2012年5月18日金曜日

腰椎化膿性脊椎炎

またまたやってきた化膿性脊椎炎である。急性腰痛症レッドフラグにはご用心

左下肢のしびれと疼痛が始まったのでMRIと整形受診したのだが、これが化膿性脊椎炎と診断された。
前回同様冷や汗ものであった


Title :
1-A-27. 腰椎化膿性脊椎炎の2例
Subtitle :
学会抄録 第108回東北整形災害外科学会
Authors :
五十嵐峻, 今泉秀樹, 大津進, 高野広之, 那波康隆
Authors (kana) :

Organization :
大崎市民病院
Journal :
東北整形災害外科学会雑誌
Volume :
55
Number :
1
Page :
170 - 170
Year/Month :
2011 / 6
Article :
抄録
Publisher :
東北整形災害外科学会
Abstract :




【はじめに】保存療法で軽快せず重度麻痺で手術をした腰椎化膿性脊椎炎の2症例を経験したので報告する.

【症例1】52歳男性. 主訴:左下肢麻痺, 膀胱直腸障害. 既往歴:糖尿病(未治療). 現病歴:平成21年2月から腰痛が出現. 3月10日近医を受診し, L3/4化膿性脊椎炎の診断で入院し抗生剤投与をうけた. しかし, 症状の改善がなく, 3月15日より左下肢麻痺と膀胱直腸障害が出現 したため当院に紹介搬送された. MRIでL3/4椎間板の破壊像とL3/4レベルに硬膜外膿瘍を疑わせる像が認められた. L3椎弓切除と硬膜外膿瘍の掻爬を行った. 膿培養は陰性だった. 術後, 下肢筋力の改善があり近医に転院した.

【症例2】73歳男性. 主訴:両下肢麻痺. 既往歴:特になし. 現病歴:平成21年7月末に腰殿痛が出現. 8月2日当科を受診し, 腰部神経根症と診断された. 8月10日CRP高値のため近医に入院して抗生剤投与をうけた. 症状が改善し8月31日退院した. しかし, 腰殿痛が再び悪化し9月7日から両下肢の麻痺も出現した. 9月17日L2/3の化膿性脊椎炎として当科に紹介された. MRIでL2/3椎間板の破壊像とL2椎体後面に硬膜外膿瘍を疑わせる像が捉えられた. L2椎弓切除と膿瘍の掻爬を行った. 膿培養でEnterococcusが検出された. 術後経過は良好で麻痺が改善し転院となった.

【考察】2症例とも発症から診断まで6~7週間を要していた. 起炎菌が同定できずに抗生剤投与が行われ, 保存療法が不十分だったことが共通していた.

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