「病気か?それは」と言われる貴方は認識が低い。これは立派な病気である。骨粗鬆症という病気の最終段階の病態の一つだからだ。この病気の予防をすること、進行を抑えること、骨折に至らせないこと、最悪「First frarture is your last fracture (あるいは
Make Your First Break Your Last
)」 に留めることが肝要だと思うのだ。骨粗鬆症には通常症状がない。最初の骨折が最初の症状である人は多い。この最初の骨折を「貴方の生涯の最初で最後の骨折にする」ことが現実的には最大の目標となる患者さんは多いということだ。
骨粗鬆症でのKey phraseとして最近の勉強会で教えてもらって気になることば。
- 椎体骨折は大腿骨近位部骨折の前兆である
- 大腿骨近位部骨折を起こす患者の多くが一年以内に対側骨折を起こす
- 母から娘への負の連鎖を断ち切る
さて骨粗鬆症の学会が活発である。ガイドラインを頻回に出している。2012年に出したかとおもいきや2015年版も最近出た。御同慶の至りである。
今回のトピックはお薬のことであろう。年々歳々「骨粗鬆症」に有効なお薬は増えていく。専門家でない小生は何を使ったら良いのか本当のところは悩ましいのである。個人的な事情で「プラリア」とは相性が良いので、小生の患者さんには「プラリア」が使われることが最近は多い。
「プラリア」使用は気を使う。注射薬だし、高いし、低カルシウム予防のデノタス・チュラブルというほぼ「専用薬」を飲ませなくてはいけないし。しかし小生には相性が良いのである。患者さんに感謝された経験は重いのでこの薬は気に入っている。
だから客観的なこの評価が知りたかった。もちろん「第一三共」の資料は読んでいるが、販売元だから3割増しくらいで間引かないと・・・。
さて 「骨粗鬆症」の薬効には4つのエンドポイントを設けているのが学会である。
- 骨密度
- 椎体骨折
- 非椎体骨折
- 大腿骨近位部骨折
自分の母親にどの薬がふさわしいか皆さんならどう考えますかね。
そんななか2015年改定版の評価表である。
「大腿骨近位部骨折」に対する評価が得られている薬は3種類しかない。
- 「プレマリン」 (女性ホルモン)
- 「ボナロン」「フォサマック」「ベネット」「アクトネル」(ビスフォスフォネート)
- 「プラリア」(抗RANKL抗体)
使いにくい薬なら医師が積極的に使いやすいように誘導することが肝要。プラリアはなんといっても半年に一回打てば良いので楽ではあるが、逆に患者さんを外来に引き止めておくための何らかの理由がない場合(高血圧や糖尿病など)、治療が中断する可能性がある。プラリアは半年に一回打てば良いので楽であるが、デノタス・チュラブルを毎日飲ませなくてはいけないなら、結局同じであろうという意見もあるだろう。
じゃ、何を基準に選ぶの?
そのためのガイドラインということである。私は使いたいと思う薬なら多少厄介でも使う。
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