2011年6月17日金曜日

E. coli O104の全ゲノムシークエンス:北京ゲノム研究所より・・・

ドイツで流行している出血性大腸菌(腸管出血性大腸菌)感染症E. coli O104の全ゲノムシークエンスが公表された。

The complete map of the Germany E. coli O104 genome released

BGI releases the complete map of the Germany E. coli O104 genome and attributed the strain as a category of Shiga toxin-producing enteroaggregative Escherichia coli (STpEAEC)

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-06/bgi-tcm061611.php

詳しいことはよくわからないが、原因菌は二つのハイブリッド大腸菌になっているようだ。水平伝搬(horizontal transfer)というやつだ。

ゲノムの生データが必要な場合はここにある。strainとしてはE. coli O104 H112180280という株である。

  1. 2010年のハイチのコレラにおけるpacific biosciences社のシークエンサーによる迅速な菌株決定

    The Origin of the Haitian Cholera Outbreak Strain


    Chen-Shan Chin, Ph.D., Jon Sorenson, Ph.D., Jason B. Harris, M.D., William P. Robins, Ph.D., Richelle C. Charles, M.D., Roger R. Jean-Charles, M.D., James Bullard, Ph.D., Dale R. Webster, Ph.D., Andrew Kasarskis, Ph.D., Paul Peluso, Ph.D., Ellen E. Paxinos, Ph.D., Yoshiharu Yamaichi, Ph.D., Stephen B. Calderwood, M.D., John J. Mekalanos, Ph.D., Eric E. Schadt, Ph.D., and Matthew K. Waldor, M.D., Ph.D.

    N Engl J Med 2011; 364:33-42 January 6, 2011

  2. 2011年のドイツのE. coli O104における今回のシークエンス
昨年来起こった二つの流行における全ゲノムシークエンスの印象は重い。形態学、血清型、生化学等々による古典的細菌学手法を一挙に飛び越える。なにより速い。

今後感染症のepidemic ( or pandemic)の場合、全ゲノムシークエンスが第一義的に重要視されることになるであろう。
エポックな出来事が続いたと見るべきだろう。感慨深い。


それにしても、ドイツの食中毒が中国で解析されるのだ・・・・時代の推移・趨勢を感じますな。

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