2018年11月9日金曜日

AIと医学診療2018:早く自分で使いたい!!

2018年はAIが医学診療に使われ始める予感が感じられる年であった。実臨床でこのような技術が使われることになると本当にありがたい。だけど現状どうなんだろう?

日本は医学のある領域に関しては本当に敷居が高い国である。パピローマ・ワクチンしかり。遺伝子診断しかり。医療機材の国内生産と販売(心臓ペースメーカー、人工関節、手術縫合器、切除補助機器(カッティング・デバイス))もそうだ。

話をもとに戻してAIを一日も早く「私の実臨床・医学診療」に導入したい。応用したいのだ。「私の」である。邪魔をしてほしくない。一日も早くである。どうすればよいの??

2018年も終わろうとしている。現時点でのノートを作っておこう。

1)AIに医学が急速に近づいたのはいつ頃からだっただろうか?

2)現状AIはどのくらい実用的なのだろうか?

3)急速に実用化近づいたように見えるが、そこからが遅いのはなぜなのだろうか?



1)AIに医学が急速に近づいたのはいつ頃からだっただろうか?

IBMワトソンがクイズ番組で全米チャンピオンを破り、その後医学に転向した2013年くらいと記憶する。またNYのスローンやいくつかの病院がIBMワトソンと連携してAI診断を始めたという2014年も記憶に残る。日本では東大医科研の比較的珍しい白血病診断と治療薬の検索が思い出されるが、残念ながらこれから先が続かない。

2)現状AIはどのくらい実用的なのだろうか?

2018年の暮にあたり、見込みの有りそうな技術についてメモしてみたい


グーグルの画像認識AIは、専門家にも見えない腫瘍の変異を識別できる

これなど小生が夢を見ていた最たるものだ。人間には区別できない「なにか」を見分けて、その底にある「遺伝子変異」を見分ける画像解析である。これを求めていた、私は。

乳がん検診のマンモグラフィーを自動読影(1)
乳がん検診のマンモグラフィーを自動読影(2)

これなんかすぐにでも使えるようにしてほしいものだ。がん拠点病院レベルでは必要ないだろうから、乳がん学会で発言力のある連中は資源の配布に積極的ではないだろう。地方の検診センターレベルや小生のような病院で使わせてほしいのだ。当然診断の責任は私達が引き受けるし、あくまでも参考意見として診断に使わせていただく。文句もいいません。難癖もつけません。作成者と交渉して個人契約できないものかしら。

糖尿病網膜症の病期分類を行うAI

どれくらい役に立つのか小生には評価ができない。しかしスクリーニングレベルであるなら「文句もいわない、責任も問わない」医師にはいち早く使わせてもらいたいものだ。開発者・配布側が慎重になることは当然予想する。作成者と交渉して個人契約できないものかしら。

3)急速に実用化近づいたように見えるが、そこからが遅いのはなぜなのだろうか?

  • 開発者が責任を取りたがらないから。
  • 開発者のコンセプトを超えた使われ方をされるという懸念があるから。
  • 質の担保をどこが、どのように行うのか決めきれないから(国や行政にとっては極めて大きな問題だろうが、最終責任は使用者が負うという前提で、質の評価も使用者が決めたら良いのだ。だから早く使わせて)
  • お金がからみそうだから。



2 件のコメント:

  1. 先生のブログを楽しみにしている一読者です。
    突然のコメント失礼致します。すでにご存知の内容でしたら無視してください。

    先生が紹介されていた「グーグルの画像認識AIは〜」はソースコードが公開されているようです。
    しかし、残念ながら試すのは少し難しいかも知れません。(ジョブ管理のミドルウェアなどが必要みたいです。)
    https://github.com/ncoudray/DeepPATH/tree/master/DeepPATH_code
    本当にご興味がおありでしたら、病院に出入りしているITベンダーにご相談してはいかがでしょうか?

    AI業界ではオープンソース意識が強く、研究者が作成したモデルや論文は無償で公開するのが一般的になっています。
    実用化が遅い原因として、ベンダーや医療機器メーカーの開発力では、研究者の進歩に追いつけない状況もあると思います。

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  2. どうもコメントありがとうございます。

    最近アクティビティーが下がっていますがよろしくお付き合いください。

    さてご紹介のサイトと情報、自分なりに咀嚼してみたいです。
    ご連絡ありがとうございました。

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