2013年1月10日木曜日

新春を飾る巨大な・・・?:NEJMのイメージ

New Eng J MedのImages in Clinical Medicineには驚かされることが多いが、これは世界中から症例が集まるからだ。今週はアルゼンチンとルーマニアからの投稿である。



話のまくらであるが、乳腺疾患にはハーゲンセンという有名な教科書がある。随分昔からある教科書で、従って医学が充分発達していない頃の症例も載っていた。若い頃これを読んで勉強したことがあるのだが、小生が忘れられない印象的な写真があって、それは「線維腺腫」の写真だった。

今日この頃の線維腺腫は皆に「FA」とか言われちゃって、せいぜい10-20 mmくらいの大きさで、マンモグラフィーでは特徴的な真っ白ぎらぎらポップコーンで、切れば弾けんばかりに飛び出してくる、そんなかわいいやつが多いが、ハーゲンセンの教科書には、そんな「かわいいやつ」が何年(何十年?)もほったらかしにされたのち、数十センチの巨大腫瘍となったものが掲載されていた。その黒人(だったと思う)の写真は、良性腫瘍でもほっとけばこうなるという警告のようで、身の毛がよだった。




















さて今回のルーマニアの症例だが、診断は見た瞬間つく。snap diagnosisであるが、よくぞここまでほっといたものだ。
説明によると 55cm x 35cmで下縁が膝の高さ(!)だという。25年でこうなったらしい。患者殿は手術を選んでくださらなくて、その後消息を絶たれたそうな。


Images in Clinical Medicine
Large Right Inguinal Hernia
Horia Parvanescu, M.D.
N Engl J Med 2013; 368:171January 10, 2013

Horia Parvanescu, M.D.
Clinic Emergency Hospital Craiova, Dolj, Romania

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