2018年12月24日月曜日

年末恒例の外科当番は多種多彩で忙しいぞ!

年末恒例の外科当番を今日もやっている。
朝から腹痛、嘔吐、下痢、めまいとなかなか忙しい。その中から・・・・

(1)Finkelstein陽性の左母指球痛

  • 一昨日から左の「腱鞘炎」で全く痛くて指が動かせないという男子45歳。典型的な腱鞘炎でFinkelstein陽性ですが、ややこしいのは一ヶ月前から右の同部の痛みがあるということ。右は今は落ち着いている。遊走性なのか、たまたまなのか・・・今日は鎮痛薬と湿布でお引取りいただいた。
  • 狭窄性腱鞘炎 (ドゥ・ケルバン de Quervain病)

  • というブログを残したことがあるが、あれに似ている。
(2)ミトコンドリア脳筋症のかたの上気道炎

  • 22歳女子。昨晩からの発熱と嘔吐ということで来院。下痢はないが、この方問題なのはてんかん薬を飲んでいるのだ。1週間前に大発作が5年ぶりにあったとのことで、小生も緊張する。よくよく聞くと生まれつきの病気があるという。付添のお母さんによると「ミトコ・・・なんとかという病気です」という。
  • 小生が「ミトコンドリア脳筋症ですか?」というと「それです!、それそれ」
  • 脱水は結構強いので点滴をしながら様子をみた。検血では炎症所見は強くない。発熱嘔吐であるがnuchaは異常なさそう。枕も嫌がらないし。肺炎・尿路も心配なさそうだという結果が出るころ、御本人の症状はずいぶん落ち着いた。そこで抗てんかん薬をのんでもらったが、吐かない。そこまで確認してご自宅にお引取りいただいた。
  • 最近では「ミトコンドリア脳筋症」については国立精神・神経医療研究センターがパンフレットを出している。今朝一生懸命読んでみた。頑張って書いているがやはり難しい。バリバリの医学生でついていけるかどうか?ミトコンドリアの病気はヘテロプラスミーがあるので理解するのが大変である

(3)左下顎骨骨折

  • 昨晩1時半ころラーメン屋で殴られたんですって。よく喋る35歳。診ると左の頬部がやや腫れぼったい。歯が一本折れている。触診でかなり痛がる。顎関節は問題なさそうだが下顎骨は問題だ。「折れてるかもしれないな」というと「ありえない!」との返事。郷里に帰る飛行機の時間が迫っている。「どうする?」と聞くと「診断だけでもつけてください」というのでCTを撮った。頭蓋内や眼窩に骨折や血腫はないが、予想通り左下顎が完全に折れており若干偏移を認めた。こんなときはCTに限る。CDに焼いて手紙を付けて「大きな病院、口腔外科のあるところに行くように」と案内した。
  • 35歳男子は下記③の場所が折れていた。


(4)ゾフルーザ 対 タミフル


  • インフルエンザもぼちぼち出だしている今日このごろである。今年の話題はやはりゾフルーザである。2錠一回のめば終わりという簡便さは売りである。一方価格は問題である。
  • 価格比較表を見せながら患者と相談している自分はなんだか情けないのである。車のディーラーみたいだ。(車屋さんごめん!)
  • 「二種類ありましてね、簡便さが売りの新しいゾフルーザは、え〜と③割負担ですと2800円。一方従来のタミルフルは900円ですが朝晩2回5日間のまなければいけません」
  • 「患者さんよかったですね、78kgですからね。80kg越えていると倍量ですから5000円行っちゃうんですよ。本当にラッキーだ!」
  • などなど本当にいやだ。
  • 患者からは「一回でほんとに効くんですか?、なんか頼りないなあ」と敢えてタミフルを選ぶ方もいたり・・・
  • 価格はかなり重要のようで、意外にタミフル健闘しているなというのが実感である。



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