2013年4月13日土曜日

不機嫌なイチゴゼリー

不機嫌なイチゴゼリーといえば腸重積である。赤ん坊は泣くしかないので、間歇的な腹痛は「機嫌の悪さ」泣くことでしか表現できない。そして下血はよくイチゴゼリー状と表現される。

もし「腸重積」を治療しなくてはいけなくなったとしたら、どうするか
  1. まず親に了解を得る。手術の前に試みるべき「高圧浣腸」という手段があるが、やってもいいかな?上手くできれば、手術しなくてもすむ。ただし破れて腹膜炎を起こす可能性がある。この場合は直ちに手術です。もっとも、 「高圧浣腸」であっても、上手く整復できなければ手術するしかないのですな。
    もう一度いう。「高圧浣腸」は成功率高いが、破れる可能性がゼロではない。
  2. 了解がとれたら透視室で「高圧浣腸」を試みよう。この際、必ず16 or 18Gのエラスター針を用意しておくこと。
  3.  いまどきの「高圧浣腸」は「空気」でやるべし。120mmHgまでかけて良い。透視下だと空気が造影剤の働きをする。先進部が見える。整復されると、空気は一挙に回盲部へ至り、回腸も写るよ。
  4. ところが破れたら一挙に状況が変わる。free airは派手に写る。このとき慌てないこと。ほっとくと「緊張性気胸」のように、呼吸が困難になることがあるのですって。だから次の一手を間髪を入れずに忘れずにね。
  5. つまりその場合には、急いで腹壁にエラスター針を刺すこと。脱気を図って、ヒトを集めて手術場に直行することだ。
以上、「今日の腸重積治療指針」でした 。


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