2012年3月4日日曜日

閉鎖孔ヘルニア:12枚のCT像にみる共通イメージ






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12枚のCT像で確かめる閉鎖孔ヘルニア

疾患概念が随分変化したのが「閉鎖孔ヘルニア」であり、昔は「希で」「診断が難しく」「治療が手遅れになりがちで」となかなか大変な疾患イメージであったが、最近ではCTがあるため、まず診断の初めの段階で指摘される(もし病気が閉鎖孔ヘルニアなら)病気になってしまった。

放射線技師が「せんせ、閉鎖孔みたいだよ」と教えてくれる。従ってそこからHowship-Rombergをあわてて行っても格好がつかない。あーあ。


そのCT像を見落としてはいけないのだが、見落としあり得ないだろうか? 深夜、1人しかいない当直等々。

ネットで20症例くらいの「閉鎖孔ヘルニア」を集めてみた。眺めて自分なりのイメージを作ろう。どのレベルでヘルニアがあると判断するのか確認しておきたい。
(実際に写真は12枚以上あるが、ヘルニアが描出されているのは12枚である)

  1. 恥骨が写っていない写真はない。

  2. ほとんどの写真には三つの骨が写っている。恥骨、坐骨そして寛骨(あるいは大腿骨)である。

  3. 尾骨は写るか写らないかのスライス・レベルであり、尾骨が確認できるのは12枚中4枚であろうか。

  4. 恥骨筋はほとんどの症例できちんと確認できる。恥骨筋は起始部が恥骨であり大腿骨に終わる。恥骨前面から始まるのがほとんどの症例で確認できる。筋の走る方向は大腿骨骨頭方向である。ヘルニアは恥骨筋の内方に出る。

  5. 閉鎖孔は大きいが、ここがすべてヘルニア門になるわけではない。いくらなんでも広すぎる。通常内外閉鎖筋が覆っている。解説図にあるように、ヘルニア門となり得るのは前縁でありこれを閉鎖溝という。高齢老女でやせた方はここが更に痩せて緊張がなくなるということなのだろう。ヘルニアの後壁は「外閉鎖筋」である。

  6. この外閉鎖筋が確認できる症例が何例あるだろうか?

  7. 大腿動静脈がほとんどの症例できちんと描出されている。

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