2023年4月5日水曜日

メディアの終焉について

 もと癌研有明の中村祐輔さんのブログはシカゴ大学時代から楽しみの一つであり、舌鋒は昔ほど先鋭ではないものの、ご意見番としてはやはりありがたいブログであると感謝申し上げる。そのブログを拝見していたら、「八重洲ブックセンターが今日で閉店」という記事が出ていた。なんとも寂しい話である。44年前開店ということだが、そのころ私は大学生であり、長期の休みになると東京に戻っていたが、この巨大な本屋さんがオープンすると早速馳せ参じた覚えがある。そのころ本屋さんといえば、神保町であり、新宿の紀伊国屋、日本橋の丸善(正直あまりいったことはなかったが)それに池袋の西武のブックセンターが普段は田舎者であった小生のテリトリーであったが、八重洲ブックセンターは超弩級の規模を誇っていた。その頃はジュンク堂書店なんてなかったし、この巨大な本屋さんが面白くて仕方がなかった。

先日100年以上続いたという「週刊朝日」の終刊に触れたが、昨日は「レコード芸術」の終刊の記事が載っていた。こちらは70年に及ぶ。小生が購入したのは、特集があったときだけで、おそらく合わせて20冊くらいにしか過ぎないが、店先で立ち読みくらいはいつもしていた。そんな「本屋にあるのが当たり前の本」が次々と消えていくのだろう。

今朝は「朝日新聞」の値上げの広告が朝刊に載っていた。小生は朝刊のみの購読であるが、これが3000円から3500円へ500円もの値上げとなる。若者は今どき新聞購読なんてしないだろうから、この値上げは高齢者の懐をさらに打撃することになるので、いよいよ高齢者の購読終了組が増えるのだろう。もう新聞社としては規模を保てないのではないだろうか。ネット世間では朝日に対する圧力・攻撃が相変わらずであるが、この旧世界を象徴する会社のメディアとしての存在がなくなるとすれば、これはこれで大変な世の中になると思う。この20年新聞社としてなんども大チョンボを繰り返してきた朝日新聞ではあるが、小生には栄養源として必要だ。小生にとって世の中でなくなると困るものの代表が「紙媒体の朝刊新聞」なので、「応援」の意味でこれからも購読を続けるが、もって数年は困る。不動産業で利益を出して、メディアで頑張る「朝日新聞社」で良いから、頑張ってほしい。

(でもなあ、電子媒体がこれだけ普及すると存続はかなり厳しいかもしれぬ。)NYTimesは電子戦になってから盛り返しを見せているという話を聞くが、大手新聞社もなんとか盛り返せぬものだろうか。

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