皆さんの病院では教育が行われているであろうか?
覚えておく基本は以下の三点であろうか・・・
- 保健所に連絡のうえ主導してもらうこと
- 今の日本で血清学的(あるいは遺伝子)診断が可能なのは国立感染症研究所だけである。
- 地域で患者を取り扱う病院は既に指定がされており、それは特定・第1種感染症指定医療機関である
疑わしい患者が出たら
- まず地域保健所に連絡
- 検体を取ることになったら検体移送は保健所に頼むことになる
- 患者は特定・第1種感染症指定医療機関へ移送することになる
厚生労働省の通達「エボラ出血熱に関する対応について」(平成26年10月7日付け)によると
一般的な風邪症状を呈する患者の中に・・・
- 渡航歴・接触歴
- 発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、胸痛、腹痛、嘔吐、下痢、食思不振、脱力、原因不明の出血などの症状や所見
- まず最寄りの「保健所」に連絡(届出より緩い「連絡」である)
- 保健所と相談のうえ、検体検査をすることになれば採取する
- 検体は保健所(あるいは都道府県)が受け取る(国立感染症研究所への送付は行政がしてくれる)
- 患者の同意を得た上で、特定・第1種感染症指定医療機関へ患者移送することを検討
- 特定医療機関は3病院しかない(千葉、東京、大坂)
- それ以外の都道府県では第1種感染症指定医療機関が原則一カ所指定してある
- (県庁のホームページに記述有り。あるいは「第1種感染症指定医療機関」でググる)
エボラウイルス感染症の診断基準 (国立感染症研究所による平成24年3月の取り扱いマニュアル)
次のいずれかが満たされた場合,「エボラウイルス感染症」とする.
•被験検体からエボラウイルスが分離された.
•被験検体からRT-PCR法でエボラウイルスゲノムが検出された.
•被験検体から抗原検出ELISA法で,エボラウイルス核蛋白が検出された.
•間接蛍光抗体法またはIgGELISAで判定された急性期と回復期に採取されたペア血清のエボラウイルスの核蛋白に対する抗体価が,4倍以上の有意に上昇した.
次の場合,「エボラウイルス感染症」を疑う.
•IgM-captureELISAで,EBO-NPに対する特異的IgM抗体が検出された
エボラウイルス感染症のウイルス学的検査は,国立感染症研究所(村山庁舎)ウイルス第一部第一室において可能である
検体は郵送のこと
いずれにせよ、今の日本で我々が外来でエボラを疑うこと、ことに初期のエボラを疑うことは極めて困難である。しかしなんとか水際で防止しなくてはいけないのである。第一例目は我々の前に現れるはずである。患者は大学病院や総合大病院には行かないであろう。
これまでの厚生省ー都道府県保健所ー医師会等々による第一線病院である我々への連絡・指導がとてものんびししているので心配である。
指導を徹底してほしい。せつに願うものである。
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