2010年10月29日金曜日

1000ゲノムプロジェクト:日本人のデータは多いのに・・

昨日の1000ゲノムプロジェクトではいくつかの人種がゲノム・シークエンスの対象となっている。ここで使われているDNAソースはHapMapとある程度共通しているのか、略号が同じである。最近ではこの略号が当たり前に使われているが、備忘のために詳細を述べておこう。というかNIHに説明があるのを翻訳してくれているページがあるので備忘しておく。

人種の略号

* Yoruba in Ibadan, Nigeria (abbreviation: YRI)
* Japanese in Tokyo, Japan (abbreviation: JPT)
* Han Chinese in Beijing, China (abbreviation: CHB)
* CEPH (Utah residents with ancestry from northern and western Europe) (abbreviation: CEU)


東京日本人とはハップマップで採取される時に(ICは当然取られているだろう)両方の祖父母が日本人であることを条件としたらしい。日本人の場合、これ以上の条件を付けても正確にはならないだろう。日本人なら過去1000年(という極めて短い期間をとっても)そのどこかで半島・大陸系のDNAが混じているのは避けられないから。

今回の解析にも東京日本人のサンプルが105人分使われている。7種類の人種の中では実は解析数は最も多い。ヨーロッパ由来ユタ在住者でも90人なのだ。しかし、この論文の著者としてー700人以上の著者が掲載されているにもかかわらずー日本人の名前が一人もいない様に思える、ざっとみて見つけきれないのは寂しすぎる。


論文の最後の謝辞にこうある:We thank the Yoruba in Ibadan, Nigeria, the Han Chinese in Beijing, China, the Japanese in Tokyo, Japan, the Utah CEPH community, the Luhya in Webuye, Kenya, the Toscani in Italia, and the Chinese in Denver, Colorado, for contributing samples for research.

  • 「東京の皆さんありがと〜〜」てか。この扱いはひどすぎるのではないか?   

  • HapMapをconductした日本人研究者は責任を持って次なる仕事(1000人ゲノムプロジェクト)にcontributeしてほしかった。せっかく集めた日本人の貴重なサンプルを使った世紀の仕事だ。日本人研究者が関与していない、しかし日本人サンプルはしっかり使われている。いったいどうなっているんだ!
論文は今読んでいるが、正直今のところ退屈極まりない。これは予備実験として実験の精度確認やこれからの本解析への精度管理のための技術確認報告が前半多すぎるから。眠い。

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