2007年12月31日月曜日

2007年度の年末雑感

2007年度は、医学生物学の研究分野で様々な新しい事柄がわかってきた面白い年だった。研究(正確には研究論文)には当たり年というのがある。10年に一度くらいしかないが、次々に面白い事柄が発表される当たり年がまさに今年だったのだ。もちろん、面白いと思えるかどうかは極めて個人的な事柄であるが、そう的を外した印象ではないと思う。僕なりのまとめをしておこう。

1) ゲノム情報の多様性
(a) 大腸癌・2型糖尿病における多型研究の進展
20年前くらいの一遺伝子多型の時代(血液型、アルコール代謝関連酵素)から、ようやくここまでやってきたのかというのが感想。これらがSNPsという言葉で呼ばれるようになったのが95年ころ。WGAが可能になったのは、もちろんゲノムプロジェクト以降。ようやくpolygenic diseaseで研究成果が出始めたのである。もちろん、これらの多型が普遍的か(特に日本人に当てはまるのか?)どうかは不明であるが、西欧の様々な人種には概ね通用するようであり、糖尿病に関してはいくつかの多型は日本人にも通用するらしい(神戸大情報)から、大きく進展しているはずだ。次は日本人大腸癌の時代だぜ。

(b) CNVが市民権を得る
CNVのことを初めて聞いたのは3年くらい前だったな。CRESTのミーティングで油谷さんから直接聞いた。そのころは21番染色体に50kb程度のコピーを持っているヒトとそうでないヒトがいること、またそれが逆位で配列していることなどが話題だった。「もっと一杯変異はあるよー」といっている人と「あんたの材料はEB lymphoblastoidでしょ。培養中のartifactですよ、それ」なんていってる人がいて、僕は後者だと思っていた。しかし僕らのCGH arrayデータを見る限り、この話は本当だ。癌で80例くらいみて共通の髭(コピー数の局所的増加)があり、喜んでいるとコントロールにも何例か同様の髭があるのだな、これが。今問題にすべき長さと頻度を持って登録されているのが5000カ所くらいだ。その本質から、CNV数は無限といっていいくらい多数あるだろうな。

(c) 固形癌における融合遺伝子研究の発展
8月の野間さん、12月のCellと肺癌に限って融合遺伝子が報告され始めた。難点は頻度が低いこと。それでも複数の症例で認められた意義は大きい。次は消化器癌だぜ。
(d) 唾液腺アミラーゼ遺伝子CNVと民族・食餌スタイルの関係
これには驚いたのだ。僕らの大腸癌array CGHデータでも1pに鋭いピークがあり、これをよく見るとアミラーゼ遺伝子クラスターである。まとめてCNVなのね。世界中で日本人のコピー数が一番多いというのが面白い。

(e) 大腸癌・乳癌における全エクソン配列のシークエンス・変異解析
Vogelstein畢竟の大作、になるはずだったが、他の研究も面白すぎてあまり話題にならなかったけど、これはいい仕事です。Vogelsteinは大腸癌の転移症例と非転移症例について同様の研究をやっているらしいが、これが世にでると面白い。
(f) PTENにおけるGPMの発見

2) 幹細胞研究の進展
(a) 大腸癌幹細胞とCD133
次なる課題は、二次マーカーのハンティングあるいはCD44との関連(今もって明確ではないからなあ、この二つの相関)
(b) 消化管幹細胞マーカーLg5の登場
続報が待たれる。
(c) ヒトにおけるiPS細胞の創出
年末にかけての競争はすさまじかった。ついに2つに絞られた。ウイルスベクターを使わなくて済む方法論の創出が課題だ。

3) Non-coding RNAの跋扈
1000個はすぐに見つかるであろうというのが昨年までの勢いだったが、今もって500個くらい。miRNAをどう文脈に取り込んでいくかが、今後のがん研究の課題。HMGA2とlet 7で橋頭堡を築いたわがチームであるが・・・・。
(a) Let-7が乳癌幹細胞を制御
出るべくして出たという論文かもしれない。中国からのペーパーであるが、すさまじく質が高い。高そうに見えるリンク。Cellだし。今年後半は「Cell」が猛チャージをかけてきているというのが印象。しばらくこの雑誌目が離せない。

4) 間質細胞における遺伝子突然変異
う〜む、今ひとつ信憑性(なにを持って間質細胞と規定しているのか・・ということ)に欠けるような気がするのである、私には。

以上の中でボクの個人的ベスト論文は↓:スケールが大きいこと、日本人が主役であること、想像力をかき立てること・・。

唾液腺アミラーゼ遺伝子CNVと民族・食餌スタイルの関係

Diet and the evolution of human amylase gene copy number variation

Nature Genetics 39, 1256 - 1260 (2007) Published online: 9 September 2007

2007年12月29日土曜日

blogの有用性について

blogがこんなにも便利なものとは!
このひと月で44-45投稿したが、もの忘れの激しい私には最高のプラットフォームである。論文、データサイト、新聞記事となんでも有機的にリンクできる。必要ないデータは載せないから、本当に私だけにしか役にたたないかもしれないが、これだけ自分の仕事に特化していると、効能は抜群である。今年の最大の収穫のひとつであるなブログ。

Array Expressから生データをダウンロード

Array Expressに登録されている発現アレイデータで「Human」「colon」をかけると17個のデータファイルがdepositされていることがわかるが、このうち右下のデータはステージIIとIII大腸癌における発現プロファイルの違いの生データである。残念ながらAffymetrixのデータなのでこのままでは使えないが、Agilentではオランダかスウェーデンの乳癌のデータ(5年生存率が出せるデータ付きらしい)があると聞くので、これをさがしたい。

ありました、ありました。例の70遺伝子による長期予後予測遺伝子プロファイルの生データ。これはもちろんAgilent。論文は

A Naderi, A E Teschendorff, N L Barbosa-Morais, S E Pinder, A R Green, D G Powe, J F R Robertson, S Aparicio, I O Ellis, J D Brenton and C Caldas. A gene-expression signature to predict survival in breast cancer across independent data sets. Oncogene 1507-1516 (2007).

今ダウンロード中であるが、幸いなことにTab-delimited spreadsheet
患者の詳しいデータ付きである。生存期間も月単位で出ている。これを利用しない手はない。

ゲノムデータベース:日本語のportal site

(1)ヒトゲノムコピー数多型(CNV)地図
東京大学のサイトである。これは去年(2006)の11月のNatureの油谷さん論文時のHP。ここから国際Database of Genomic Variantsに飛べる(最新はNov 29, 2007のアップデート)発表当時は「CNV領域は1447箇所見られ」だったが、現在では「4878箇所

(2)マイクロアレイによる発現データベース・リソース
これの全貌をいち早くまとめなくてはいけない。
本来MIAME(Minimal Information abuout a Microarray Experiment)は2001年に制定されたが、それまで
マイクロアレイ論文に載ったデータの他施設による再検討(あるいは利用、ただ乗り?)は不可能に近かった。MIAME以降、各種ジャーナルは論文提出時に他者、他施設による再検討、再利用が可能なマイクロアレイデータの提出・ネット上での保管(自由なアクセスを保証するもの)を半ば義務づけるようになった。当初は所属する大学サーバーへの保管で構わなかったが、近年数カ所の公共デポジトリー・サイトが運営されるようになり、そこへdepositし「認証」を受けた後「認証番号」を貰うことが必要となった。この「認証番号」がないとジャーナルは論文をアクセプトしてくれないのである。このMIAME水準を満たすのははかなりめんどくさい。またアップロードファイルの大きさは膨大である。

反面、これらの他人のデータ」をふんどしにして相撲をとることが可能になった。このような論文は近年増えてきている。自分が作ったモデルが自分のデータだけでなく、他者のデータベースでも再現可能、応用可能であるということはマイクロアレイ実験の信頼性を大いに高めるため、これからの論文には欠かせない検証項目となろう。

depositに関連する事項として、たとえばCancer Research誌の投稿規定では以下のごとくである。

Depositing Data in Public Databases.
The AACR requires that authors submitting manuscripts describing microarray data be prepared to supply peer reviewers with the data in a format that conforms to the Minimum Information About a Microarray Gene Experiment (MIAME) guidelines of the Microarray Gene Expression Data society (MGED). These guidelines include a checklist of information to be included with each new microarray submission; the checklist is available online ( http://www.mged.org/Workgroups/MIAME/miame_checklist.html). Authors will also be required to deposit the data with either of two public repositories:

GEO (www.ncbi.nlm.nih.gov/geo/) or
Array Express
(www.ebi.ac.uk/arrayexpress)

and to have the accession numbers available to be published in the article.


あるいはGenome Research誌であれば、以下のサイトに登録しておくことが要求されている。

Public Database data submission sites

Sequence data
EMBL, GenBank, or DDBJ
Expression data (Array and Sage)
GEO (Gene Expression Omnibus)
Expression data (Array data only)
Array Express
Interaction data (two hybrid system, protein-protein interactions or any other biomolecular interaction data)
BOND (The Biomolecular Object Network Databank)
Protein 3-D structure data
PDB

大腸癌で報告されているゲノム変異

Colorectal Cancerで報告されているゲノム変異
The Recurrent Chromosome Aberrations in Cancer Database

Balanced Chromosomal Abnormalities
16番染色体
16p13 inv(16)(p13q22) 2 回
16q22 inv(16)(p13q22) 2

Unbalanced Chromosomal Abnormalities
1番染色体(16)
1p11 add(1)(p11) 6 回
1p11 del(1)(p11) 3
1p12 add(1)(p12) 2
1p12 del(1)(p12) 2
1p13 del(1)(p13) 6
1p22 del(1)(p22) 9
1p32 del(1)(p32) 5
1p34 del(1)(p34) 6
1p36 del(1)(p36) 4
1q10 der(1;13)(q10;q10) 2
1q10 i(1)(q10) 13
1q11 del(1)(q11) 6
1q21 add(1)(q21) 2
1q21 del(1)(q21) 2
1q22 del(1)(q22) 2
1q32 del(1)(q32) 3
2番染色体(4)
2p16 del(2)(p16p22) 2
2p22 del(2)(p16p22) 2
2p23 del(2)(p23) 4
2q10 i(2)(q10) 2
3番染色体(6)
3p12 del(3)(p12) 2
3p14 del(3)(p14) 2
3p22 del(3)(p22) 2
3p24 del(3)(p24) 2
3q11 add(3)(q11) 2
3q13 del(3)(q13) 2
4番染色体(3)
4p11 add(4)(p11) 2
4q10 i(4)(q10) 3
4q31 del(4)(q31) 2
5番染色体(11)
5p10 i(5)(p10) 13
5p13 add(5)(p13) 2
5p14 add(5)(p14) 2
5q11 del(5)(q11) 2
5q12 del(5)(q12) 2
5q14 del(5)(q14q23) 3
5q15 del(5)(q15q31) 4
5q21 del(5)(q21q31) 3
5q23 del(5)(q14q23) 3
5q31 del(5)(q15q31) 4
5q31 del(5)(q21q31) 3
6番染色体(8)
6p10 i(6)(p10) 6
6p12 der(6)t(6;6)(p12;q26) 2
6q13 del(6)(q13) 7
6q15 del(6)(q15) 4
6q21 del(6)(q21) 2
6q22 del(6)(q22) 3
6q23 del(6)(q23) 3
6q26 der(6)t(6;6)(p12;q26) 2
7番染色体(10)
7p10 i(7)(p10) 12
7p15 add(7)(p15) 2
7p15 del(7)(p15) 5
7p22 add(7)(p22) 2
7q10 i(7)(q10) 2
7q11 add(7)(q11) 3
7q11 del(7)(q11) 2
7q32 add(7)(q32) 2
7q32 del(7)(q32) 3
7q36 add(7)(q36) 2
8番染色体(9)
8p11 add(8)(p11) 2
8p11 del(8)(p11) 3
8p21 del(8)(p21) 3
8p22 add(8)(p22) 2
8q10 der(8;14)(q10;q10) 2
8q10 der(8;17)(q10;q10) 4
8q10 i(8)(q10) 42
8q11 der(19)t(8;19)(q11;p11) 2
8q11 der(20)t(8;20)(q11;p13) 2
9番染色体(3)
9p21 del(9)(p21) 7
9q10 i(9)(q10) 2
9q22 del(9)(q22) 5
10番染色体(3)
10p11 del(10)(p11) 2
10q22 del(10)(q22) 4
10q24 del(10)(q24) 5
11番染色体(3)
11p15 add(11)(p15) 2
11q23 add(11)(q23) 3
11q23 del(11)(q23) 6
12番染色体(4)
12p10 i(12)(p10) 5
12p12 del(12)(p12) 4
12p13 add(12)(p13) 2
12q24 add(12)(q24) 4
13番染色体(5)
13p11 add(13)(p11) 3
13q10 der(13;17)(q10;q10) 3
13q10 der(13;22)(q10;q10) 2
13q10 der(1;13)(q10;q10) 2
13q10 i(13)(q10) 21
14番染色体(3)
14p11 add(14)(p11) 2
14q10 der(8;14)(q10;q10) 2
14q10 i(14)(q10) 4
15番染色体(3)
15q10 i(15)(q10) 2
15q22 add(15)(q22) 2
15q26 add(15)(q26) 2
16番染色体(4)
16p11 add(16)(p11) 2
16p12 del(16)(p12) 6
16p13 add(16)(p13) 6
16q24 add(16)(q24) 2
17番染色体(10)
17p11 add(17)(p11) 11
17p11 del(17)(p11) 11
17p11 dic(17;20)(p11;p12) 2
17p12 del(17)(p12) 12
17p13 add(17)(p13) 2
17q10 der(13;17)(q10;q10) 3
17q10 der(8;17)(q10;q10) 4
17q10 i(17)(q10) 36
17q11 add(17)(q11) 2
17q21 der(20)t(17;20)(q21;p12) 2
18番染色体(1)
18q21 del(18)(q21) 13
19番染色体(4)
19p11 der(19)t(8;19)(q11;p11) 2
19p13 add(19)(p13) 4
19p13 del(19)(p13) 3
19q13 add(19)(q13) 5
20番染色体(7)
20p11 add(20)(p11) 2
20p12 der(20)t(17;20)(q21;p12) 2
20p12 dic(17;20)(p11;p12) 2
20p13 add(20)(p13) 5
20p13 der(20)t(8;20)(q11;p13) 2
20q10 i(20)(q10) 3
20q13 add(20)(q13) 2
21番染色体(2)
21q22 add(21)(q22) 2
22q10 der(13;22)(q10;q10) 2
X番染色体(2)
Xp22 add(X)(p22) 2
Xq10 i(X)(q10) 2

2007年12月25日火曜日

乳癌の間質にp53変異高率に認める:NEJM

Breast-Cancer Stromal Cells with TP53 Mutations and Nodal Metastases
Volume 357:2543-2551 December 20, 2007 Number 25

やれやれ、NEJMにまたまたこんな論文がでちゃったよ。がん間質やがんの周辺領域においてp53が突然変異をおこしているとの報告は過去にも散見された。特に膵臓癌や胆道系癌。一旦話題になった話が、やや下火になり、きっと間違いだったのだろうと落ち着いた時期に、再び話題となる。しかもニューイングラド誌である。編集部は慎重の上に慎重を重ねたか?いずれにしても、今回のこの論文は重い。本当なのだろう。

まずゲノム変異である。
これ。LOHで五割を超えている。
要旨でもっとも重いのは「間質細胞に
p53突然変異を認める場合、リンパ節転移の頻度が高い」というもの。


http://content.nejm.org/content/vol357/issue25/images/large/06f1.jpeg

http://content.nejm.org/content/vol357/issue25/images/large/06t3.jpeg

Science 21 December 2007:ゲノム変異研究に便利なリンク集

Breakthrough of the Year 2007:
References and Web Links

Online Extras on Human Genetic Variation

Papers and Articles

Selected Research Papers

R. Saxena et al., "Genome-Wide Association Analysis Identifies Loci for Type 2 Diabetes and Triglyceride Levels," Science 316, 1331 (2007)

E. Zeggini et al., "Replication of Genome-Wide Association Signals in UK Samples Reveals Risk Loci for Type 2 Diabetes," Science 316, 1336 (2007)

L.J. Scott et al., "A Genome-Wide Association Study of Type 2 Diabetes in Finns Detects Multiple Susceptibility Variants," Science 316, 1341 (2007)

V. Steinthorsdottir et al., "A Variant in CDKAL1 Influences Insulin Response and Risk of Type 2 Diabetes," Nature Genet. 39, 770 (2007)

R. Sladek et al., "A Genome-Wide Association Study Identifies Novel Risk Loci for Type 2 Diabetes," Nature 445, 881 (2007)

J. Sebat et al., "Strong Association of De Novo Copy Number Mutations with Autism," Science 316, 445 (2007)

A.J. de Smith et al., "Array CGH Analysis of Copy Number Variation Identifies 1284 New Genes Variant in Healthy White Males: Implications for Association Studies of Complex Diseases," Hum. Mol. Genet. 16, 2783 (2007)

J.O. Korbel et al., "Paired-End Mapping Reveals Extensive Structural Variation in the Human Genome," Science 318, 420 (2007)

K.K. Wong et al., "A Comprehensive Analysis of Common Copy-Number Variations in the Human Genome," Am. J. Hum. Genet. 80, 91 (2009)

G.H. Perry et al., "Diet and the Evolution of Human Amylase Gene Copy Number Variation," Nature Genet. 39, 1256 (2007)

C.M. Egan et al., "Recurrent DNA Copy Number Variation in the Laboratory Mouse," Nature Genet. 39, 1384 (2007)

The International HapMap Consortium, "A Second Generation Human Haplotype Map of Over 3.1 Million SNPs," Nature 449, 851 (2007)

B.E. Stranger et al., "Population Genomics of Human Gene Expression," Nature Genet. 39, 1217 (2007)

B.E. Stranger et al., "Relative Impact of Nucleotide and Copy Number Variation on Gene Expression Phenotypes," Science 315, 848 (2007)

The Wellcome Trust Case Control Consortium, "Genome-Wide Association Study of 14,000 Cases of Seven Common Diseases and 3,000 Shared Controls," Nature 447, 661 (2007)

J. Fellay et al., "A Whole-Genome Association Study of Major Determinants for Host Control of HIV-1," Science 317, 944 (2007)

C. Lalueza-Fox et al., "A Melanocortin 1 Receptor Allele Suggests Varying Pigmentation Among Neanderthals," Science 318, 1453 (2007)

J. Krause et al., "The Derived FOXP2 Variant of Modern Humans Was Shared with Neandertals," Current Biol. 17, 1908 (2007)

M.N. Weedon et al., "A Common Variant of HMGA2 is Associated with Adult and Childhood Height in the General Population," Nature Genet. 39, 1245 (2007)

P. Sulem et al., "Genetic Determinants of Hair, Eye and Skin Pigmentation in Europeans," Nature Genet. 39, 1443 (2007)

R. McPherson et al., "A Common Allele on Chromosome 9 Associated with Coronary Heart Disease," Science 316, 1488 (2007)

News, Reviews, and Perspectives

J. Couzin and J. Kaiser, "Closing the Net on Common Disease Genes," Science 316, 820 (2007)

J. Novembre et al., "Adaptive Drool in the Gene Pool," Nature Genet. 39, 1188 (2007)

S.A. McCarroll and D.M. Altshuler, "Copy-Number Variation and Association Studies of Human Disease," Nature Genet. 39, s37 (2007)

J. Cohen, "DNA Duplications and Deletions Help Determine Health," Science 317, 1315 (2007)

X. Estivill and L. Armengol, "Copy Number Variants and Common Disorders: Filling the Gaps and Exploring Complexity in Genome-Wide Association Studies," PLoS Genetics 3, e190 (2007)

Interesting Web Sites

Human Genetic Variation: An NIH Curriculum Supplement
A creative, inquiry-based instruction program, designed to promote active learning and stimulate student interest in medical topics.

International HapMap Project
A multi-country effort to identify and catalog genetic similarities and differences in human beings.

Database of Genotype and Phenotype (dbGaP)
Developed to archive and distribute the results of studies that have investigated the interaction of genotype and phenotype, including genome-wide association studies, medical sequencing, and molecular diagnostic assays.

Genetic Association Information Network (GAIN)
A public-private partnership that aims to understand the genetic factors influencing risk for complex diseases.

ENCODE (Encyclopedia of DNA Elements)
Project launched by the National Human Genome Research Institute (NHGRI) that aims to identify all functional elements in the human genome sequence.

SNPs: A Science Primer
An introduction to single nucleotide polymorphisms, provided by the National Center for Biotechnology Information.

SNPedia
A web site for sharing information about the effects of DNA variations on traits and disease.

The Human Genome: Your Genes, Your Health, Your Future
A comprehensive resource on the human genome, its role in health and medicine, and the broader social impact of unravelling its mysteries; produced by the Wellcome Trust.

2007年12月18日火曜日

乳癌で注目の治療トライアル:TAILORx trial, MINDACT trial

Molecular fingerprints dominate treatment selectipon 2010-2015
 patient Aは、luminal A signature/TAM sensitive signature/Mammoprint1: low risk/Mammoprint 2: medean riskとなる。治療の選択は、TAM 5年→AI 5年となる。
一方、patient Bでは、basal-like/BRCA1 functional signature/Mammoprint1:high risk/taxan sensitive signatureということになり、さらに末梢血中にEGFR陽性細胞が検出される、というようなことになると、ドセタキセル6サイクルに bevacizumab、cetuximabを加える、というような話になる。別の角度からみると、現時点では「tumor burden」の多寡に基づいて、治療を増強したり、軽減したりして治療方針を決定しているが、近未来的には、「tumor biology」に基づく治療が標準となっていくだろう。
 また、リスク評価も地道な進歩を遂げている。TAILORx trial, MINDACT trial (EORTC-10041)では、腋窩リンパ節転移陰性症例を「Oncotype DX」「70-gene signiature」「Adjuvant Online!」を用いてリスク評価し、ハイリスクには化学療法、ローリスクにはホルモン療法、そして中間リスクには、化学療法もしくは治療なしをランダ ム化比較(TAILORx)、MINDACTでは、どの判定を用いるかにランダムに振り分ける、という検討である。
 DNA発現プロフィールに基づき、乳癌は、単一疾患ではなくbasal like、HER2 disease、luminal A、luminal Bといった少なくとも4つの異なった疾患の集合と考えられる。今後は、各疾患別に臨床試験を計画していく必要があるだろう。

MINDACT trial :MINDACT (Microarray In Node-negative Disease may avoid Chemotherapy): A prospective, randomised study comparing the 70-gene signature with the common clinic-pathological criteria in selecting patients for adjuvant chemotherapy in node-negative breast cancer.   Date of activation: 07/12/2006

Primary Objectives;

  1. Compare a molecular profiling approach (70-gene signature) vs usual clinical assessment in assigning adequate risk categories (and the need to receive adjuvant chemotherapy or not) in women with node-negative breast cancer.
  2. Compare the efficacy and long-term toxicities of docetaxel and capecitabine vs standard anthracycline-based chemotherapy regimens in these patients.
  3. Determine the best endocrine treatment strategy (i.e., letrozole for 7 years vs sequential tamoxifen for 2 years followed by letrozole for 5 years) in these patients.

StGallen2007におけるPerouの乳癌治療方針

[S7] Genetic profiling: present and future

大鵬製薬のレポートから引用

Charles M. Perou (Lineberger Comprehensive Cancer Center, University of North Carolina at Chapel Hill, USA)

 Perou氏は、遺伝子のプロファイリングにより、乳癌を予後と相関する5つのサブグループ(basal-like、HER2+/ER−、 luminal A、luminal B、normal breast-like)に分類した先駆者のひとりである(PNAS, 2001: 筆者註これは2000年のNatureがより正しい)。今回、各サブグループの特徴から治療方針に至る臨床試験まで、現状と将来展望を詳細に総括してくれた。

(1)HER2+/ER−腫瘍は15- 25%の頻度であり、trastuzumabを基盤とした治療を組み立てる。加えて (a) 化学療法(AC、TCなど)+ホルモン治療、(b) 化学療法±lapatinibなどの分子標的薬剤、また(c) androgen receptor antagonistsとの組み合わせが検討されている(CALGB neoadjuvant trial 40301など)。

(2)luminal/ER+腫瘍は以下の3グループに分類される。(a) luminal A (recurrence score[RS] low)は、化学療法を必要とせずホルモン治療(TAM、SERMs、AIsなど)が有効である。(b) luminal NOS (RS intermediate)は、ホルモン治療(TAM、SERMs、AIsなど)のみでよいのか化学療法を必要とするのかの評価が定まっておらず、注目の 臨床試験(Tailor RX trial, MINDACT trial)が進行中である。(c) luminal B (RS high)は、化学療法を必要とするグループである。

(3)basal-like 腫瘍は10-20%の頻度であり、p53BRCA1に 高頻度の遺伝子変異を認める。EGFR/HER1やc-KITが治療標的となる可能性を示唆した。CALGB neoadjuvant trial 40603、LCCC 0403 などでは、cetuximabやcarboplatinを含むレジメンが組み込まれ、効果に期待を寄せていた。また、術前化学療法 (anthracycline + taxane)の感受性はbasal-like tumorsが高いことも示した。以上のように各サブグループの治療方針と進行中の臨床試験を示した。

 最後に、乳癌治療は腫瘍生物学に沿って行われるべきであり、現在すでに開始されているが、今後もさらに加速していくだろうと締めくくった。

乳癌における組織病理学と分子病理学の接点

DCIS の基礎と臨床への新たな展開((2007 年 10 月 13 日(土)・14(日)開催 JCCNB 国際公開研究会)

病理側から乳癌の分子分類を現状どうみているかという興味深い報告である。この問いかけそのものが病理医にはいらいらするであろうことは容易に想像がつく。10月の日本乳がん情報ネットワークの報告を見ていこう。

(1)病理医Boeckerらによると基底細胞(Basal cell)はサイトケラチン(Ck5, 4, 7)が陽性
(2)  -1:乳腺前駆細胞 / 幹細胞は Ck5/ 4 陽性、ER 陰性の Basal cell の特性を持つ
     -2:成熟した腺 / 上皮細胞(Ck5/ 4 陰性、Ck8/ 8 陽性、ER 陽性)、
     -3:筋上皮細胞(Ck5/ 4、p63 や SMA(Smooth muscle actin) 陽性)

(3)Bassal type は遺伝子解析にもとづく分類概念であり、ER 陰性、PR 陰性、HER2 陰性のいわゆる triple negative とは同一概念では括れない。浸潤癌の約0%が Basal marker である Ck5/ 4 が陽性であるがおそらくすべてがいわゆる triple negative cancer もしくは Basal type tumorというわけではないであろう。High grade tumor の 5- 0%、髄様癌の 54.8%は Ck5/ 4 が陽性であり、ほかに Adenosquamous cell carcinoma, squamous cell carcinoma, metaplastic carcinoma なども Ck5/ 4 が陽性が陽性となる。

(4)乳癌の場合、85-93%が Luminal type の癌であるのに対し、Basal type の癌は 7- 5%存在し、一般的に予後が悪い。この Basaltype の癌は前駆細胞 / 幹細胞から分化した幹細胞であり、これに対し Luminal type の癌はより分化した Luminal cell から発生したものであり、幹細胞からは分化しない。このことからもLuminal type tumorとBasal type tumorは全く異なるものと考えられる。

(5)一般的に日本人の乳癌は予後がよいとされている。年齢分布の違いなどが従来指摘されているが、日本人乳がんでは Luminal Aが 63.3%、Basal type が 8.4%であるのに比し non African American ではそれぞで 54.0%、 6.0%であり African American では47.4%、26.5%と腫瘍特製の分布に違いがあることも一因の可能性と推察される。

(6)Basal marker として何が最も有用かという質問があったが、Boecker 氏は Ck5 とCk4に対する混合抗体がよいとされた。日本では Ck5/6 に対する混合抗体が用いられるが、Ck6 は乳癌の診断に関しては有用性が高くはないようである。

2007年12月の現状認識である。

肺癌にまたまた融合遺伝子 (Cell12月号)



Global Survey of Phosphotyrosine Signaling Identifies Oncogenic Kinases in Lung Cancer

Cell, Vol 131, 1190-1203, 14 December 2007
この図がすべて


(C) Schematic representation of the EML4, ALK, and EML4-ALK fusion proteins. Arrow indicates the chromosomal breakpoint.
(D) Schematic representation of the TFG, ALK, and TFG-ALK fusion proteins. Arrow indicates the chromosomal breakpoint.
(E) Schematic representation of the SLC34A2, ROS, and SLC34A2-ROS fusion proteins. Arrow indicates the chromosomal breakpoint.
(F) Schematic representation of the CD74, ROS, and CD74-ROS fusion proteins. Arrow indicates the chromosomal breakpoint.

このうち最初のEML4-ALK は自治医の間野さんところからこの8月に出たもの(Nature)、大腸癌も負けられません!

2007年12月17日月曜日

Common genetic variants at the CRAC1 (HMPS) locus on chromosome 15q13.3 influence colorectal cancer risk

Published online: 16 December 2007 :Nature Genetics

We mapped a high-penetrance gene (CRAC1; also known as HMPS) associated with colorectal cancer (CRC) in the Ashkenazi population to a 0.6-Mb region on chromosome 15 containing SCG5 (also known as SGNE1), GREM1 and FMN1. We hypothesized that the CRAC1 locus harbored low-penetrance variants that increased CRC risk in the general population. In a large series of colorectal cancer cases and controls, SNPs near GREM1 and SCG5 were strongly associated with increased CRC risk (for rs4779584, P = 4.44 x 10-14).

WGAによる大腸癌のリスク検索であり、2007年何度目の報告であろうか?少なくとも3ローカスは報告された。日本人でも当てはまるのか?それが興味の焦点である。

(1) A common genetic risk factor for colorectal and prostate cancer   8q24 : rs6983267 (odds ratio = 1.22; P = 4.4 x 10-6)    Nature Genetics 39, 954 - 956 (2007)

(2) A genome-wide association scan of tag SNPs identifies a susceptibility variant for colorectal cancer at 8q24.21   rs6983267 at 8q24.21. (P = 1.72 x 10-7, allelic test)  Nature Genetics 39, 984 - 988 (2007)

(3) Genome-wide association scan identifies a colorectal cancer susceptibility locus on chromosome 8q24
   8q24: (trend; P = 1.41 x 10-8) Nature Genetics 39, 989 - 994 (2007)




2007年12月16日日曜日

PTENのintron2に巨大な反復構造

Recurrent gross mutations of the PTEN tumor suppressor gene in breast cancers with deficient DSB repair


類をみない面白さである、この論文。核心はこのFISHの絵であろう。PTENのintron2に巨大な反復構造が嵌り込んで結果遺伝子を壊しているのだ。この大きさでは従来のCGHやkaryotypingでは見つけることができない。もちろんエクソンシークエンスでは全く突然変異はみつからない。蛋白レベルでは発現が消失しているのだ。メチレーションもかかっていない。こんな遺伝子消失パターンがあるのだね。それも複数の症例で観察されるのだ。昔、血友病の遺伝子にLINE1が飛び込んだ症例報告がNatureに載ったが、あれ以来久しぶりの興奮である。やはりゲノム解析は癌の研究においてますます重要と考えるのだ。

Haemophilia A resulting from de novo insertion of L1 sequences represents a novel mechanism for mutation in man:

Nature 332, 164 - 166 (10 March 1988)

2007年12月15日土曜日

乳癌の分子病理学的分類:革命が進行中なのか!!

Recurrent gross mutations of the PTEN tumor suppressor gene in breast cancers with deficient DSB repair

Nature Genetics : Published online: 9 December 2007
おいおいそんなに突っ走って大丈夫か!・・・というのがこのごろの乳癌である。12月9日のon line Nature Genetics ではDNA二本鎖修復機構が欠失した乳癌(basal cell type)において高頻度にPTENが突然変異をおこしていることが報告されている。コロンビア大学と北欧(フィンランド・スウェーデン)グループによるものである。ここで前提として用いられている用語がbasal cell typeであることが面白い。こんな分類用語は、まだ標準的な病理分類では採用されてはいないはずなのだ。この言葉がア・プリオリに用いられる論文がNature Geneticsに採用されることが極めて興味深い。これは一種の革命なのだ。分子病理学が組織病理学から離脱した記念すべき論文であろうと私には思える。エキサイテイングである。

さて、予後予測を目的としたマイクロアレイ解析報告は数多く見られるが、2000〜2003年にスタンフォード大学のT. Sorlieらは115人の乳癌症例から534遺伝子を抽出し、遺伝子発現レベルから乳癌を(1)basal-like、(2) ERBB2-overexpressing、(3) normal breast tissue-like、(4)luminal-A、(5) luminal-Bの5サブタイプに分類し、それぞれの長期予後が有意に異なることを報告した。100年近く続いた組織形態による乳癌病理分類を凌駕するものとして提唱されたものであり、エストロゲン陰性乳癌は(1)(2)(3)のいずれかに属し、陽性乳癌は(4)(5)に分けられ、具体的には(1)(2)群は生存期間が短く、一方で(4)群はあらゆる患者群のなかで最も予後がよい。以下の論文がその後の一連の研究成果である。
  1. Perou CM, Sorlie T, Eisen MB, et al. Molecular portraits of human breast tumours. Nature;406:747-52.2000.
  2. Sorlie T, Perou CM, Tibshirani R, et al. Gene expression patterns of breast carcinomas distinguish tumor subclasses with clinical implications. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America;98:10869-74.2001.
  3. Sorlie T, Tibshirani R, Parker J, et al. Repeated observation of breast tumor subtypes in independent gene expression data sets. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America;100:8418-23.2003.
今後の病理学会の対応を注意深く見守りたい。




2007年12月13日木曜日

医学生物学の質の良い情報を得るためには・・?

私はがんの診療と研究を行っており、患者のことを思えば、世の中の研究の進みには敏感であるべき立場なのだと思う。しかし情報というものには独自の感覚を持っており、一言でいえば「世の中の情報すべてに精通することはできないし、情報がまたすべてではない」ということである。勉強不足に対する自己弁護かもしれないが、この膨大な情報の海のなかで溺れないようにすることは、「自分の考え」「自分なりの感覚」を失わないためには必須であると考える。しかしそれでも、専門外の情報でも質の高い情報にはある程度の早さでキャッチアップしておきたい。これがなかなか難しい。インターネット情報(論文サイト以外)は、これがなかなか難しい。本当に優れた研究者は、インターネットに情報を書き込む暇などないだろう。

とりあえず出来ることといったら、論文サイトを覗くことであろうか?昔であれば図書館の新着雑誌のbrowsingであるし、最近なら朝一番にネットで眺めるいくつかのサイト(たくさんは覗けないのでScience, Nature, Nature Genetics, PNASだけに限定している。最近ではこれにNature Reviews Cancer とNature Reviews Geneticsが加わる)が私の真の情報源なのだ。Science, Natureは25年以上眺め続けている。おそらくほとんど毎週欠かしたことはないはずだ。たったこれだけなのだが(だって週一回しか発行されない!)、経験的にこれが一番効率が良いと思う。図書館の新着雑誌のbrowsingが出来なくなって以来、読まなくなった雑誌が増えたものだ。JEM、NEJM、Lancet。困ったのはNEJMを読まなくなったことくらいか。あとで「そんな論文でてたの!」というのが年に何回かあるのである。来年はNEJMのbrowsingを再開しようか?

2007年12月11日火曜日

18番染色体:ちょっと注目遺伝子群

ABHD3      abhydrolase domain containing 3
     
AF086529

AFG3L2       AFG3 ATPase family gene 3-like 2
     
ATP9B       ATPase, Class II, type 9BATP9B
     
C18orf37      chromosome 18 open reading frame 37
     

CTDP1       CTD (carboxy-terminal domain, RNA polymerase II
     
ENOSF1       enolase superfamily member 1
     
ENST00000261598 
ENST00000320876
ENST00000325971

FAM59A      family with sequence similarity 59, member A
      

GALNT1      polypeptide N-acetylgalactosaminyltransferase 1
      

KCTD1       potassium channel tetramerisation domain
     
KIAA1012     hypothetical protein LOC22878
     
LAMA3       laminin alpha 3 subunit isoform 1
     

LPIN2      
     
MAPRE2    
 microtubule-associated protein, RP/EB family
     
MBP         myelin basic protein
      


ME2       malic enzyme 2, NAD(+)-dependent, mitochondrial
      

MYOM1   myomesin 1, 185kDa
      

NAPG    N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein, gamma
      

NFATC1   nuclear factor of activated T-cells, cytoplasmic, calcineurin-dependent 1
      

NM_018069  UCSC Genome BrowserではChrXに存在
NM_145906(RIOK3)  RIO kinase 3 (yeast)
      

NPC1    Niemann-Pick disease, type C1
     

PPP4R1   protein phosphatase 4, regulatory subunit 1
      

PTPN2    protein tyrosine phosphatase, non-receptor type 2
     

RNF125    ring finger protein 125
      

SOCS6    suppressor of cytokine signaling 6
     
SS18     synovial sarcoma translocation, chromosome 18
      

THC2316487  UCSC Genome BrowserではChrXに存在
U78519     不明
VPS4B    vacuolar protein sorting 4 homolog B (S. cerevisiae)
      

YES1     viral oncogene yes-1 homolog 1
     

2007年12月10日月曜日

MycがmiRのプローモーターにくっつく?

Widespread microRNA repression by Myc contributes to tumorigenesis

Published online: 9 December 2007: Nature Genetics

MycがmiRのプローモーターにくっつく?
Candidate Myc-repressed miRNAs identified by microarray

miR-22
miR-26
miR-29
miR-30e
miR-146a
miR-150

miR-15a
miR-29a
miR-34a
miR-195

Database of Genomic Variant (DGV)

Database of Genomic Variant (DGV)
一応ここが推奨されるが、このDBにはin/del等々も含まれる。
Total entries: 29289 (hg18)
CNVs: 11784
Inversions: 182
InDels (100bp-1Kb): 17323
Total CNV loci: 4878
Articles cited: 46
Last updated: Nov 29, 2007


さて、ゲノム研究を進めるにあたってCNVをどう扱うか?
(1)たとえば癌のゲノム解析で現れたヒゲをCNVーDBで一次スクリーニングして除外
(2)更に患者対照正常組織由来DNAをアレイ解析し、癌のデータと相殺する。

ホントはすべてに(2)をやらなくてはいけない。しかしお金と労力は大きい。ただ(1)だけでは済まないのは間違いないところだろう。

CNVを視界に納めたゲノムアレイのプラットフォームをまとめておこう

(1) Genome-Wide Human SNP Array 6.0 (Affymetrix Dec2007)
Pure Power and Performance/ 優れた解析力と性能

新しいAffymetrix® Genome-Wide Human SNP Array 6.0は、一塩基多型(SNP)906,600以上とコピー数多型を検出するためのプローブ946,000以上を含む、180万以上の遺伝子マーカーを調べることができます。SNP Array 6.0は、業界最先端の性能を備え、1枚のアレイで解析できる遺伝的変異が他製品よりも多いことにより、最高レベルのパネル解析能力を実現しており、ゲノムの物理的カバー率も最大です。

コストパフォーマンスに優れるSNP Array 6.0は、初期のスキャニングや確認実験の段階で、より多くのサンプル数でのアソシエーション研究のデザインを可能にします。したがって、研究全体での遺伝的解析力が著しく増大します。

906,600以上のSNP:
482,000のSNPを偏りなく選択、SNP Array 5.0から受け継がれたSNP
424,000追加SNPの選択:
* タグSNP
* X、Y染色体からのSNP
* ミトコンドリアSNP
* dbSNPデータベースに追加された新しいSNP
* 組換え多発部位のSNP
946,000以上のコピー数プローブ:
・ Tronto Database of Genomic VariantsからのCNV領域5,677ヵ所をターゲットとする202,000のプローブ
・ 特徴的な非重複セグメント3,182に対応する領域、1領域あたり平均61のプローブセット
・ ゲノム全体に均等に配置された744,000のプローブ

(2) HumanCNV370-Duo BeadChip (Illumina Dec2007)

HumanCNV370-Duo BeadChip は deCODE Genetics と共同研究で開発されました。このチップにはHumanHap300-Duoに搭載されているSNPにプラスして、約14,000のコピー数多型(CNV)領域をカバーするために52,167マーカーが加わり、合計で約370,000マーカーが搭載されています。

HumanCNV370−Duoでカバーされているコピー数多型(CNV)領域はゲノム上の以下の不安定な領域を含みます。

* セグメント重複
* メガサテライト
* SNP砂漠
* MHC領域

これらの追加コンテンツではSNPおよび非多型プローブが含まれます。これらの領域の割合はCNVを確認するために、TaqManやサザンブロット法を使って検証されています。 Duoフォーマットを用いることで、二つのサンプルを一枚のチップで実験することができ、サンプルスループットの向上およびガンなどペアで行う実験時に使いやすくなっています。

国際HapMapプロジェクトのフェーズI、フェーズIIから由来するSNPを使った高いゲノムカバー率に加えて、HumanCNV370-Duoは約 14,000のCNV領域をカバーしています。この中の約9,000は現在のところ公共データベースにもない新しい領域となります。これまでに発見された CNVや公共データベースで得られるものは100kbのものが多いのですが、HumanCNV370-Duoに搭載されているCNV領域の大部分(約 85%)は1から10kbとなっており、変化領域をさらに検出しやすくなっています。

国際HapMapプロジェクトのフェーズI、フェーズII由来のtagSNPsを用いることで、高いゲノムカバー率も達成しました(r2>0.8において、CEU:白人集団81%、CHB+JPT:アジア人集団68%)。

HumanCNV370-DuoはGenomic Variantデータベース由来の3,034CNV領域をカバーしており、またMHC領域に関しては5,058マーカーを搭載しています。CNV領域を包括的にカバーしているため、LOH解析にもお使いしただけます。このBeadChipはCNV研究および疾患における機能バリアント、自己免疫疾患研究、ガン研究、全ゲノム・アソシエーション(関連)研究など、様々な目的にお使いいただけます。

(3) AgilentはWEB上での案内が遅い



2007年12月8日土曜日

iPS細胞研究のすさまじさ

iPS細胞研究のすさまじさは以下のデータでわかる。
(1) まず山中のCellは
Rceived: October 29, 2007
Revised: November 7, 2007
Accepted: November 12, 2007
Published online: November 20, 2007
Published on "Cell" :30 November 2007
アクセプトまで14日!

(2)対してWisconsinグループのScienceは
Submitted on October 9, 2007
Accepted on November 14, 2007
Published Online November 20, 2007
Science(雑誌には未発表)
アクセプトまで36日
submitはいち早いが、途中でCellに抜かれている。

(3) 次いで山中のNature Biotechnologyは
Received 6 November 2007;
Accepted 23 November 2007;
Published online 30 November 2007.
Nature Biotechnology
(雑誌には未発表)
アクセプトまで17日

(4) Sickle Cell Anemiaの治療実験のScience
Submitted on October 23, 2007
Accepted on November 26, 2007
Published Online December 6, 2007
Science
(雑誌には未発表)
アクセプトまで34日

Scienceがアメリカの威信にかけて頑張っているが、追いつかず。
しかし今後のアメリカには脅威を感じさせる経過である。

鎌状赤血球症の再生・細胞治療(Science)

Treatment of Sickle Cell Anemia Mouse Model with iPS Cells Generated from Autologous Skin

Published Online December 6, 2007 Science
It has recently been demonstrated that mouse and human fibroblasts can be reprogrammed into an embryonic stem cell–like state by introducing combinations of four transcription factors. However, the therapeutic potential of such induced pluripotent stem (iPS) cells remained undefined. By using a humanized sickle cell anemia mouse model, we show that mice can be rescued after transplantation with hematopoietic progenitors obtained in vitro from autologous iPS cells. This was achieved after correction of the human sickle hemoglobin allele by gene-specific targeting. Our results provide proof of principle for using transcription factor–induced reprogramming combined with gene and cell therapy for disease treatment in mice. The problems associated with using retroviruses and oncogenes for reprogramming need to be resolved before iPS cells can be considered for human therapy.

マウスと人間の線維芽細胞に
4つの転写調節因子を導入することで、胚幹細胞様の細胞にプログラム変更できることが最近示された。しかしながら、そのような多分化能軸(iPS)が治療に応用できるかどうかわかっていたわけではない。 我々はヒト化された鎌状赤血球貧血マウスを用いたin vivoモデルおいて、autologous iPS由来の血球幹細胞を移植することてマウスを救うことができることを示す。 Gene-specific targetingによりヒトの鎌状赤血球ヘモグロビン対立遺伝子座を修復することで治療は成立する。 鎌状赤血球貧血症は遺伝子治療・細胞治療と転写因子のプログラム変更を組み合わせることで治療が可能であることを証明できた。ヒトの治療へiPSセルを応用するにあたっては(1)レトロウイルスを使用しなくてはいけない現状(2)がん遺伝子を用いる現在のプログラム変更モデルがいまだ問題となる。

昨日夕方のNHKは山中さんの幹細胞研究がトップニュースであった。上記論文は丁度良いタイミングで日本の政府と学会に警鐘をもたらすきっかけとなった。山中さんをリーダーとする学際的・横断的大規模再生医療センターを国を挙げて緊急に設立すべきというのが私の意見である。アメリカに負けてしまう、という危機感を広く一般に巻き起こさなければ!!

2007年12月6日木曜日

自動翻訳サイトのリンク集の評価

自動翻訳サイトのリンク集
評価は1〜5とし、意味がくみ取れることを、つまり日本語として読めることを重視した。あきらかな誤訳も排したい。独断と偏見である。しかし今後自分が使うとすれば、@nifty翻訳かExcite翻訳サービスだよね、やはり。

@nifty翻訳(評価4)
アーサー・コーンバーグは20世紀の最も偉大な生化学者のうちの1人でした。彼の経歴は60年以上にまたがりました。また、そのようなものは、彼の影響が数十年間持続させる現代のバイオ医学の科学の彼の研究のインパクトでした。コーンバーグは適度の手段の家族にブルックリン(ニューヨーク)で生まれました。彼は、子どもの頃科学に接することをしていませんでした;若いアーサーはブックマッチ・カバーを集めました(科学的に傾けられた若者に通常関連した昆虫ではなくブルックリン通りの支配的な植物相)。彼は、それにもかかわらず化学と生物学を勉強することを選び、ニューヨーク(1937(ノーベル賞(ハーバートHauptmanおよびジェローム・カールは他のものでした)を受け取る運命であったクラスの)年からの3人の学生のうちの1人)のシティ・カレッジから学士号を受け取りました。

Excite翻訳サービス(評価4)
アーサー・コーンバーグは20世紀の最も偉大な生化学者のひとりでした。 彼のキャリアは60年間以上わたりました、そして、彼の影響が何10年間も耐える現代の生物医学科学に対する彼の仕事の衝撃はそのようなものです。コーンバーグはブルックリン(ニューヨーク)で下流家庭に生まれました。 彼は子供として科学に露出を全く持っていませんでした; 若いアーサーはマッチブックカバー、通常、科学的に傾向がある子供に関連している昆虫よりむしろブルックリン通りの優位な植物相を集めました。 彼は、化学と生物学を研究するためにそれにもかかわらず、選んで、ノーベル賞(ハーバートHauptmanとジェロームKarleは他のものであった)を受け取るために運命づけられた1937年のクラスからの3人の学生のひとりの歳のニューヨークの市立大学から学士号を受けました。

OCN翻訳サービス(評価3)
アーサー・コーンバーグは20世紀の最も偉大な生化学者のうちの1人でした。 彼のキャリアは60年より多くに及び、そのようなものは、彼の仕事の数十年の間彼の影響が耐える現代生物医学科学へのインパクトでした。コーンバーグはブルックリン、ニューヨークで謙虚な方法のファミリーに誕生しました。 彼は子供として科学への露出を全然持っていませんでした; 紙マッチカバー、ブルックリン通りの支配的な花、通常、昆虫が、科学的に傾斜した子供と結合したというよりも若いアーサーは収集しました。 彼は、それにもかかわらず、化学と生物学を勉強すると決めて、ノーベル賞を受け取ることが運命づけられる1937のクラスからニューヨークの都市大学、3人の学生のうちの1人から彼の学士号を受け取りました(ハーバート・ハウプトマンとジェローム・カールはその他でした)。

インフォシーク翻訳(評価2)
アーサーコーンバーグは、20世紀で最も偉大な生化学者のうちの1人でした。彼の経歴は、60年、その他が彼の仕事の彼の影響が何十年も耐える現代の生医学的な科学への影響であったより多くのものにわたりました。コーンバーグは、適度の手段のファミリーに、ブルックリン(ニューヨーク)で生まれました。彼は、子供の時科学への露出を持ちませんでした;昆虫が通常科学的に傾斜した若者とかかわったよりはむしろ、若いアーサーはブックマッチカバー(ブルックリン通りの優占植物相)を集めました。彼はそれにもかかわらず化学と生物学を勉強することを選んで、ニューヨーク市立大学から彼の学士号を受け取りました。そして、1937年卒業組からの3人の学生のうちの1人がノーベル賞(ハーバートハウプトマンとジェロームカールは、他でした)を授与される運命にありました。

Yahoo!翻訳(評価2)
アーサーコーンバーグは、20世紀で最も偉大な生化学者のうちの1人でした。彼の経歴は、60年、その他が彼の仕事の彼の影響が何十年も耐える現代の生医学的な科学への影響であったより多くのものにわたりました。コーンバーグは、適度の手段のファミリーに、ブルックリン(ニューヨーク)で生まれました。彼は、子供の時科学への露出を持ちませんでした;昆虫が通常科学的に傾斜した若者とかかわったよりはむしろ、若いアーサーはブックマッチカバー(ブルックリン通りの優占植物相)を集めました。彼はそれにもかかわらず化学と生物学を勉強することを選んで、ニューヨーク市立大学から彼の学士号を受け取りました。そして、1937年卒業組からの3人の学生のうちの1人がノーベル賞(ハーバートハウプトマンとジェロームカールは、他でした)を授与される運命にありました。   これはインフォシーク翻訳と同じエンジンのようだ。

AltaVista翻訳サービス(評価1)
アーサーKornberg は第20 世紀のすばらしい生化学者の1 才だった。彼のキャリアは60 年以上及び、そのような物は彼の影響が長年に渡って耐える現代ずっと生物医学科学の彼の仕事の影響である。 Kornberg は適度な平均の系列にブルックリン、ニューヨークで生まれた。彼は子供として科学への露出を有しなかった; 若いアーサーはmatchbook カバー、支配的な植物相、よりもむしろ通常科学的に傾斜させた若者と関連付けられたブルックリンの通りの昆虫を集めた。彼はそれにもかかわらず化学及び生物学を調査することを選択しニューヨーク、運命1937 のクラスからの3 人の学生の1 の都市大学からノーベル賞を受け取るために彼の学士号を受け取った(ハーバートHauptman 及びJerome Karle は他だった) 。

Google翻訳(評価1)
アーサーコーンバーグの1つだったのは、 20世紀最大の生化学者です。彼のキャリアスパンが60年以上も、このような影響を与えるてきました彼の仕事をして彼の影響力は、現代の科学生物医学に耐えるために何十年です。コーンバーグ生まれましたが、ニューヨークのブルックリンには、家族のささやかな手段です。彼にさらされていないとして、子供の科学;若いアーサー収集紙マッチをカバーし、優性フローラブルックリンの通りではなく、通常昆虫に関連付けられている若者を科学的に傾斜します。しかし彼は受け取ら化学と生物学を勉強して、受け取ったから、彼の学士号を取得し、ニューヨーク市立大学、 1つの3つのクラスの生徒の1937年運命にあるから、ノーベル賞を受ける(ハーバートハウプトマン、ジェロームkarleが、他の)します。

WEB上の翻訳サイト比較

比較してみよう。題材はNature最新号(6 Dec 2007)に掲載のアーサー・コーンバーグの追悼記事である。
翻訳サイトとして(1) excite (2)AltaVistaのBabel Fish Translationを選んだ。最初の数フレーズではこうだ。

「アーサー・コーンバーグは20世紀の最も偉大な生化学者のひとりでした。 彼のキャリアは60年間以上わたりました、そして、彼の影響が何10年間も耐える現代の生物医学科学に対する彼の仕事の衝撃はそのようなものです。コーンバーグはブルックリン(ニューヨーク)で下流家庭に生まれました。 彼は子供として科学に露出を全く持っていませんでした; 若いアーサーはマッチブックカバー、通常、科学的に傾向がある子供に関連している昆虫よりむしろブルックリン通りの優位な植物相を集めました。」こちらがExcite

「アーサーKornberg は第20 世紀のすばらしい生化学者の1 才だった。彼のキャリアは60 年以上及び、そのような物は彼の影響が長年に渡って耐える現代ずっと生物医学科学の彼の仕事の影響である。 Kornberg は適度な平均の系列にブルックリン、ニューヨークで生まれた。彼は子供として科学への露出を有しなかった; 若いアーサーはmatchbook カバー、支配的な植物相、よりもむしろ通常科学的に傾斜させた若者と関連付けられたブルックリンの通りの昆虫を集めた。」こちらがAltaVista

両者の差は一目瞭然であり、
Exciteは読める文章になっているといってよいでしょう。それでは全文掲載してみよう。

死亡記事: アーサー・コーンバーグ

Tania A. Baker

酵素をこよなく愛した情熱的な生化学者。

アーサー・コーンバーグは20世紀の最も偉大な生化学者のひとりでした。 彼のキャリアは60年間以上わたりました、そして、彼の影響が何10年間も耐える現代の生物医学科学に対する彼の仕事の衝撃はそのようなものです。

コーンバーグはブルックリン(ニューヨーク)で下流家庭に生まれました。 彼は子供として科学に露出を全く持っていませんでした; 若いアーサーはマッチブックカバー、通常、科学的に傾向がある子供に関連している昆虫よりむしろブルックリン通りの優位な植物相を集めました。 彼は、化学と生物学を研究するためにそれにもかかわらず、選んで、ノーベル賞(ハーバートHauptmanとジェロームKarleは他のものであった)を受け取るために運命づけられた1937年のクラスからの3人の学生のひとりの歳のニューヨークの市立大学から学士号を受けました。

彼は、彼が温和なフォームの彼が自分で発見した黄疸と級友の上の最初の研究報告を書いたロチェスター(ニューヨーク)の大学からMDを稼ぎ続けました。 しばらくの間、彼は最初にニューヨーク、およびそして、米国海軍の(自称)の注意深い医師でした。 しかし、生涯の転機であったのは1942年の公衆衛生総局への転送でした。(その転送は国立衛生研究所(NIH)に彼を着陸させました)。

NIHにおいてワシントン医科大学にセベロ・オチョアがニューヨーク医科大学にいてカールとGerty Coriがある研究間、コーンバーグは、彼が非常に好きであった酵素の研究に変わって、生物学の生命力を考えました。 彼は、初めに、ヌクレオチドの統合にかかわる酵素を分析して、小さい分子を関係づけました。 ヌクレオチドは遺伝、DNAの分子のブロックです。 コーンバーグはすぐ、このポリヌクレオチドチェーンを統合することができた酵素の検索に変わりました。 彼のインスピレーションは1953ワトソンと#8211ではありませんでした; DNAの構造、しかし、むしろCorisの仕事は他の生体高分子の酵素的合成のときに筋違いにしてください。

コーンバーグは困難な仕事を引き受けました。 しかしながら、彼の研究の指導原理はしつこい生化学者が試験管のどんなセル出来事も再編成することができたということでした。 そのうえ、彼は、生化学者にはできるのがセルによって課された規制の下で働く重荷なしで反応を最適化する利点があったと感じました。 コーンバーグはDNAを含む反応と放射性チミジン(ヌクレオシド)と病原性大腸菌(腸のバクテリア)をこじ開けることによって得られたタンパク質断片をセットアップしました。 初めに、ラベルされたチミジンの小さい部分だけがDNAのような分子であるように思えたフォームに変換されました。 しかし、活動(そして、反応の特異性を示す多くのコントロール)のこの微光で、コーンバーグは、効率的な統合に必要であるブロックの適切なフォームを辛抱して、結局、見つけました。

1957、酵素で前躯体分子からDNAの人工授精の統合について説明するコーンバーグの原稿では、遅れていますか? DNAポリメラーゼ?Biological ChemistryのJournalによって拒絶されました。 評論家は、製品を'DNA'と呼ぶのが時期尚早であると考えました。 1958年春に、しかしながら、新しいエディタは、中へ入って、書類を受け入れました。 2年未満後に、コーンバーグの発見、およびオチョアによるリボ核酸重合体の統合に対する独立している仕事はPhysiologyかMedicineでノーベル賞によって認識されました。

DNA模写の酵素学は次の30年に関するコーンバーグの情熱のままで残っていました。 彼のアプローチはセルDNA模写の過程について摘記したますます複雑な生化学的反応を確立することでした。 1967年に、彼は首尾よく小さいウイルスのDNAを模写しました、彼が「試験管の人生」を作成したと(不当に)報告されたとき相当な配慮を受けた功績。 これはそれにもかかわらず、すべてのゲノムのDNA模写を治める原則の多くを定義した精液の達成でした。

例えば、特別な酵素がDNAチェーンを始動するのに必要であるという概念はこの仕事から起こりました。次に、DNAポリメラーゼは急速と絶妙の信義でチェーンを延長します。 同様に、コーンバーグの仕事は模写の起源の機能に関する洞察を提供しました、染色体の1サイクルのDNA模写で開始を指示する系列。 1980年代に、10年の努力の後に、コーンバーグのグループはセル染色体から'クローンであった'本当の起源を使用することで開始されたDNA分子の模写を再編成しました。 DNA模写の開始にchromosomalの起源で必要であるステップの結果として起こるモデルは今日より複雑な有機体の中で模写を調査するためのパラダイムのままで残っています。

1990年から、コーンバーグの研究室はpolyphosphate新陳代謝にかかわる酵素に注目しました。 彼は10月26日における彼の死の1週間前までこの仕事を続けました。

現代の生物学へのコーンバーグの影響は莫大です。 彼は遺伝子工学の不可欠のツールになった酵素の多くの浄化と特殊化の先頭に立ちました。 また、彼は空想家のリーダーでした。(そのリーダーは科学者の教育に莫大な影響を与えました)。 1959年に、彼はスタンフォード大学に生化学部を設立しました。 そこに、彼は顕著な共同体を鍛造しました。そこで、教授陣は、それらの研究グループのサイズを制限して、交付金をプールして、スペースと設備を共有しました。

また、彼は首尾よく仕事と家族生活を統合しました、研究室と、そして、会議に彼の子供のロジャー、トム、およびケンを連れて来て、次に、彼の孫を連れて来て。 彼の最初の妻(Sylvy(ここに、彼と共に描写される))は、天才的な生化学者であり、彼と並んで長年働いていました。 アーサーのすばらしい自慢のたねに、ロジャーは、スタンフォードで同僚になって、2006年にノーベル化学賞を受け取りました。

そして、アーサーの拡張科学的家族があります。 師として、彼は、彼の科学と彼の親族の両方に関して情熱的であり、自分を保持したので、規格を強要する同じくらいに私たちを保ちました。 彼が私たちのデータについて議論することができないくらいには決して基本的にせっかちですが、それほど忙しくないか、または有名でなく、私たちの原稿(再び、そして、再び、そして、再び)を編集するか、または批評に。私たちの提示。 彼は彼の(したがって、優しくない)の説教で私たちをいらだたせました。 「あなたの小切手本より多くの精度で研究室ノートを保管してください。」 「1グラフあたり4つの線だけ。」 「あなたの酵素活動を見つけるまで家に帰らないでください。」 「時間はあなたの最も重要なリソースです。」 しかし、私たちは、学んで、思い出を秘蔵して、現在、'Kornbergisms'の私たち自身の学生を拷問します。 私は、アーサーが嬉しいと思います。


ゲノムアレイの髭について

ゲノムアレイの髭について:Yさんとの協議

1)有力な髭を集める
2)DBにてCNV(Copy Number Variant)の可能性を検証する
3)対照血液由来DNAをアレイのかけて、完全にCNVを否定する:必要なnは・・・当該事例を含めて3例か
4)当初の予定であった対照血液由来DNA全症例のアレイ解析は中止

ゲノムのまとめ方
1)in/delのリスト化 (Dukes分類を始め各種パラメーターは必要だろう)
2)expression dataのカタログ化(付随)
3)pathwayに乗っかった整理

4)この段階ではSNPs、epidemiologyはなし
5) 点突然変異、メチル化などの付随データは無視
6)しかしながら、p53とKrasのデータだけは最低押さえておく(業者)APCは検索領域が広すぎるので無視

CpG islandとfirst exon

CpG islandとfirst exonについて最も包括的な説明はこのページであろう。

ここでは
ヒト・ゲノムには推定30,000個から45,000個(74,80)、ヒト第22染色体には推定499個のCpGアイランドがあるとされている(81)。Larsenら(76)、およびGardiner-GardenとFrommmer(75)は、コンピュータを用いた方法でCpGアイランドを同定し、G+C含有率50%以上かつCpGジヌクレオチドの実測頻度対予測頻度の比が0.6以上となる200塩基対以上のDNA領域と定義した。


Dragon Gene Start Finder version 1.0は、最初のエクソン(the first exon)に重なっているもしくは近くに存在する可能性の高い、異なる長さの領域予測向けシステムです。このシステムは、統計的に有意なパターン、信号処 理そして人工知能という異なる検出手法の組み合わせを用いています。これは、3つのシステムが組み合わさっています。第一にDragon Promoter Finder、第二にCpGアイランドの存在を推定するシステム、そして三つ目が、データの前処理とニューラルネットワークに基づいて融合した検出手法の 実行であり、前記2つのシステムからの情報を最終的な予測に結合します。このシステムはヒトおよびマウスゲノムにおいて厳しくテストされており、優れたパ フォーマンスを示しています。

2007年12月5日水曜日

STAT3とゲノム変異

Genome-wide screening for complete genetic loss in prostate cancer by comparative hybridization onto cDNA microarrays.
Oncogene. 2003 Feb 27;22(8):1247-52.

We demonstrate that comparative genomic hybridization (CGH) onto cDNA microarrays may be used to carry out genome-wide screens for regions of genetic loss, including homozygous (complete) deletions that may represent the possible location of tumour suppressor genes in human cancer. Screening of the prostate cancer cell lines LNCaP, PC3 and DU145 allowed the mapping of specific regions where genome copy number appeared altered and led to the identification of two novel regions of complete loss at 17q21.31 (500 kb spanning STAT3) and at 10q23.1 (50-350 kb spanning SFTPA2) in the PC3 cell line.

肺癌371例のゲノムアレイ解析(Nature)

Characterizing the cancer genome in lung adenocarcinoma

Nature advance online publication 4 November 2007

--------editor's comment--------------A wide-ranging overview of genetic alterations in lung adenocarcinomas, published in this issue, takes a new approach to genome analysis. The analysis of 371 tumours revealed 31 recurrent focal events, only six of which were known previously in lung carcinomas. A new candidate oncogene, TITF1, was found to be significant in a large number of lung cancers. This work shows that there are many more important cancer-related genes still undiscovered, and that systematic genomic study can reveal them.

細胞のDNAの体細胞性変化はほとんどすべてのヒトの癌でみられる。標的治療への期待、そして高分解能の全ゲノム解析法の発達が、癌のゲノム解析の組織的 な取り組みに拍車をかけている。本論文において、我々は、原発性肺腺癌におけるコピー数の変化を調べた大規模な研究プロジェクトを報告する。高密度な一塩 基多型のアレイを用いて多数の腫瘍( n=371)を解析することで、計57個の高頻度に認められる遺伝子異常を同定した。39個の常染色体腕のうち26個において、大規模な コピー数の増加あるいは減少が一貫してみられることを見いだした。しかし、特定の遺伝子に関連していたのは、そのうちのごく少数だった。さらに我々は、 24の遺伝子増幅と7つのホモ接合性欠失という計31個の高頻度に認める局所の遺伝子異常を見つけた。これらの局所の遺伝子異常の中で、肺癌において既知 の遺伝子変異と関連があったのは現時点で6つに過ぎなかった。最も高頻度にみられた第14染色体長腕13.3(14 q13.3)の増幅は、検体の約12%に認められた。ゲノムおよび機能解析に基づいて、我々は NKX2-1 (NK2 ホメオボックス1、別名 TITF1)が、最小の14q13.3の増幅区間に局在し、かなりの割合の肺腺癌に関与している新たな候補癌原遺伝子として、系統特異的な 転写因子をコードしていることを明らかにした。より一般的には、我々の結果は、肺腺癌に関連する遺伝子の多くはまだ明らかにされていないことを示してい る。(以上日本語Natureより要約)


NatureのOn lineに出て(2007.11.4)随分経つが、ようやく今朝S君がJournal Clubで読んでくれた。肺癌371例のゲノムアレイ解析である。面白いといえば面白いが、そして有益なデータは多いのだが、最終的にはまだまだ肺癌には謎が多いことがわかる報告である。S君は「サプリメント・データだけで50頁を超えるので、読むのに苦労しました」と言っていた。ご苦労様です。今手持ちのゲノム解析データを纏めるのに苦労しているが、本論文は指南として使うことにしよう。これを超えたいが・・・・

Natureの日本語サイトを見ていたら11月29日付け(私がこのblogを始めた日)に癌のゲノミクス」というコーナーが出来ていた。上記論文に触発されて纏めたくなったものと推察する。最近の論文にアクセスできる。たとえば、

(1) Distinct classes of chromosomal rearrangements create oncogenic ETS gene fusions in prostate cancer 前立腺癌の融合遺伝子を見つけたTomlinの続報である。
Scott A. Tomlins et al. Nature 448, 595–599 (2 August 2007)

(2) Genome-wide association study identifies novel breast cancer susceptibility loci:乳癌のスタデイSNPs解析だったかな。
Douglas F. Easton et al. Nature 447, 1087–1093 (28 June 2007)

(3) Patterns of somatic mutation in human cancer genomes        Christopher Greenman et al. Nature 446, 153–158 (8 March 2007)

このほか自治医大の間野さんたちのEML4-ALKもありました。

(4) Identification of the transforming EML4-ALK fusion gene in non-small-cell lung cancer
Manabu Soda et al. Nature 448, 561–566 (2 August 2007)

(5) LKB1 modulates lung cancer differentiation and metastasis free access     Hongbin Ji et al. Nature 448, 807–810 (16 August 2007)

こうやって見ていくと、今年のNatureは面白い論文が目白押しだったことがわかる。


2007年12月4日火曜日

(e) PKNOX1

PKNOX1 PBX/knotted 1 homeobox 1

文科省「ヒト統合ボディーマップ」
  ヒト遺伝子の解剖学的な発現パターンデータの統合サイトにおける「PKNOX1 」

(d) Proteins that interact with CDS1

Cds1とはChk2のことのようである。

Replication Checkpoint Kinase Cds1 Regulates Recombinational

Genome integrity is protected by Cds1 (Chk2), a checkpoint kinase that stabilizes arrested replication forks. How Cds1 accomplishes this task is unknown. We report that Cds1 interacts with Rad60, a protein required for recombinational ...


The Scripps Research Institute - Scientfic Report 2005

The effector of the replication checkpoint in fission yeast is Cds1 (Chk2). A few years ago, we discovered mediator ... also regulated by Spc1. Most recently, we focused on a newly discovered family of proteins that interact with Csx1. ...
www.scripps.edu/news/sr/sr2005/mb05russell.html