私はがんの診療と研究を行っており、患者のことを思えば、世の中の研究の進みには敏感であるべき立場なのだと思う。しかし情報というものには独自の感覚を持っており、一言でいえば「世の中の情報すべてに精通することはできないし、情報がまたすべてではない」ということである。勉強不足に対する自己弁護かもしれないが、この膨大な情報の海のなかで溺れないようにすることは、「自分の考え」「自分なりの感覚」を失わないためには必須であると考える。しかしそれでも、専門外の情報でも質の高い情報にはある程度の早さでキャッチアップしておきたい。これがなかなか難しい。インターネット情報(論文サイト以外)は、これがなかなか難しい。本当に優れた研究者は、インターネットに情報を書き込む暇などないだろう。
とりあえず出来ることといったら、論文サイトを覗くことであろうか?昔であれば図書館の新着雑誌のbrowsingであるし、最近なら朝一番にネットで眺めるいくつかのサイト(たくさんは覗けないのでScience, Nature, Nature Genetics, PNASだけに限定している。最近ではこれにNature Reviews Cancer とNature Reviews Geneticsが加わる)が私の真の情報源なのだ。Science, Natureは25年以上眺め続けている。おそらくほとんど毎週欠かしたことはないはずだ。たったこれだけなのだが(だって週一回しか発行されない!)、経験的にこれが一番効率が良いと思う。図書館の新着雑誌のbrowsingが出来なくなって以来、読まなくなった雑誌が増えたものだ。JEM、NEJM、Lancet。困ったのはNEJMを読まなくなったことくらいか。あとで「そんな論文でてたの!」というのが年に何回かあるのである。来年はNEJMのbrowsingを再開しようか?
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