しかし中毒性巨大結腸症にいつ出くわすかもわからないので、少し調べてみた。
いずれもネット情報である。
- メルク・マニュアル(2007年改訂):ここにはシクロスポリンまでは書いてあるがレミケードは触れていない
- 潰瘍性大腸炎ガイドライン(2011年改訂中との記載):レミケードは触れられているが、推奨されていない。
- 潰瘍性大腸炎治療指針(2011年7月:班会議渡辺班):これにはレミケードが登場する。
どうであろう。おそらく研究、論文では随分前から話題になっているんだと思う、小生は知らなかったけど。それで賛否両論あったのだと思う。一時は非推奨治療だったのだから。皆が納得できるほどのエビデンスではないのだろう。しかし、なんせ重症であり、常に外科手術がちらつきながらの内科治療である。わらにもすがりたい。班会議では治療薬に加えてみたい、というところなのかしらね。
先日の発表ではタクロリスムその他が副作用で使えなかったなかでのレミケードであり、よく効いているようだ。覚えておこう。
重症UCの治療方針 (潰瘍性大腸炎ガイドライン(2011年改訂中との記載))
◇◇潰瘍性大腸炎治療指針(2011年7月:班会議渡辺班)から一部引用◇◇◇◇
C. 重症
- 入院のうえ全身状態の改善に対する治療を行う。常に手術治療の適応に注意し、必要に応じて外科医等と連携して治療に当たる。
- 薬物療法としては、当初よりプレドニゾロン1日40~80mg(成人においては1~1.5mg/kgを目安とする)の経口投与あるいは点滴静注を追加する。さらに症状や状態に応じてペンタサ®錠1日5~4.0gまたはサラゾピリン®錠1日3~4gの経口投与やアサコール錠®1日2.4~3.6g、及び注腸剤を併用しても良い。
これで明らかな効果が得られたら、プレドニゾロンを漸次減量し40mgで寛解導入を期し、その後は30mg、20mgと2週間以内を目安に病態に応じて減 量し、以後は中等症の(1)、(2)に準じた治療を行う。発熱や白血球増多が著明な期間は、広域スペクトル抗生物質を短期間併用する。必要と思われる症例 には、当初より難治例の(1)の【ステロイド゙抵抗例】の治療を行ってもよい。
前項の治療を行っても1~2週間程度で明らかな改善が得られない場合 (ステロイド抵抗例)は、劇症の(1)に従いステロイド゙強力静注療法、あるいは難治例の(1)に従い血球成分除去療法・シクロスポリン(サンディミュン®)静注療法(*)・タクロリムス(プログラフ®)経口投与・インフリキシマブ゙(レミケード®)の点滴静注のいずれかの治療法を行う。
以上の治療でも明らかな改善が得られない、または改善が期待できない時は、すみやかに手術を考慮する。
※ 重症度にかかわらず、ステロイドの使用は漠然と投与することを避ける。
※ 重症例・ステロイド抵抗例の治療は専門知識を要するため、可能な限り専門家に相談することが望ましい。
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