「反復性の胸背部痛発作」 がキーワードである。
本日忙しい外来がやっと終わり医局で昼ごはんを食べながら、テーブルの上に置いてあった最新の「医事新報」を何気なく見やったところ、なにか「カチッ」とスイッチが入ったのだった。
読んでいた記事(千葉大学医学部附属病院 総合診療部 生坂政臣ほか)は「繰り返す背部の激痛」であり下には内視鏡の食道像がある。白血球が11,000であり好酸球6%とある。「研修医の診断は胸椎椎間板ヘルニア」であり、生坂先生らの正解は次ページに載っているはずである。
「カチッ」とスイッチが入ったのは前日読んでいたNEJMの最新号にEosinophilic Esophagitisの小論が載っていたのを思い出したからだ。読んだわけではない。見出しに掲載されていて、まあ読むほどのことはないだろうと思いそのままにしていたのだが、翌日今度は「医事新報」で似たような症例解説である。
それで次のページの解答は100%「好酸球性食道炎」に違いないと思った。論説を読んでいないから、これは勉強の成果ではないのだが、ほぼ確信にちかいものがある。こんなタイミングで小生の眼前に現れるならほぼ正解のはずだと思っただけだ。
で解答は 「好酸球性食道炎」であった。
一方の Eosinophilic Esophagitisの記事はこちら。
Review Article
Eosinophilic Esophagitis
N Engl J Med 2015; 373:1640-1648 October 22, 2015必ずしも「喘息様の発作性の繰り返す胸背部痛」という症状が前面に出てくる紹介ではないけれど、子供に多いことなどより広範な視点からこの病気を説明してくれる。
これは「この病気を勉強しときなさいよ」という天啓なのだと思う。
「反復性の胸背部痛発作でステロイドがよく効く」 がキーワードである。