という投稿をして7年目。昨日久しぶりに当該病変(まず間違いなかろう)の初診患者がやってきた。
76歳男子。10年以上左の母指根部の皮下腫瘤を気づいていた。近医整形では「様子を見ましょう」と言われたが病名をはじめ詳細は聞いてない。
ここ2〜3年増大傾向にあり皮膚の「ピリピリ」としたしびれが出現したので来院した。
下記はその理学所見である。
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左5指根部掌側やや外側に弾性硬の皮下腫瘤(15mm x 10mm)を認める。表面は平滑であるが、すぐ直下の腱と固着しておりこの屈筋腱が巻き込まれているために腱の短小化(掌側に腱が飛び出して緊張している)を認め、手掌の屈伸運動とともに皮下腫瘤は若干の移動をする。皮膚変化を認めないが、場所により軽度の圧痛を認める。
X線では同部の皮下に内部の粗密な極めて淡い高密度陰影を認める。骨変化(浸潤や菲薄化や圧潰像)を認めない。
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最終的には病理の結果ということになるが、まあ「Giant Cell Tumor of Tendon Sheath」で間違いなかろう。「しびれ」が気になるので(当院ではMRIを撮らずに)指の専門整形に紹介した。
記憶力に自信のない小生であるが、この病気を思い出したのはやはりブログにnoteしていたからだ。手や指の腫瘤(腫瘍)でもっとも多いのはガングリオンだが、二番目は「腱鞘巨細胞腫」と書いてある総説は多い。
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2011年1月13日木曜日
今回の皮下腫瘍が、ここまで大きいと自分で切除する気はおこらないが、もう少し小さいと手を出していたかもしれない。その場合かなりの確率で再発させることになったかもしれぬ。それは怖い。でもだからといって消極的にはなれない。小手術が好きな小生はいろんなものをこれまで切ってきた。それゆえ手を出してはいけないものを知るためには永遠に勉強を続けなくてはいけないのだろうな。
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