2年ぶりにMondor病の患者さんがやってきた。問診票には右乳腺が10日前から痛み、スジが張っているとある。あれ「右」ですか。当院外来でみるMondorは不思議なことに全員左なのだが、この方は右腋窩から乳頭に向かって全長8.5cmの血栓性静脈炎で疼痛と圧痛がある。36歳で当然「乳癌を心配して引きつって」やってきたのだが、「まったく問題ないです。3週間くらいで痛みが取れます」と案内しておいて、念のためエコーを行った。
「この病気うちの病院では10人が10人とも左にできるので、あなたは珍しいですよ」というと「実は右ほどではないけど、左にもあるんです」という。触診で確かに左にも静脈炎がある。ただし右ほど痛まない。両側性である。小生は初めて同時性の両側性Mondor病を診ました。
通算11例目のMondor病であった。
と、ここまでで報告終わるはずであったが、「あのせんせ、こんなスジは他の場所にもできますか?」と最後の最後で問われてなんだか雲行きが・・・・
右の手掌の手関節に近いところ、それと右大腿外側にもあるんだとか・・・
全身性の血栓性静脈炎となるとちと困るが、おそらくそんな大それた病態ではないだろう。元気そうで熱もなさそう。再来してもらうことにした。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿