今年の2月に半年で4例目のモンドール病を診たと書いて以来、久しく診なかったモンドールに昨日出くわした。
60台後半の女性で左乳腺の下方に有痛性索状物があり、近医から「乳癌の疑い」ということで紹介を受けた。見た瞬間モンドールとわかるのがモンドールの由縁だが、この方も典型的モンドールであり、索状物は5mm程度であり、上方は左乳腺D領域に入る。一方下方は台12肋骨を乗り越えて腹壁に中途まで伸びている。これ、上方と下方を両手の指で固定したまま逆方向に引っ張ると、見事に血管が浮かび上がることに本日気が付いた。乳癌のデレと同様の所見であり、血管炎が周囲の組織を巻き込んでいるからそうなるのだろう。こんなことは教科書には書いてない(あたりまえだ、今日ボクが見つけた)。通常の乳癌検索はMMGとエコーと触診を行ったが異常なし。ということで「良性の炎症性変化でなにも心配いらんです。癌じゃない、3週間で自然に消えると思います。薬はいらんでしょう、よかったですね」といって帰って貰った。硬く触れる物が突然自分の乳に現れるので、大抵の女性はうろたえるのだ。この病気を一年で5例も診ることになるとは思わなかった。
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