2020年3月5日木曜日

コロナPCRの無制限の開放に反対する

厚労省のHPによると

昨日から今日になり全国のPCRの施行件数が一挙に2倍近く増加した。













私の個人的見解をまず申し上げておけばコロナPCR検査は重篤者確認」に制限すべきと考える。

「PCRの件数が不足している、望む人にはできるだけ検査すべきだ」と私がかんがえているのかと思った方も多いと思うが、小生そんなにナイーブではない。

PCR件数を無制限に増やされたら「偽陽性患者」でこの国は膨れ上がり、すぐに医療リソースが枯渇してしまうと心配しているのだ。コロナPCRについては感度・特異度に正確な報告はまだない(当たり前だ。この病気の診断基準が「PCR陽性」だろうから。このあたりはトートロジーなのだ。)現在頼るものが他にないので「PCR陽性」を病気陽性としている。でも、だれでも知っているが「PCR陰性」といわれても、病気陽性のひとはいる。

感度・特異度について頼るべきは中国のデータあるいはSARSのときのデータ。小生が知っている限りでコロナPCRの感度は最大で70% (30-60%とする中国の報告もある)、特異度が90%とされる。

コロナPCRは他に頼るものがないから使うけど、あまり当てにならない検査なのだ。

まったくランダムに10000人に検査したとしても1000人に(なかば自動的に)陽性者がでるのだ。

この1000人と真のコロナ病の人を合わせて医療業界は診なくてはいけないのです。
これは結構きつい状況だ。真のコロナが3000人くらいいるなら納得もいくだろう。

でも有病率が低い状態なら真のコロナが数人という状況もある。仮に有病率が0.1%ならこの10000人には10人のコロナ病しかいない。1000人の偽陽性者と真の10人である。ちょっとやる気をそぐ数字だ。

こうなると有病率が知りたくなる。ここで陥穽に陥っているのが「全数検査」を叫んでいる人たちである。ちょっとまて。そんなことをしたら、大量の偽陽性が出てしまい日本のベッドは偽陽性者で埋まってしまうのだ。このひとたち臨床的にはコロナ陽性患者だ。
(だって否定のしようがない、陽性でてるんだもの)

小生がなぜ全国のPCRの検査の実相を知りたくなったか少しわかっていただけたであろうか?

陽性率が知りたかったのだ。絞りに絞って検査をしていた先週までの状況で、だいたい1〜2%くらいの陽性率ではないかと推察される。保健所制限対象者の有病率がこのくらいであろうというのは間違っていないだろう。

このあとは感度70%、特異度90%を固定値にして、変数を有病率10%、5%、1%、0.1%・・・と変えてご自分でエクセル計算してみてください。

このPCR検査を、対象を絞らずにやった場合(有病率を下げまくった場合)おそろしい数の偽陽性患者が出る割には、真の陽性者を捕まえることができず、また同時に無視できない数の偽陰性患者を野に放つ状況があなたのパソコンのエクセルで確認できる。この偽陰性者の方々は「自分が陰性だという結果」にすがって生活を続けるのだ。「自分が陰性だという結果」にこだわりすぎて、もし症状が出ても病院にはこない。来たときは、おそらくすでに手に負えない状況も予想される。

小生ははじめの頃「PCRをやってもらえない事例」を自分で経験したので、当初はナイーブに憤慨していたが、最近はまったく違う考えだ。

「制限付きPCR」存続をなんとか維持してほしい。できるでけ絞ってほしい。

コロナPCRの方法論に本質的改善が見られない限り、PCRを広く開放することはきわめて危険である。

よくよく考えて医療政策を決定してほしいものである。

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