2020年5月1日金曜日

レムデシビルが有効であるとのギリアド社のレポート

レムデシビルが有効であるとのギリアド社のレポート   4月30日

(4月29日にはランセットにはレムデシビルが有効とは言えないとする中国からのレポートも報告された)

[対象患者]
試験参加時点で肺炎の所見を示し、酸素飽和度の低下がみられるものの、人工呼吸器を必要としない患者(5日治療の200v.s.10日治療の197名を無作為割付)。

[目的]
5日投与群と10日投与群における改善と回復の差を検定

臨床的改善とは試験計画書に示した7段階スケール(退院~酸素療法の必要性~死亡)でベースラインからの2段階以上の改善がみられることと定義。

臨床的回復とは、酸素療法と治療が不要となるか、退院に至ることと定義。

[結果]
臨床的改善が患者の50%に認められるまでの期間は、5日間投与群では10日、10日間投与群では11日。両群とも、半数以上の患者が第14日までに退院した(5日投与群:60.0%,n=120/200vs.10日投与群:52.3%n=103/197;p=0.14)。

14日には、5日投与群の64.5%n=129/200)、10日投与群の53.8%n=106/197)が臨床的回復に到達した。

臨床転帰は、地域により異なり、イタリア以外では第14日時点の死亡率は両群あわせて7%(n=23/320)、第14日時点で臨床的改善がみられた患者の割合は64%(n=205/320)であり、61%n=196/320)が退院した。

[展望]
この試験の拡大フェーズを設け、人工呼吸器の使用例を含む5,600名を追加登録する予定。試験は現在、米国、中国、フランス、ドイツ、香港、イタリア、日本、韓国、オランダ、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾と英国をはじめ世界各地の180の医療機関で実施中。

私のつたないコメント

挿管に至らないものの酸素飽和度の低下した患者が二週間以内に61%退院できたのであれば、なかなか良い臨床効果であると思う。プラセボが用いられないphaseであろうから、厳密な議論は困難であるが。

今後の最重症例を含む6000例の検討が待たれる。

アビガンとともに早く国内で使えるようになってほしい薬剤である。

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