「さてさて今年は誰がもらうのか」 という興味がここ10年でだんだん、少しずつ減じてきたというのは正直なところである。ネットの世界を見ても7〜8年前の熱気は全く感じられない。これは世界的にもだ。
ネットで熱気を感じられないといっても、そこはそこ、いくつかのサイトが予想を試みている。
このサイトなどはどうであろう。
- はmicroRNAの発見者たち
- はmicrobiomeと肥満の関連の発見者
2006年に米国Washington大のJeffery Gordonらは、腸内細菌叢が肥満に影響するという内容の論文をNature誌に発表した。肥満者の腸内細菌叢をメタゲノム解析してその細菌叢の特徴となる菌や遺伝子を解析し、また無菌動物に投与して肥満が再現することを示した。
Nature 444, 1022-1023 (21 December 2006)
Microbial ecology: Human gut microbes associated with obesity
Ruth E. Ley, Peter J. Turnbaugh, Samuel Klein & Jeffrey I. Gordon
- は神経科学での新しい方法論の発明ー光
Nature Neuroscience 8, 1263 - 1268 (2005) Edward S Boyden Feng Zhang Ernst Bamberg Georg Nagel Karl Deisseroth
Millisecond-timescale, genetically targeted optical control of neural activity - は分子標的薬ー抗FGFR抗体(アバスチン)ーの開発者の1人
外科医としては当然アバスチンにもっとも馴染みがあるし、実際アバスチンはよく使う薬である。 切れ味は良い薬であるが、いつか効かなくなるのは残念。とはいえ進行再発大腸癌の生命予後がいくばくか延長したのはこの薬のおかげであるのは実感するところである。
しかし分子標的ならグリベックにもやりたいとは思わないか?フェラーラというよりブライアン・ドラッカーでしょう、まず。
でもでもこんな話題よりもまずゲノムプロジェクトに落とし前を付けて欲しい。ワトソンが生きている間にけりをつけてくれ。論文が載って60年、ダブルへリックスでノーベル賞が授与されてから51年だ。
当ブログでは毎年の主張であるが、クレイグ・ベンターに授与してほしい。あとは誰でも良いのだ。世評でいえば、フランシス・コリンズであろうが、小生には疑問だ。 コリンズにあげるくらいなら、我が国の小原雄治博士にあげて欲しい。
ポストゲノムプロジェクトも視野にいれる見方もあって、これだとエリック・ランダーも充分受賞資格があると思う。
文句のある人も多かろう。いろんな意見で侃々諤々となるのがゲノムプロジェクトの偉大なところなのだ。それだけ貢献者は多い。科学への真の貢献者が誰なのか?肝心なのはそこである。
ノーベル賞の権威を保つというのは、ノーベル賞にとってもっとも大事な役割であろうが、あっといわせるような受賞を期待したいものだ。
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