2008年11月10日月曜日

クラシックの魔法 スピリチュアル名曲論(西村 朗)

クラシックの魔法 スピリチュアル名曲論

自分の知らないクラシック曲を探しているので、最近この手の本を好む。
肩の凝らないクラシック案内。名盤・名演奏家列伝ではなく、「ある特定の個人」による好きな曲の拾い上げ。ボクは山本 一太、茂木大輔、松本大輔、そして西村 朗と読んでみた。

数十ページ読むと、自分の志向と大きく違わないことがわかる。そう大きく違わないのならば後はその人にしばらくは影響されてもよい・・・というやり方で、自分の知らない曲を開拓していく。

著者、西村 朗は臆面もなく「エリーゼのために」や「トロイメライ」などを紹介するかと思えば、ラベルについては紹介が「水の戯れ」であったり、ドビッシーには紹介曲がなかったり(少なくとも大目次には・・)と選択が面白い。文章表現は控えめなタッチであるが、でも所々に本音が出ていている。「ホー」と思ったのはサンソン・フランソワが大嫌いであるという一節である。レコ芸あたりの名盤紹介だとラベルの定番はサンソン・フランソワ(あるいはキーゼギング)ということになるが、西村は嫌いなんだって。ボクはこないだラベルのピアノ曲全集をフランソワで購入したが、確かになんか違うような気がしてならなかった。それまで聴いていたのがアビー・シモンという人で、これがなかなか良かったからね、特にラ・バルス。あるいはラフマニノフの紹介で山本一太の本同様に「ヴォカリーズ」が出てくる。

というわけで西村にかけてみてもよいなと思われた曲は、プッチーニの「ラ・ボエーム」である。

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