これは本当に「本当だとしたら凄すぎる!」できごとであろう。要するにこんな話。
ヒトはある時代をネアンデルタールと共存し、その後ネアンデルタールがいつしか滅びていった:これがいままでの話。
今回の発見はネアンデルタール以前に「出アフリカ」を果たしてシベリアまで行き着いたヒトの祖先といっていい人たちがいたということを初めて明らかにした。彼らは残念ながら生き延びることなく滅びていったのだ。これは38000年から48000年前の話である。化石が残るには古すぎる。今回のデニソバの洞窟には「指の骨」が断片的に残っていただけだという。骨が残って初めて考古学は成立するのだが、骨はなくともDNAシークエンスが新しい人類学=考古学を支える支柱となり得ることを今回初めて示したのだ。
面白いではないか。
滅んでいったデニソバ人よ、悠久ともいえる月日ののち、ついに君たちは甦って、現代人の前にその姿を現したのだ!
新しいヒト族
灰色は現ヒト
青色はミトコンドリアのゲノムシークエンスが存在する6人のネアンデルタール人
そして赤はアルタイ山中の洞窟で今回見出された新しい「お仲間」である
Phylogenetic tree of complete mtDNAs.
J Krause et al. Nature 000, 1-4 (2010) doi:10.1038/nature08976
Nature advance online publication 24 March 2010 | doi:10.1038/nature08976; Received 21 January 2010; Accepted 3 March 2010; Published online 24 March 2010
The complete mitochondrial DNA genome of an unknown hominin from southern Siberia
Johannes Krause1, Qiaomei Fu1, Jeffrey M. Good2, Bence Viola1,3, Michael V. Shunkov4, Anatoli P. Derevianko4 & Svante Pääbo1
- Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology, Deutscher Platz 6, D-04103 Leipzig, Germany
- Division of Biological Sciences, University of Montana, Missoula, Montana 59812, USA
- Department of Anthropology, University of Vienna, Althanstr. 14, A-1090 Wien, Austria
- Paleolithic Department, Institute of Archaeology and Ethnography, Russian Academy of Sciences, Siberian Branch, Lavrentieva Avenue, 17 Novosibirsk, RU-630090, Russia
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