Identification of stem cells in small intestine and colon by marker gene Lgr5
Nature 449, 1003-1007 (25 October 2007)
昨日東京のミーティングでそのHans Cleversの講演を聞いたが、残念ながらその内容は論文を大きく超えることはなかった。しかし・・・
面白かったのはLgr5-LacZ陽性細胞のマウスにおける生写真であった。
- 胎児での染色パターンは全身モザイク状で確かに複雑であった。しかしzonalなパターンはあるように見える。このzonalなパターンはそれなりの規則性があるように見え(X連鎖劣性の無汗性外胚葉形成不全 のように)、私には非常に興味深く思えた。
- 大腸はもちろん胃でもhindstomach(でしたっけ?forestomachじゃないほう)でも綺麗にcryptの高さで青みが濃染されていたこと
- 皮膚の基底層?が一列に濃染されていた。これは強拡大が見たかった。皮膚の他に毛嚢が見たかったのだ。本当にbuldgeにcomitしているのか幹細胞?
- 肝臓:これには驚いた。かすかすに少ないのであるLgr5-LacZ陽性細胞。Disse腔の辺縁に極くわずかの陽性細胞。
Tamoxifen誘導によるcell fateの実験は論文通りであったが、ここで彼は「よりよくvisualizeするためにTamoxifen濃度をぎりぎりに下げて設定している・・」と説明した。実はこれが聞きたかったことの一つであった。ただ隣で一緒に講演を聞いていたI氏が「本当にすべてのcryptでこの現象は起こっているんでしょうね?」と聞いてくる。「そこまで疑う?」「でもTamoxifen誘導を制限せずに、すべてのcryptで青く染まるpositive controlも見てみたかったなあ」という。なかなか厳しいコメントであるが一理あるなと思ったのだ。
このほか興味深かったのは、消化管癌幹細胞におけるCD133マーカーの意義を見つけたトロントのJohn E. DickとHans Clevers(こちらは写真付き)が極めて緊密な研究仲間であるということがわかったことだった。
John E. Dickはとても親しみのわく研究者であった。フロアで話を聞いてもらったがいくつか書いてみよう。
- 「CD133+CD44+はとても興味深いfractionですが、この細胞の細胞周期は?」
- Dick「本当に大事なポイントなんだけど、よくわかっていないのですわ」
- 「癌幹細胞はG0にcomit しているのでしょうか?」
- Dick「僕は白血病に関しては間違いないと思っていますよ。ただ消化管についてはまだまだ不明だと思う」
- 「G0はpyronin Yでみているのですか?」
- Dick「そうです。私たちもpyronin Y」
- 「もっと良いマーカー(より細胞毒性の低いもの)を知りませんか?」
- Dick「あったよ、ありますよ・・・でも名前が思い出せない(ずいぶん彼を悩ませた)」
- メールを出してしつこく聞いてみようと思う、その正体!
とここまで書いてblogの威力を実感した。これはいい備忘録になる。どうしてこんな便利なものにいままで気がつかなかったのだろう!
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