2022年8月9日火曜日

今夏のコロナについて

 毎日おびただしい数のコロナPCR陽性者が報告され続けている。病棟を持つ病院が今夏こまっていることを列挙すると・・・

  1. 入院予定だった患者の前方病院がコロナ陽性となり、入院不可となる。
  2. 転院予定だった患者の後方(前方)病院がコロナ陽性となり、転院不可となる。
  3. 入院・転院予定日にスタッフが発熱し、検査結果がわかるまで入転退院を中断するが、再開時には、相手先にコロナ関連不都合が生じる。
  4. 退院・退所先の施設がコロナ感染となり、移動中止となる
  5. 退院先の自宅にコロナ陽性者が発生し、退院不可となる。

以上であり、身動きが取れない。我が病院は稼働率が下がって経営が難しくなります。


 ☆☆☆☆☆☆☆ 閑話休題 ☆☆☆☆☆☆☆☆

今のコロナ陽性者は、あまりに多すぎて皆さん実感が湧いていないらしく、次のような数字がマスコミに出てくることはないのだが・・・・・

 2020年(最初の年)の年間陽性者総数は23万人

 2021年(昨年)の年間陽性者総数は148万人

 2022年(本年)のこれまでの陽性者総数は1200万人となる。

昨今の一日の陽性者数は最初の年の一年分、一週間の陽性者数が去年の一年分に相当する。

大雑把にいって、我々の周辺には2020年の300倍、2021年の50倍程度の陽性者がいることになる。もちろんBA5は感染力高いけど、これだけの密度の感染者が周囲にいれば、そりゃ感染機会は増えようってもんだ。

早く飽和して、一気に低下して欲しいものである。ピークが8月6日ころではなかったかという話もあるが、そうであればありがたい。

2022年8月5日金曜日

発熱外来を中断したことについて

「発熱外来」について小生の、限られてはいるがしかし「リアル」、を述べておこう。

小生の勤務する病院では「発熱外来」を極めて真面目に行ってきた。その「発熱外来」の患者数がにわかに増えてきたのは6月23日のことであった。それ以来、毎日朝9時から夕方までやっていた外来を夜まで伸ばし、最後の患者の処置を終えるのは22時位になったのである。患者の殆どは予約であるが、朝9時過ぎにはその日の夜までの予約が埋まる。飛び込みも診るし、家族連れも診るので、患者数はかなりの数にのぼる。それでも予約にあぶれた患者からはときに罵声を浴びせかけられるのである。まあわからんでもないがね。

7月に入って「周りのクリニックが発熱外来をやめたから・・・」という声を聞くようになった。7月の20日を過ぎた頃からは、行政区をはるかに超えた遠方から患者が訪れるようになった。 

 我が病院では「発熱外来」は医師全員が平等に持ち回りでみることにしている。外科・整形外科医も診るし、内視鏡医も緩和ケア医も例外なく週一回程度は診ている。そんな医師のなかに陽性者が出だした(発熱外来で感染したわけではない。家族からの感染である)のはそのころからである。また看護師の陽性者も急に増えてきた。もともと経営上、外来看護婦数に余裕など殆どもたせていない。救急も夜間時間外も診なくてはいけない。

 ついに力尽きたのは昨日である。金曜日・土曜日の二日間だけ昼間の発熱外来をストップすることにしたのである。 このコロナ禍のなか、おそらく当院のような病院・クリニックが現状ほとんどではないのではないかと思う。これからお盆にかけての「発熱外来」はこれまでのようにはいかない。「発熱外来」を担ってきた多くの病院は、現在おそらく従業員の10%内外の欠勤者をかかえているはずである。この人達が現場に復帰するのはお盆のころである。(新しい欠勤者もふえるであろうし)

 本当にピークが今週であれば良いと思う。来週以降が不安である。それでも元気で頑張らないといけません。病棟にはコロナ以外の病気で入院している人たちが待っているし。