PCR以外にコロナウイルスを検出するキットの報告が賑やかになってきた。
あるHPのニュース一覧であるが、上からクラボウ、シオノギ、キャノンのニュースである。最後のキャノンはLAMP法であり常温でしかも10分〜15分とのこと。
クラボウとシオノギのキットは血清中の抗体をimmunodiffusionで検出する。おそらく最も簡便で、二次感染の畏れも少ない方法であろう。私個人はこの検査が一番しっくり来る。cDNAをPCRで増幅する方法は、本来もっとも鋭敏な検査法であろうが、ことコロナに関してはなかなか解釈が難しい。
それよりは一度体内に入ったウイルスが免疫系を揺さぶって免疫系を賦活化した証拠である「抗体産生」を診る方が、より臨床的ではないだろうか?
ウイルスが1兆コピー存在しても、体が反応しなければ「病気は発症しない」からね。
さてこれらのキットが従来のPCR検査をかなりの確度で再現できるかどうかは重要なポイントである。検体を持っており患者データを持っている機関が協力してくれなければ、実効性のある検査として世の中に出てこれない。
国立感染症研究所にはぜひ協力いただきたいものである。
国立感染症研究所をすっ飛ばして、市中の感染検査システムが独自に成立する可能性もあるが(企業が国を見限るというストーリー)、これでは国民と医療機関が混乱する。
また検査は重症者にしか行わないとうポリシーが崩れてしまう。
国立感染症研究所にしかデータはないはずであるから、ここは一つ頑張って協力してほしいものだ。
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