がいるのだろうか、今時分?
紹介するとして
  1. 整形外科
  2. 耳鼻咽喉科
  3. 脳外科
  4. 形成外科

昔からこのあたりは境界領域であり、判断に迷うところである。

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