2016年3月12日土曜日

Lee Sedol とアルファ碁の対局:本日土曜日の第三選で雌雄が決する

小生がここ数日気もそぞろで落ち着かないのはLee Sedol とアルファ碁の対局が報道されているからだ。「アルファ碁」というのはDeep Mindの人工知能でありGoogleの作った囲碁のソフトウェアである。Lee Sedolは韓国人であり、現在の世界囲碁チャンピオンである。小生はほとんど碁を打ったことがないに等しい。大学生の頃数年親しんだくらいの経験で言わせてもらえば・・・

このボードゲームをやると「大局観」とか「木を見て森を見ず」などという言葉が実にリアルな実感を持つことがわかる。自分が勝っているのか、負けているのかわからない。桶狭間ではどうも分が悪いから、しばらく川中島で戦ってみるか・・・という局面の選択展開が可能な面白さがある。

小生はパーソナルコンピュータの発達とともに生きてきたから、この究極のゲーム「囲碁」が「こんなに早く」人間の知能を打ち破る時代がくることが感慨深い。まあ信じられない。

最初はオセロだった。1980年代のパソコン雑誌ではオセロソフトの開発でコンテストがしょっちゅう開かれていた。じきにオセロソフトは完成した。

次はチェスだった。忘れもしない1997年のフィラデルフィア。当時世界チャンピオンだったカスパロスがIBMの「Deep Blue」 に敗れた「事件」である。

当時はそこで終わりだろうと思われていた。将棋やましてや碁は複雑すぎてコンピューターでは無理だろうと思われていたのである。

それでも将棋のソフトは地道に進化していった。今では将棋ソフトは将棋のプロと対等かそれ以上のレベルに到達している。しかし5年前でも、それでも「碁」は無理だろうと皆は思っていた。しかし人工知能は着実に進歩していたのだ。

今回の進化は2012年ころに「我々一般人」には意識されるようになった。小生にはアメリカのクイズゲームでワトソン君が全米チャンピオンを破ったことが大きなイベントだった。

小生が驚いたのはワトソンの「知識の量」ではない。リアルに人間の声(アナウンサーの問題文)をコンピューターが理解し、論理的に解釈し、正しい答えをスタンドアロンのコンピュータが見つけ出し(ワトソンはネットに繋がっていない) 、そして「人間の声で」解答を読み上げるというシステムである。これを全米チャンピオンよりも速くやってのけるのである。これはすごい。

そして2016年の今、コンピュータは囲碁チャンピオンと戦っている。5戦行われるその予定は以下の通り。


  • Wednesday, March 9: First game
  • Thursday, March 10: Second game
  • Saturday, March 12: Third game
  • Sunday, March 13: Fourth game
  • Tuesday, March 15: Fifth game
すでに人間は2敗している。本日土曜日の第三選で雌雄が決まる。

このチャンピオンの戦い終えた感想をリアルに追っていくのは我々の大事な儀式と思うが如何?


ここに色々な方々の感想が載っている。


全5戦のうち一勝くらいはして欲しいが・・・ でもきっと完敗するような気がする。

人類の一員として、見て見ぬふりをするわけにはいかない。

しかと腰を据えて見届けようではないか!皆の衆。

今回の戦いは確実に「Before and After」というククリになる。 

なにが言いたいか? つまりこうである。人間がコンピュータより優れていた時代をリアルに実感できない子どもたちが今後は確実に登場するということである。

生まれた時から人間はNo.2にすぎないというリアリティである。悲しいことである。しかしこれが現実である。

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