2023年10月8日日曜日

シカゴマラソン:女子も素晴らしい記録(2時間13分台)なんだけどアセファの前には霞む

 シカゴは女子も素晴らしかった。優勝したハッサンは2時間13分44秒だもの。

アセファの記録さえなければ、これは世界最高記録だったはずの記録。

女子も11〜13分台が当たり前になってぅるんだろうな。









全体を見たい方は表をダブルクリックしてください。

男子マラソンも世界最高記録が・・・ 2023年シカゴ:ケビン・キプタム 2時間0分35秒!

 男子マラソンも世界最高記録が・・・ 2023年シカゴ:ケビン・キプタム 2時間0分35秒!


キプチョゲはこないだのベルリンで最高記録を逃したが、本日のシカゴではケニアのキプタムがキプチョゲの前世界最高2時間1分9秒を34秒上回る2時間0分35秒で優勝した。

普通のレースで二時間を切るタイムがでるのも間もないだろう(3年以内くらいか?)

このレースキプタムはすべての5kmラップを14分30秒以内でこなし、30〜35kmが13分51秒、35〜40kmが14分1秒と超絶的スピードで走り抜けた。上がりは6分12秒である。

まったくすごい記録である。


もうひとつこのレースもちろんnegative splitなんだけど、その前半は1時間48秒なんだ!!!

後半が一時間かかっていない。59分47秒である。

20km走ったあと、ハーフマラソンを59分台で人間は走れるものなんだ。

まったくなんという・・・・




2023年10月7日土曜日

ティギスト・アセファの世界最高記録 によせて:女子マラソン 2023年ベルリン

 

先週の日曜日ベルリン・マラソンでエチオピアの女子マラソン選手ティギスト・アセファがこれまでの世界最高を大きく上回る2時間11分53秒の歴史的大記録で優勝した。

 Youtubeの同時放映でこの偉業を観戦できた幸運に感謝したい。

このレース当初は男子キプチョゲの世界最高記録更新(および2時間1分を切るタイム)が期待され、放映の焦点は男子にあった。レースが折り返しを迎えたあたりから、女子の記録が破格に進んでいることを知り、小生の関心はアセファ一点となる。ベルリンのHPには個人情報が経時的に掲載される(5kmごとのラップ、予想走破タイムなど)が、これをBib6に合わせるとリアルタイムでアセファ選手の記録が掲載されていく。画面は依然としてキプチョゲ中心であったが、画面右側に併設されていたチャットには、ただならぬ状況に気がついたマラソン・コアファンによるアセファ情報の書き込み(英語ですが)が増えていく。小生も普段はやらないチャット書き込みを何回行ったことか! 

ときたま映る女子映像ではペーサーと思しき男子選手がとてもレース展開が上手であるように思えた。中間点が1時間6分20秒というかなりしんどいペースを無難にまとめ、さらにマラソンでもっともきついとされる30km以降につなぐ。アセファの脚は衰えず、汗もちょうど良い加減であり、なにより表情がイカしていた。「これはなにかをやりとげそうだ」という予感を多くの人に感じさせた。そのころ世界記録の更新がありうるかもしれないと多くの人が期待し始めた。(しかしマラソンの世界記録更新は、最後の最後までわからないものだ。多くは裏切られるのだということを皆知っている) 

アセファは20kmから25kmを15分48秒のペースで刻むと、25kmから30kmは15分32秒、30kmから35kmは15分29秒とさらにピッチを速めた。 

男子キプチョゲがゴールしたのちは、アセファの画像が中心となる。威風堂々と走っている。小生は東京オリンピックでのアベベの走り、同じエチオピアの英雄の60年前の走りを思い出した。世界最高ペースで間違いなく走り抜きそうだと思うとうれしくなったが、そのスピードがゴールに近づくにつれますます加速するのを見て最終ゴールの記録予想に汗がでそうになった。 

アセファ選手は40kmを2時間5分13秒で通過したあとは、ラストの2.195kmも6分40秒。後半のハーフは1時間5分33秒と、前半より50秒ほど速いタイムでまとめ、従来の世界記録を2分以上縮めたのだった。 

30km以降のラップ・タイムが15分48秒→32秒→29秒と短縮していったのも驚きだが、注目すべきは上がりの2.195kmのタイム6分40秒である。 

 マラソンが好きな方ならご存知であろうが、上がりの2.195kmのタイムの男子の目標は6分36秒である(であった、ここ50年くらい)。マラソン記録の目標の一つはkm3分を切るスピードで走ることであるが、 このスピードで走ると2時間6分36秒という記録がでる。 

日本男子で2時間6分36秒はいまでも好記録であり、超一流の証といいたい。その6分36秒にほとんど迫る6分40秒でアセファは走り抜けたのである。しかも40kmを走破し終えた、最後の最後のペースである。これはすごい記録なのである。マラソンのコアファンならこれがどれくらいすごいことか、同感してくれるものと思います。 

そしてアセファ選手はそのゴール後に軽くジャンプをしながら、まだまだ余裕の表情だった。小生にはこれが60年前の東京オリンピックのアベベ選手のゴール後の姿に重なる。余裕で芝生の上での敏捷な屈伸運動を行い、その後平然と歩いた姿である。「あと一回走れるがごとく・・」と当時形容された(ような気がする)

従来の世界最高記録を2分以上縮めたことはすごいが、女子では2000年初頭に現れたポーラ・ラドクリフの2回の世界最高記録更新が思い出される。2002年シカゴの2時間17分18秒→2003年ロンドンの2時間15分25秒では2分にわずかに届かないものの1分53秒の短縮である。当時小生はこの15分台は未来永劫更新されることはないものと思っていた。 そして確かに次の世界最高までには16年を要している。次の最高記録は2019年ブリジッド・コスゲイの2時間14分04秒であり1分21秒の更新である。 

今回は2分11秒の短縮であり女子マラソンの世界最高記録には2時間13分台と12分台が存在しないことになってしまった。(実際には16分台もありませんが)。 

さてマラソンで2時間11分というと、どうしても1960年台の男子マラソンを思い出してしまう。二度のオリンピック・マラソンをそれぞれ世界最高記録で制覇したエチオピアのアベベ・ビキラ。この頃目まぐるしく記録は更新されたが、アベベ以外にも東京大会銀メダルのヒートリー、もちろん円谷選手。別大で世界最高を出した寺沢徹、ウインザーで世界最高を出した(福岡大学)重松森雄などなどの雄姿が目に浮かぶ。2023年の現在でも寺沢さんも重松さんもお元気のようですが、日本の陸上界やマスコミはどうも、この方々への敬意が足りないと小生は常々不満である。もっと大事にしてあげてほしいです。 

最後は愚痴になってしまったが、小生実は久しぶりにマラソン熱が再燃しており、明日はシカゴ・マラソンをネットで追いかけようと思っています。 

 シカゴの女子は良い記録が出そうな気がします。