2014年6月18日水曜日

アルジャーノンに花束を

「アルジャーノンに花束を」を書いたダニエル・キースが亡くなった。ボクにとって「アルジャーノンに花束を」は短編小説(中編?)のイメージである。というのはSFを良く読んでいた高校生〜大学生の頃この小説は早川の『世界SF全集』にしか載っていなかったからだ。だからボクはこの全集で読んでいた。後に出た長編を読んだこともとても良く覚えている。出版されたばかりの本を持って東海道線にのり延々と読み続け、夜の10時ころ読み終わったのが「沼津駅」の停車中だったことが忘れられない。列車の外のホームのベンチに出て次の発車の時間を待った覚えがある。何十年もよく覚えているというのは、やはり相当面白かった小説だということだ。

高校生のころ取っていた「SFマガジン」の取材で ダニエル・キースが「なぜあなたは「アルジャーノンに花束を」以降小説を書かないのですか?」と問われ(実際、そのころダニエル・キースの本で知られていたのはこの小説だけだった)「さあ、書こうとはするんだけど、でもチャーリーやアルジャーノンのように書けなくなっちゃだんだよ」と述べていたのが印象的だった。

そののちダニエル・キースはとてもニッチなテーマを見つけた。解離性同一性障害というテーマである。これでいくつかの本を書いて、結構有名になったが、あいにく小生は「アルジャーノン」以外の彼の小説を読んだことがない。

いかに面白かったかといえば、最初の中篇でヒューゴー賞を取り、その焼き直し長編が7年後にネビュラ賞をとるというののだから推して知るべしでしょう。合掌。

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