2013年4月30日火曜日

最近読む雑誌と雑感

最近読む雑誌といっても、医学生物学に限ってのことである。読むというのは正確ではない。browsingである。ざっと眺めて、面白そう記事、論文をつまみ食いして読む。多くは眺めるだけ。これが小生の勉強である。小生の興味は、(1)がんとゲノム変異、(2)反復配列(特にLINE-1)、(3)Lgr5から見た幹細胞生物学が主であることを述べておこう。

この一年でbrowsingしている雑誌は「Cell』『nature』『Science』『New England Journal of Medicine』『PNAS』だ。この5冊は欠かさずbrowsingしている。browsingしなくなった雑誌は「nature genetics」であろうか。最近全く興味を引かなくなってしまった。5年前くらいまでは、一番好きな雑誌の一つだったのだが、最近はほとんどpdfを落とさなくなってしまった。この雑誌のscopeは随分変わってきたと思う。

がんに関していえば、20年くらい前(いや10年前もかな)までは「Cell』『nature』『Science』には臨床医や臨床研究をやる人間に興味を惹かせる論文はそうそう掲載されなかった。そんなのは「Cancer Research」「Oncogene」の独壇場だったと思う。臨床研究であれば「Journal of Clinical Oncology」「Cancer Research」あるいは「Clinical Cancer Research」であり、それ以外の雑誌にはあまりいい論文は出なかったと思う。「Gastroenterology」にがんの良い論文が載るなど昔はあまりなかったと思う。

状況は様変わりしたと思う。今ではがんに関するあらゆる論文をトップジャーナルが引き受けるようになった。 「Cell』『nature』『Science』『New England Journal of Medicine』に臨床医でも面白いと思える研究がどんどん載る。最近は「Cancer Research」「Oncogene」を見ることがほとんどないので、これらの雑誌がどんな論文を載せているのか小生、分からないが、トップジャーナルが引き受ける分、随分割を食っているのではないかと思うのだ。

さて「Cell』『nature』には姉妹誌というのがあり、昔はbrowsingするのが大変だったが 、今ではほとんど見ないので(潔く眺めるのをやめた)、楽にはなった。姉妹紙で小生の独断で面白くなってきたと思うのは「Cancer Cell」である。昔は面白かったけど、今はどうかなと思うのが「nature genetics」やnatureのレビュー誌群。レビューも最近では数が多すぎて目に留まらない。

がんのレビューについてはLander、Vogelstein、Weinbergの3人を追いかけていれば良いかなという気もする。この人たちが3大誌に数年に一回書くレビューで充分ではないだろうかと思うのだ。それじゃscopeが狭すぎる、このヒトにも注目しなきゃ!という方を知っていたら、是非教えてほしいと思う。

それと「がんとゲノム変異」を丹念に追いかけて、日本語の総説を書いている人がいたら是非教えてほしい。ここ数年、小生が最新情報に日本語で触れることが減って来ているのは、ワタシがアカデミックを離れているせいでしょうか?
ドライバーやパッセンジャーすらも教科書には書いていない。国内二大誌も余り特集を組んでいない。この話題地味なのかしら。
ようやくがん遺伝子もがん抑制遺伝子もその全貌が見えて来たと思える時代が訪れたというのに、残念なことである。なんとかしたいと思って、ブログにメモを貼付けている。

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