2010年1月15日金曜日

6例目のモンドール病

ボクはモンドール病は珍しい病気だと思っていたが、こんなにありふれた病気だったんだね実は。6例目のMondorである。

今日の外来最後に飛び込んできたのは31才女性。問診票に答えが書いてあった。「わきの下に痛みのある筋が・・・」患者さんを部屋に入れる前から部屋付きナースにはモンドール病かもしれんねといっっていたが、入室後に診せて貰った。写真を撮らせてもらったが、これは教科書に載せてもイイくらい説得力のあるモンドール病であった。

上下に引っ張ると腋窩を支える吊り橋のように、あるいは高圧電線のように筋が浮かび上がる。
もちろん圧痛はある。途中で地下に潜る、どんどん検索を進めていくと左乳腺のC領域に突入し、乳首のすぐそばまであるのだ。末梢は左肘関節直上10cmのところまで。全長25cmの結構立派な血栓性静脈炎である。

抗炎症薬を出したが、彼女おそらく飲まないだろう。念のため明日エコーを撮るが(乳腺の検索も兼ねて)おそ
らく何もないだろう。二週間後に診せてくださいといっておしまい。

それにしても多いなMondor病。ボクに興味があるから集まるのかな。不思議なのは今日の人も「左」なのだ。圧倒的に左優位な病気だ、ボクにとっては。

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