下駄骨折とJones骨折 vs Wii骨折
ただ単にWii骨折をnoteしてもしょうがない。小生がWii骨折という言葉に反応し写真を見たとき思ったのは、「あれ、これは日本では昔から有名ななんとかという名前のついた骨折だよな」ということ。今朝その「なんとか」を思い出した。「下駄骨折」である。第5中足骨近位端部の骨折。バンカラ学生が高下駄を履いていた頃はよく見られたと教科書にはある。この場所の骨折では、もう一つJones骨折も思い出す必要がありそうだ。Jones骨折は馬鹿にしていると無腐性の偽関節を形成することがあるとものの本には警告が載っている。Jonesは同じ第5中足骨であるが骨幹の近位部であり、疲労骨折。サッカーで無理にひねってシュートを打つ場面を繰り返すとなると覚えておけばよい。
更に手の関節で舟状骨骨折と同じ状況にあることを思い出す。この二つの骨の血行支配はかなり特異的で、骨折すると近位端がたちまち阻血におちいるので腐骨→偽関節となる(かなり断定的だが、非専門家はこのくらい断定的でないと覚えられない)
この辺の知識はこの一年の間に仕入れたものであり、林 寛之のシリーズで覚えたものである。この第五中足骨というのは例のオタワ足関節ルールにも入っている。良くできている。
ということでWii骨折ひとつで、実に様々なことを思い出したよ。
ちなみに「偽関節」でグーグル検索を行うともっとも良くお目にかかるのは「舟状骨骨折」である。月状骨の横で親指の根元にあるこの骨、日常小生が出くわすことはほとんどない骨折であるが、もし疑い症例をみたら余程気を付けておかないと「訴訟の原因」になる。くわばらくわばら、骨折である。
一方ジョーンズ骨折あるいは下駄骨折はこの1年半で3例くらいは見た。オタワの検索をやるようになってからは、まず見逃さない骨折であろう。踏み外しが多いのだ、下駄であろうがWiiであろうが・・・。
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