- AGML(急性胃粘膜病変)+十二指腸炎
- ヘリコチェック(ウレアーゼ法):強陽性(生検組織が付着した瞬間→赤色)
- 尿中抗ピロリ抗体:陰性
- 22歳であり今回が初めての上腹部痛であり更には初の胃内視鏡検査
おそらく感染はここ3〜4日以内に起こったのではないかと思われる。症状の発現時期と抗ピロリ抗体が陰性であることが強くそのことを示唆する。一方胃粘膜病変のウレアーゼ強陽性はこの胃内に膨大な数のピロリ菌が存在することを示唆する。抗体が出来る暇もないくらいの急性発症というわけだ。
ちなみに初の胃内視鏡とわざわざ書いたのは、内視鏡によるピロリ感染→AGMLではないことをいいたかったわけだ。昔のAGMLには「内視鏡後」というのが意外に多くて、その原因が内視鏡を介したピロリ感染ではなかったかと疑われているのだそうだ。
小生がこのような症例を診るのは本日が初めてである。理屈ではわかるし文献にあるのも(あとで)知ったが、ピロリ菌によるAGMLというのは小生にとっては少々驚きであった。
ピロリ菌でノーベル賞を受賞したオーストラリアのマーシャルが初めてこの菌を見つけ培養した後、自ら培養液を飲んで胃病変を発症させたという有名な話は知っていたが、よく考えるとマーシャルの例は急性胃病変だったわけだな。ちょっとやばい服用実験だったかもしれないな、マーシャルさん。
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