関西の落語で安心して聴いていられるのが米朝であった。この方は意識的に音源を数多く残しているので、ボクみたいに遅れてきた落語ファンにもたくさんの面白い話を教えてくれた。前にも書いたが関西の落語家の演目は関東の落語と若干異なる。枝雀の残したCDシリーズ演目を見てもそうだが、米朝にしかない(少なくとも今時CD屋さんでレンタルできるレベルで)演目というのはかなり多いと思う。「植木屋娘」「親子茶屋」「焼き塩」なんて普通他では聴けないよね。
有名な「地獄八景亡者戯」は何度も聞きたい話ではないが(長いのである!)米朝が復活させた代表的なはなしである。
ボクは忘れていたが(知らなかったのか?)「百年目」も米朝復活はなしなのだとか。ボクはこの「百年目」が大好きなのだが、最初は志ん朝がお気に入りだったのだ。番頭さんも店主もそこはかとなく上品でなくては、この「あそびの演目」は華やぎません。志ん朝うってつけなのは志ん朝の「明け烏」の若旦那がお好きな方ならお分かりであろうが、そんなボクがあるとき米朝の「百年目」を聴いて固まってしまいました。こんな「百年目」があるのか。これはすごい。この噺は志ん朝も素晴らしいが米朝はそれに輪をかけてよいと思ってしまった。
今朝は通勤のとき「算段の平兵衛」を聴きながら哀悼しました。
ボクにとって残っている落語家は「小三治」くらいになってしまった。華のある上手な落語家が育ってきてほしいですな。
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