もう随分長いおつきあいになる御夫人が昨日外来にやってきた。小生との付き合いは「腰椎圧迫骨折」である。90歳を超えるが昨年ご主人を亡くされて(この方も私が主治医であった)大変だっただろうに、ますますお元気である。「最近右の親指の根元が痛くて・・・・・」と言われる。丁度橈骨茎部あたりに圧痛がある。狭窄性腱鞘炎 (ドゥ・ケルバン de Quervain病)である。整形外科の外来先生もそう言われる。
これ①湿布と抗炎症薬で様子をみる→②ステロイド局注する→③外科的に腱鞘をオープンにするという3段階の治療がある。
大抵は①②で終わるようだが中には③にいたるヒトがいるようだ。ドゥ・ケルバン先生の時代からヒトは親指を酷使してきたのだ。ところで90歳のご婦人はやはり親指を酷使しているのだろうか?と訊いてみたところ「主人の回想録をワープロで打っているのですが、それが悪いのでしょうね〜〜」と言われた。「回想録とワープロ」である。たいしたものだ。思わず「回想録、出来上がったら読ませてくださいね」と言ってしまう。
ところでこのドゥ・ケルバン de Quervain病は親指の根元が痛む病気である。簡単なテストがありFinkelsteinテストという。親指以外の指4本で親指を掌側に包み込む→次いで手を尺側に屈曲させるというものだ。「昔、このテストを覚えたのだろうか私も」と思いながら自分でやってみたのだが「痛い!!!」と飛び上がってしまった。どうやら小生も潜在的なドゥ・ケルバン de Quervain病だったようだ。
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