高齢婦人の腹満で悩ましい方が入院している。実際には下肢PDAでバイパス術後の感染等々で左は膝上部切断を最近行った方だ。リハビリで小生診ているが、この方ADLは良くないが、生きる意欲は我々以上に満々なのだ。食べ物へのこだわりはなみなみならない。何時ベッドサイドにいっても、なにか活動している。明るい。憎めない。
でも病歴は脳梗塞、両下肢バイパス、大腿切断、心筋梗塞、出血性食道潰瘍による吐血とショック、慢性C型肝炎等々であり、その大半はこの一年以内である。今は落ち着いている。あと二週間で自宅退院である。
このお方の腹満は昨年夏頃は大変悩ましかった。便秘がひどく、ひどいと段々お腹が張ってきて、呼吸抑制となり、sPO2が下がってくる。80台前半はざらだ。便秘が解消すると呼吸抑制はなくなる。リハビリも快調となる。
あるときひどい鼓腸と腹満で呼吸不全もひどくショックになりかけた。胸写でフリーエアが見える。見える・・!
CTを撮ると上腹部ー横隔膜下にフリーエア。 尋常ならざる量、広範。
心筋梗塞や下肢バイパス、下肢切断を行ってくれた病院に緊急搬送してもらったが、不思議にその後落ち着き手術をせずに回復、2週間で当院に戻ってきた。「消化管穿孔はなかったのでは・・・」というコメントであった。
この病態が小生、不思議でならなかった。
そこに本日のm3.comのカンファレンスである。m3.comは通常はチラ眺めしかしていないが、本朝するどく目に刺さってきた記事は「高齢婦人の腹腔内遊離ガスについて」である。あっ!あれじゃないかな・・・と
キライディティはないと判断したし、何度も撮ったCTやCFで腸管気腫症はなさそうである。そうなると「卵管気腫」は充分あり得るなあ。
今現在は不思議なくらい調子がよろしい彼女であるが、もし病態が再燃したら婦人科で「卵管通気テスト」 をしてもらおう。これで病気が解決するなら、こんなに素晴らしいことはない。
☆☆☆☆☆☆☆ 閑話休題 ☆☆☆☆☆☆☆☆
日曜日朝の回診は気持ちが良い。さて、今日はなんの映画を見に行こうかしらん?
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