2014年5月31日土曜日

ウロセプシスのこと

 「ウロゼプでしょうな」といわれて何じゃそれと思った昨日のショック患者であった。

単なる右尿管結石で一昨日入院してもらった67歳女性の容態が変わったのは深夜12時であった。「先生気分が悪いというので血圧測ったら50/~しかありません、どうしましょ。脈は104・・・」

だいたい尿路結石は週に一例くらいは診ている感覚だが、それだけで入院させたのはほとんど初めてに近い。脳出血後遺症で麻痺がつよい方ではあったので本人・家族の強いご希望で入院させたわけだが。入院後は晩御飯はしっかり食べて症状も安定していただけに、ショックになるとは思いませんでしたな。嵌頓した石は結構大きいので点滴すると痛いだろうし水腎も悪化しそうだから、ルートだけはとっておいて点滴はわずかにキープだけしていたのだが、さすがにショックだから急速点滴を始めた。案の定、結石疝痛が再燃する。座薬を入れると血圧下がるし、ドーパミンでなんとか夜中は持たせたが、翌朝一番の採血で WBC 18000、CRP >7であり検尿で細菌(+++)。不穏感が出てきた。悪寒戦慄が出てきた。一挙に39度の発熱である。ここまでくると単なる「尿路結石」ではなくなる。一刻も早く閉塞尿路を解放してあげないといかん。というわけで泌尿器科専門病院に転院依頼のお電話を掛けたときに帰ってきたお返事が 「ウロゼプでしょうな」

そりゃウロゼプシスあるいは ウロセプシスの略号であることくらいは、1.5秒くらいたてば解るが、でも初めて「ウロゼプ」なるジャーゴンを聞いてなんか笑ってしまうね。もっとも小生ウロゼプシスあるいは ウロセプシスという言葉が独立して使われていたということすら知らなかった。それくらい多いのかな、ウロの世界ではセプシス。ウロだけかな。「ギネセプシス」「キントセプシス」「オルトセプシス」なんて、ないだろうな〜。キントやオルトなんて今頃流行らないし。だいたいセプシスなんていうのも気にくわない。わたしらにはゼプシスと濁らないと重症感が伴わないな、勝手な言い分だが。

ところで最近では敗血症というより 「SIRSの診断基準」が大事だ。そこで「SIRSの診断基準」だが・・

SIRSの診断基準 (米国胸部疾患学会 Critical Care Medicine学会 1992) 4項目中2項目陽性=SIRS
  1. 体温 < 36℃ or >38℃ 
  2. 脈拍 > 90/min 
  3. 呼吸数 > 20/min (or PaCO2 < 32 )
  4. WBC >12000/mm³ or <  4000 /mm³ (or 10%以上の幼若球出現)
どれくらいの頻度で専門病院はウロゼプを診るのだろう?

2000年~2007年の8年間に神奈川県立汐見台病院(慈恵大)ではSIRS診断基準を満たし尿と血液から同一菌種が検出された症例をurosepsisと定義し,本定義に合致した45例を診ている。 
  • 慈恵医大誌2010;125121-27. Urosepsis症例の臨床的特徴と治療成績 一市中感染例と病院感染例の比較一 画面晃司、岡田秀雄、長谷川俊男、櫻井磐、川口良人、小野寺昭一 東京慈恵会医科大学感染制御部 神奈川県立汐見台病院内科
あるいは

PMX-DHP療法を行ったUrosepsis 15症例の検討 

藤田  亮、甘利 香織、松本 康、小山 敬、藤田 尚宏、徳田 倫章 
 佐賀県立病院好生館救急部、佐賀県立病院好生館泌尿器科 

重症敗血症や敗血症性ショック症例に対するEarly goal-directed therapyの報告が行われinitial resuscitationの目標値が設定され、これらの目標値に到達するような治療が推奨されている。
PMX-DHPはエンドトキシンを吸着することよりグラム陰性桿菌によるseptic shockに有効であり、また内因性大麻であるanandarnide(ANA)を吸着することでMRSAなどのグラム陽性球菌によるseptic shock症例などに対しても有効であると考えられている。今回我々は2007年1月から2011年12月までに、当院救命救急センターにてPMX-DHP療法を施行した尿路感染症によるseptic shock症例15例(平均年齢:72.6歳  男:5例, 女:10例)について検討を行った。エンドトキシンの平均値は40.7pg/ml,尿路感染症の内訳は、単純性腎孟腎炎5例(33.3%).複雑性腎孟腎炎10例(66.7%)であった。 その他呼吸器使用率、培養結果、APACHEスコア、 SOFAスコアについて若干の考察を加え、報告する。 

なおPMXとは昔懐かしい抗生剤ポリミキシンBのことである。

 この写真の引用は丹後中央病院HPからです。ありがとう!

 このHPにはいろんな体外循環機器が載っていて楽しい。

エンドトキシンとポリミキシンBが結合することによる吸着除去カラムは昔からよく知られている。透析や献血や免疫治療などを行う施設、コンパクトな体外循環ポンプを持っている施設ならこのカラムは直ぐに使えるはずだ。このカラムは東レメディカルから「トレミキシン」という名前で出ており、1994年に保険収載されている。なんでも一本34万円くらいである。

それにしてもあなおそろしや「ウロゼプ」

胃癌のドライバー変異RHOA:二報で15-25%の変異率

Nature Genetics 
46, 573–582 (2014) 

Received 01 August 2013 
Accepted 18 April 2014 
Published online 11 May 2014

Whole-genome sequencing and comprehensive molecular profiling identify new driver mutations in gastric cancer

Oncology Research Unit, Pfizer Worldwide Research and Development, San Diego, California, USA.

Kai Wang, Siu Tsan Yuen, ・・・・Hans Clevers, Mao Mao, Suet Yi Leung

Gastric cancer is a heterogeneous disease with diverse molecular and histological subtypes. We performed whole-genome sequencing in 100 tumor-normal pairs, along with DNA copy number, gene expression and methylation profiling, for integrative genomic analysis. We found subtype-specific genetic and epigenetic perturbations and unique mutational signatures. We identified previously known (TP53, ARID1A and CDH1) and new (MUC6, CTNNA2, GLI3, RNF43 and others) significantly mutated driver genes. 

Specifically, we found RHOA mutations in 14.3% of diffuse-type tumors but not in intestinal-type tumors (P < 0.001). The mutations clustered in recurrent hotspots affecting functional domains and caused defective RHOA signaling, promoting escape from anoikis in organoid cultures. The top perturbed pathways in gastric cancer included adherens junction and focal adhesion, in which RHOA and other mutated genes we identified participate as key players. These findings illustrate a multidimensional and comprehensive genomic landscape that highlights the molecular complexity of gastric cancer and provides a road map to facilitate genome-guided personalized therapy. 


Nature Genetics 
46, 583–587

Received
Accepted
Published online

Recurrent gain-of-function mutations of RHOA in diffuse-type gastric carcinoma

Genome Science Division, Research Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo, Tokyo, Japan.

Miwako Kakiuchi,Takashi Nishizawa,Hiroki Ueda,・・・ Hiroyuki Aburatani, Shumpei Ishikawa

Diffuse-type gastric carcinoma (DGC) is characterized by a highly malignant phenotype with prominent infiltration and stromal induction. We performed whole-exome sequencing on 30 DGC cases and found recurrent RHOA nonsynonymous mutations. With validation sequencing of an additional 57 cases, RHOA mutation was observed in 25.3% (22/87) of DGCs, with mutational hotspots affecting the Tyr42, Arg5 and Gly17 residues in RHOA protein. These positions are highly conserved among RHO family members, and Tyr42 and Arg5 are located outside the guanine nucleotide–binding pocket. Several lines of functional evidence indicated that mutant RHOA works in a gain-of-function manner. Comparison of mutational profiles for the major gastric cancer subtypes showed that RHOA mutations occur specifically in DGCs, the majority of which were histopathologically characterized by the presence of poorly differentiated adenocarcinomas together with more differentiated components in the gastric mucosa. Our findings identify a potential therapeutic target for this poor-prognosis subtype of gastric cancer with no available molecularly targeted drugs.

久しぶりに大腸癌とGWAS:Nature Genetics

久しぶりに大腸癌とGWASをnoteしてみる。

Nature Genetics
46, 533–542 

Large-scale genetic study in East Asians identifies six new loci associated with colorectal cancer risk

Received
Accepted 
Published online
Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, Tennessee, USA.と日本、中国、韓国連合軍 

Known genetic loci explain only a small proportion of the familial relative risk of colorectal cancer (CRC). We conducted a genome-wide association study of CRC in East Asians with 14,963 cases and 31,945 controls and identified 6 new loci associated with CRC risk (P = 3.42 × 10−8 to 9.22 × 10−21) at 10q22.3, 10q25.2, 11q12.2, 12p13.31, 17p13.3 and 19q13.2. 

Two of these loci map to genes (TCF7L2 and TGFB1) with established roles in colorectal tumorigenesis. Four other loci are located in or near genes involved in transcriptional regulation (ZMIZ1), genome maintenance (FEN1), fatty acid metabolism (FADS1 and FADS2), cancer cell motility and metastasis (CD9), and cell growth and differentiation (NXN). We also found suggestive evidence for three additional loci associated with CRC risk near genome-wide significance at 8q24.11, 10q21.1 and 10q24.2. Furthermore, we replicated 22 previously reported CRC-associated loci. Our study provides insights into the genetic basis of CRC and suggests the involvement of new biological pathways.

2014年5月29日木曜日

翻訳される偽遺伝子とnon-coding RNA : nature 2報

いろんな意味で面白い論文である。  

Nature 509,575–581
Received
Accepted
Published online 

A draft map of the human proteome 

プロテオミクス:ヒトプロテオームの概要マップ

McKusick-Nathans Institute of Genetic Medicine, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, Maryland 21205, USA 
Min-Sik Kim, Derese Getnet, Akhilesh Pandey

Department of Biological Chemistry, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, Maryland 21205, USA
Institute of Bioinformatics, International Tech Park, Bangalore 560066, India 
Sneha M. Pinto, Akhilesh Pandey

ヒトゲノムの塩基配列情報が利用できるようになったことで、生物医学研究はこの10年で大きな変容を遂げた。しかし、ヒトゲノムのマップに相当するよう な、タンパク質やペプチドの直接測定で作成されたヒトプロテオームのマップはいまだに作られていない。本論文では、高分解能のフーリエ変換型質量分析法を 用いたヒトプロテオームの概要マップを示す。17種類の成体組織、7種類の胎児組織および6種類の純化した初代培養造血細胞を含む、30種類の組織学的に 正常なヒト試料についての詳細なプロテオームのプロファイリングから、ヒトで注釈付けされた全てのタンパク質コード遺伝子の約84%に相当する 17,294個の遺伝子にコードされるタンパク質が同定された。独自の包括的なプロテオゲノミクス解析戦略によって、多数の新規タンパク質コード領域を見 つけることができた。その中には、翻訳される偽遺伝子、非コードRNAおよび上流オープンリーディングフレームが含まれている。この大規模なヒトプロテ オームのカタログ(http://www.humanproteomemap.org/でウェブ上のインタラクティブ・リソースとして利用できる)は、利 用可能なヒトのゲノムおよびトランスクリプトームのデータを補完し、健康や疾患の生物医学研究を促進するだろう。

Nature 509, 582–587 (29 May 2014) 

Received 24 November 2013 
Accepted 11 April 2014 
Published online 28 May 2014

Mass-spectrometry-based draft of the human proteome

プロテオミクス:質量分析に基づくヒトプロテオームの概要

Chair of Proteomics and Bioanalytics, Technische Universität München, Emil-Erlenmeyer Forum 5, 85354 Freising, Germany

プロテオームには、タンパク質量の大きな差異、細胞種や時期に依存する発現パターン、翻訳後修飾といった特性があり、それらはいずれも、ゲノミクスやトラ ンスクリプトミクスからは得られない生物学的情報を含んでいる。本研究では、質量分析に基づくヒトプロテオームの概要と、テラバイト規模のビッグデータを リアルタイム解析するための公開型高性能インメモリーデータベースである「ProteomicsDB」について報告する。ヒトの組織や細胞株、体液から集 められた情報により、タンパク質をコードするゲノム領域のサイズ推定が可能になり、器官特異的なタンパク質や、多数の翻訳されたlincRNA(long intergenic non-coding RNA;長鎖遺伝子間非コードRNA)が明らかになった。ヒト組織のメッセンジャーRNAとタンパク質発現プロファイルの解析からは、タンパク質量の制御 が進化的に保存されていることが明らかになり、また、薬剤感受性データを統合することで、耐性や感受性を予測するためのタンパク質が見つかった。このプロ テオームプロファイルはまた、タンパク質複合体の構成や化学量論的特性の解析にかなり役立つと期待される。このように、ProteomicsDBはプロテ オームの情報探索を可能にし、生物学的知見をもたらすとともに、プロテオミクス技術の発展を推進する。 

論文点検ビジネス・ソフト

 今朝の朝日新聞によると論文点検ビジネス・ソフトが本格的になっているらしい。


Ithenticate

大阪大学が300万円/年で導入したシステムは事前確認(投稿前)を目的とする。
















 

コピペルナー

すでに300以上の大学で使われているという(価格:4万円)
ネット上の文章からのコピーを捜すソフト。



















剽窃チェッカー

 同様のソフトの無料版。2000文字以内という制限がある。





















捏防

こちらは画像のコピペを見つけるもの。トップページが生々しい。





2014年5月24日土曜日

スイスは乳癌のマンモスクリーニングを中止する:NEJM

マンモグラフィー(MMG)が乳癌死亡率を下げるのに有効かどうか、ここ数年の動向には目を離せない。今週号のNEJM・トップレポートは「スイスがマンモグラフィー乳癌検診を廃止する」という報告である。

なおこのレポートはfreeなので、誰でも読めます。たった一日で26個もコメントがついています。そこの貴方も是非コメントしてくださいね。

勧告者の見解が述べられている。簡単にいうと
  1. MMGがスクリーニングとして優れているという研究はそもそも1961年に始まったニューヨークでの研究と1991年の英国での研究に基づいているが、それ以降この10〜15年乳癌治療は劇的に進歩している。
  2.  MMGにはメリットもあるがデメリットも無視できない。繰り返し行われるMMG、生検や細胞診および無視できない数の過剰診断この3点がデメリットであろう。このブログでも紹介したカナダの報告を再度述べると、25年間のフォローアップでスクリーニングで発見された484人の「乳癌患者」のうち106名は過剰診断だと判断されるというものである。
  3. 別の角度から述べると、このカナダで25年フォローアップされた44925人の検診者のなかで106人が必要のない手術、放射線治療、化学療法を受けていたことになるのである。
  4. このカナダの研究が一番わかりやすいが、この他の10研究をまとめたコクラン・レビュー(Cochrane review)でもスクリーニングMMGは乳癌全生存率に影響を与えていないと報告されている。
  5. このNEJMのレビューを大まかにまとめたグラフを下に引用するが、MMG使おうが使うまいが死亡数に変化はないとするのがこれらの報告である。
クリックで大きくなります


このブログを読まれる方の中には医療関係者ではない方もおられるだろうから、一応説明するがこの「乳癌過剰診断」というのは、今の医学医療では避けられないものだということを理解してほしいということ。MMGでも細胞診でも、切除標本でも「乳癌」と今の技術知識では診断されるのだ。誰が見ても他の癌と区別できないもの。つまり医療ミスでは決してないのだ。
乳癌発見率は向上し早期癌が 格段に多く見つかるようになったのに、癌死亡に結びつく進行乳癌の発生がそれに見合っては減らないという「疫学データ」「観測データ」から推論された内容なので、多くの医療従事者には実感がないことだろう。反論も多かろう。

MMGで見つかったがんのなかに15年経過を追うと、「俺たちが見つけた癌のうち、いくつかは癌ではなかったのだろうね」という症例が紛れ込んでいる・・としか考えられないということである。問題なのは、それが「どの患者のがんだったのか」あとから振り返ってもわからないということだ。

個人の問題と社会(国)の問題に分けて考えてみたとき、国としては「そんなメリットのないもの、デメリットが問題となるものに金は出せない」というのが正しい態度であろうし、それが今回のスイスの勧告なのだ(スイスが実際にMMGスクリーニングを止めるかどうかは今後の問題であるが・・)。

一方個人のレベルでは例えば私は自分のかみさんにはMMGは続けるのかというと、小生は変わらず続けて検査してもらうつもりだ。見つかったときどのように考えるのかは難しいが、スクリーニング癌検診をうけるというのには、それだけの「覚悟」がいるということだ。484人の「乳癌患者」のうち106人に入るか、残りの378人になるか、現時点では誰にもわからないならしょうがないではないか。個人としての覚悟とはそんなものだ。

さて問題は国策として日本はこれからもMMGスクリーニングを続けていくことにするのだろうか?  
少なくとも、なにもデータを作らずに漫然とこの流れを維持していくわけにはいかないだろう。

「日本は検診精度が高いのでスイスやカナダや米国や英国のようにはならないだろう」 という希望的観測はありうる。小生は日本ではMMGスクリーニングが有効かもしれないと思う。

なぜなら確かに日本の検診精度は高いことは他の検診でも感じられるからである。が、客観的なデータを残さないとだめだ。MMG中止という流れが諸外国で出てきているのなら、それに見合った研究を計画し、「日本」の進むべき道を示して欲しいのだ。(お前は先ほど「乳癌過剰診断」は誰にも区別できないと言ったじゃないか、日本の医師だけが見つけることが可能だなんて、おかしいではないか?といわれるそこの貴方。貴方は正しい。だけど、医療というのは理屈だけではない。諸外国のMMG陽性例を「それでも疑ってみる」必要はあるということだ。日本の優れた診断医に見せれば「癌」ではないとの評価かもしれない。だけど、歴史を振り返る研究というのは水掛け論になることが多いので、そんなことをするよりは日本ではどうなのかという研究報告をしてもらった方が説得力がある)


Perspective

Abolishing Mammography Screening Programs? A View from the Swiss Medical Board

 

Nikola Biller-Andorno, M.D., Ph.D., and Peter Jüni, M.D.
N Engl J Med 2014; 370:1965-1967  May 22, 2014



2014年5月22日木曜日

高知大学医学部からNEJMのイメージ

45歳男子の副甲状腺腺腫によるhyperparathyroidismである。この高知の先生方は控えめであり、所属部局のタイトルも載せていないので代わりに私が紹介しておく。

高知大学医学部第二内科学講座
内分泌代謝・腎臓内科

講師 田口 崇文

教授 寺田 典生


 

 






















 N Engl J Med 2014; 370:e32May 22, 2014

Images in Clinical Medicine

Subperiosteal Bone Resorption

Takafumi Taguchi, M.D., Ph.D., and Yoshio Terada, M.D., Ph.D.
 
A 45-year-old man was admitted to the hospital with a 6-month history of anorexia, fatigue, and thirst. Approximately 10 years earlier, he had been treated for urinary calculi. Laboratory evaluation showed a serum calcium level of 14.7 mg per deciliter (3.7 mmol per liter; normal range, 8.0 to 10.4 mg per deciliter [2.0 to 2.6 mmol per liter]) and a serum intact parathyroid hormone level of 3844.0 pg per milliliter (normal range, 10.3 to 65.9). Ultrasonography of the neck revealed a 2.2-cm solid mass posterior to the inferior aspect of the left lobe of the thyroid. Technetium-99m–labeled sestamibi scintigraphy showed abnormal uptake in the left parathyroid gland, corresponding in location to the ultrasonographic finding. Radiographs of the hand showed multiple sites of subperiosteal resorption involving the phalanges (arrowheads) and tuftal resorption (asterisks). The patient underwent surgical resection of the neck mass, and histopathological analysis confirmed the suspected diagnosis of primary hyperparathyroidism caused by parathyroid adenoma. After surgical resection, the parathyroid hormone levels quickly returned to normal. Multifocal subperiosteal bone resorption, which is generally considered to be specific for hyperparathyroidism, is not commonly seen today because of earlier diagnosis. Severe hungry bone syndrome developed postoperatively in this patient, requiring high doses of oral and intravenous calcium with 1,25-dihydroxyvitamin D for approximately 4 months to maintain calcium levels.

2014年5月15日木曜日

ヒトの様々な臓器にはどんな細菌が群れているのか?


ヒトは細菌群と共生・共存している。最も大きな共存器官は腸管と皮膚であろうが、この他にも「口腔内」「外耳道」「膣内」「気管・上気道」等々いろいろな共存形態が想定できるし、また疾患との特異性も考察の対象である。「副鼻腔炎」などは格好の対象であろうし、ここにいる細菌群が腸管細菌叢と同じであろうとは考えられない。また齲歯や歯槽膿漏との関連で 口腔内細菌叢も重要な研究対象である。歯原病なる言葉は「歯科」では当たり前の考え方であるが、ある種の膠原病が実は歯の治療で軽快したり治癒したりすることは稀ではないらしい。

ではどこにどのような細菌叢がおり、その系時的変化はいかなるものか・・?それについての解答の一つが今回報告された。

以下「梗概」である。


ヒトマイクロバイオームプロジェクト(HMP)の主要な目的の1つは、人体のさまざまな部位から採集した16SリボソームRNA遺伝子塩基配列の参照用 データベースの作成であり、それによって微生物学ではマイクロバイオームの変化とヒトの健康状態の変化をよりよく関連付けできるようになると考えられてい る。

HMPコンソーシアムはすでに、300人の健康な成人で、身体部位18か所の単一時点でのヒトマイクロバイオームの構造と機能を報告している。我々はさらに、12~18か月の期間にわたって採集したデータを用い、ディリクレ多項式混合モデルを使用して、このデータを各身体部位の微生物群集タイプに区分することで、3つの重要な観察結果を得た。
  1. 第一に、乳児期の母乳哺育の有無、性別および教育レベルと、いくつかの身体部位の微生物群集タイプの間には、強 い関連性があった。
  2. 第二に、口腔および腸内のマイクロバイオームの特異的な分類学的構成は異なっていたが、これらの部位で見られた微生物群集タイプは相互に予測可能であった。
  3. 最後に、試料採集の期間を通じて、口腔内の部位で採集した微生物群集タイプが最も安定しておらず、膣内や腸内の部位での微生物群集タイプが最も安定していた。

今回の結果は、個体内の部位間や個人間でヒトマイクロバイオームにかなりの多様性があっても、この多様性を複数の微生物群集タイ プに区分できること、また、これらの微生物群集タイプは相互に予測可能で、おそらく生活史の特性の結果であることを明らかにしている。微生物群集タイプの 多様性や、個人が特定の微生物群集タイプを持つようになる仕組み、あるいは微生物群集タイプを変化させる仕組みを解明できれば、保有する微生物群集タイプ の情報に基づいて疾患リスクを評価したり、個別化医療を行ったりすることが可能になるだろう。

Nature 509, 357–360 (15 May 2014)
Received 02 September 2013
Accepted 20 February 2014
Published online 16 April 2014

Dynamics and associations of microbial community types across the human body


Tao Ding and Patrick D. Schloss

A primary goal of the Human Microbiome Project (HMP) was to provide a reference collection of 16S ribosomal RNA gene sequences collected from sites across the human body that would allow microbiologists to better associate changes in the microbiome with changes in health1. The HMP Consortium has reported the structure and function of the human microbiome in 300 healthy adults at 18 body sites from a single time point2, 3. Using additional data collected over the course of 12–18 months, we used Dirichlet multinomial mixture models4 to partition the data into community types for each body site and made three important observations. First, there were strong associations between whether individuals had been breastfed as an infant, their gender, and their level of education with their community types at several body sites. Second, although the specific taxonomic compositions of the oral and gut microbiomes were different, the community types observed at these sites were predictive of each other. Finally, over the course of the sampling period, the community types from sites within the oral cavity were the least stable, whereas those in the vagina and gut were the most stable. Our results demonstrate that even with the considerable intra- and interpersonal variation in the human microbiome, this variation can be partitioned into community types that are predictive of each other and are probably the result of life-history characteristics. Understanding the diversity of community types and the mechanisms that result in an individual having a particular type or changing types, will allow us to use their community types to assess disease risk and to personalize therapies.

2014年5月8日木曜日

超絶技巧ピアノ曲より

その昔

2009年12月14日月曜日


ピアノ難曲偏差値

というものを取り上げたが、最近もそのリストはバージョンアップを続けていることに昨日気が付いた。難しい曲だからすべてが名曲とはいえないわけで、小生の好みにならない曲も実は多いが、中には素晴らしい曲も多くて、ついyoutubeで集めnoteしたくなるのである。

最難関技巧曲集をいくつかリストした。最初の2曲は特に素晴らしいと思う。

バラキレフ:イスラメイ 東洋風幻想曲
Balakirev Islamey-Fantaisie orientale
Andrei Gavrilov





ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(ピアノ版)
Stravinsky : Petrushka Yuja Wang, piano





リスト:超絶技巧練習曲集~鬼火 Etudes d'execution
Ashkenazy,Liszt / 超絶技巧練習曲集~鬼火 Etudes d'execution





ラヴェル:夜のガスパール「スカルボ」 
Martha Argerich - Ravel - Scarbo






ピアノ曲の難易度を語るスレ」より転載

85 剣の舞(シフラ編)、芸術家の生涯、ぺトルーシュカ
84 (第九4章(ベト=リスト))、(こうもりパラフレ)
82 鬼火、(トリッチトラッチ(シフラ編))、(青きドナウ(エヴラー編))、Scarbo、イスラメイ
80 (鉄道)、(イソップ饗宴)、(ドン・ジョバンニ回想) 

 剣の舞(シフラ編)、芸術家の生涯、(第九4章(ベト=リスト))はあまり感心しない。
トリッチトラッチ(シフラ編))、(青きドナウ(エヴラー編)こうもりパラフレは原曲の方がはるかに良いと思います。

イスラメイという曲はなんとも言葉がでませんな、素晴らしい名曲だと思う。ペトルーシュカは原曲以上にピアノ版が素晴らしいと思う。なおスカルボはYoutubeでいろいろ捜した中でアルヘリッチが一番凄みがあったので、旧いけど引用してみた。