どこかの雑誌を読んでいたら、CSHPから「Molecular Cloning」の最新版が出版されるという広告が出ていた。なんでも第4版だとのこと。
ずいぶん可愛らしい装丁であり、マッキントッシュのソフトウェアの表装かと見間違えそうである。「Molecular Cloning」この本には世話になった。他に本が無かったからな。小生が分子生物学を見よう見まねで学べたのは、この本を読みこなしたからだ。東大医科研から随分経ってよいベンチ本が出たが、それまでの世代は皆、この本で方法論を学んだことでしょう。小生らの頃は著者名で「マニアティス」と呼称していた。サムブルックではないよ。Sambrookと呼ばれたのはその後のことでしょうな。
私の持っているのは初版である。とはいえないな。小生の本は正直言って海賊本である。B5くらいのハードカバーの一冊本である。ですから字が極めて小さい。ある日大学の研究室に「おじさん」が売りにきたので、当たり前のように買ったのだ。今でこそ「海賊本」であったのだと認識できるが、購入時は講師の先生が「Molecular Cloning自分用に買っといたほうがいいよ。昼休みおじさんが売りにくるから、よろしくね!」と言われて、なにも余計なことを考えずに買ったのである。これが本物だと思っていたからな。そういえばあの頃は(20年くらい前かしら?)は、こんなハードカバー本が多かった。日本にもである。海賊版など、今は流行らないでしょうし、大学でそんなものが売られていることなど許されない時代だけど、当時はおおらかというか、いい加減だったのだろうな。
原本が3冊で、電話帳のような冊子体であることを知ったのは、それから随分経ってからのこと。おそらく、価格は3分の一以下であっただろう。
で第四版である。今時の学生さん必要でしょうかね、この本。
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