2017年1月18日水曜日

岡田節人先生を偲んで(1)

発生生物学者 岡田節人先生が世を去られた。エピジェネティクスの始原、源流であるC・H・ウォディントンの元に留学され日本に「後成的風景」をもたらした発生生物学の泰斗である。小生は若かりし頃、岡田節人の書かれた何冊もの本を舐めるように何回も読んで自らの無知蒙昧の底上げをさせていただいた。本日そのうちの一冊「生命科学の現場から」という昭和58年の本を本棚から取り出し読み直していたが、往時の感慨がよみがえる。


Epigenetic Landscapeby John Piper & C.H.Waddington





いろいろ書きたいことはあるが、 まずもって「生命誌」に岡田節人先生が連載された「非生物学的エッセー」を、この場にリンクしておきたい。今月来月いろんな追悼特集がでるであろうが、この音楽エッセイにまで触れらることはないと思われるので「生命誌」には無許可でであるがリンクを貼らせていただく。

実は8番の ラヴェル『マダガスカル島民の歌』のことを最近知り、これが「おかだ ときんど」先生の文章だと知り驚愕したところだった。小生はラヴェルに目がなく、これまで何度もラヴェルには触れてきたので、この先生もそうなのかという驚きがあったのだが同時に、この先生の音楽への造詣は私などの及ぶところではないと打ちのめされたのである。発生学のことも書きたいが、まず学問以外のことをリンクすることでお弔いとしたい。合掌。

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生物学に詳しい音楽家とまで言われた岡田節人名誉顧問が19回にわたり、思いのままに音楽を語った名エッセイです。音楽も科学も優れた知であることが浮かび上がります。書斎で語る岡田先生。あるテレビ番組に出ていたら「生き物のことに詳しい音楽家」と視聴者に誤解されたほどの音楽マニアで知られる。オーディオルームを兼ねた書斎の棚には、世界各地で買い求めたLPやCDが並ぶ。
「生命誌」より

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