2016年10月2日日曜日

明日はノーベル生理学・医学賞

気がついたら明日はノーベル生理学・医学賞の発表である。「ノーベル賞を誰が取るだろうか」の床屋談義であるがネットが広がると同時に一旦すごい勢いで広がった時期があるが、ここ3年くらいは一時の多様性は失われて定型的な話題を提供する一部のサイトのみが勢いがあるようだ。

すごい勢いで広がった時期というのはちょうど2ちゃんねるが勢いを出してきたころである。結構まともな人達が話題を提供していたので、とても面白かった。小生など全く知らない領域の大御所の話など拝聴できて楽しかった。

今では残念ながらあまりおもしろい話題がない。

あまり名前の知られていない研究者の研究を世界に広げるサイト・話題提供者としては、結局ノーベル財団がもっとも一番インパクトのあるということになる。権威を維持するには予想不可能性というのがある程度は必要だ。

後出しジャンケンなら誰でも勝つ。後医は前医に勝る(業界以外の方に説明すると、患者をあとから診た医者のほうが、先に診た医者よりたいていの場合正確に診断する・・・という意味です)。

さてここ数年でいえば大村 智氏屠 呦呦氏のことを予想していたヒトがどれだけいるだろうか?(屠 呦呦といえば彼女の名前を表す漢字すら最近まで存在しなかった、少なくとも日本のネットの上では・・・)

「海馬における場所細胞を発見し、それらがシータ位相歳差の形成という形で時間符号化を行なっていることを発見した」というジョン・オキーフ、マイブリット及びエドバルド・モーセル夫妻のことをどれだけのヒトが知っていただろうか?

だから今年も意外な成果に心を揺るがすことになるかもしれない。

一方でそろそろ「ゲノム・プロジェクト」にあげなさいよと言いたい。関係者が死んじゃうよ。もう15年以上経つのだし、その後の医学生物学への貢献は誰もが認める研究でしょう。

小生に言わせればオプジーボよりはウイルス肝炎に対する経口治療薬の開発のほうがよほどインパクトがある(治癒に至る患者数の絶対的な差である。 オプジーボでは結局治らないがソバルディやレベトールでは多くが救われそうである)PD-1そのものは素晴らしい発見であり本庶先生にはぜひ受賞していただきたいが、オプジーボが存在するがゆえにノーベル財団は受賞を手控えるとみるのが冷静な見方だと思うのだ。治験以降承認以降の大規模治療ではまだまだ5年生存率すら出ていないこの季節にノーベル賞を出せるわけがないではないか?



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