2014年4月28日月曜日

スニチニブ投与による髪の毛の脱色

Images in Clinical Medicine

Sunitinib-Associated Hair Depigmentation

Christina Brzezniak, D.O., and Eva Szabo, M.D.
N Engl J Med 2014; 370:e27April 24, 2014

Christina Brzezniak, D.O.
Walter Reed National Military Medical Center, Bethesda, MD

Eva Szabo, M.D.
National Institutes of Health, Bethesda, MD
化学療法(抗癌剤)治療の有無(投与中と休薬中)に現れる身体の変化としてたとえば爪ではボー線というのが知られている。

今回のNEJMイメージでは髪の毛の濃淡がスニチニブ投与に応じて現れたケースレポートの紹介である。37歳女性で胸腺癌なのだそうだ。4投2休(4週間投与して2週間休薬という標準的プロトコール)の結果である。

前回ボー線を掲載して以来、小生は外来でボー線をよく見るような気がする。今後は髪の毛に注目だ。

「HAP-S1」のソフトウェアがようやくアップデート

使い勝手の悪かった「HAP-S1」のソフトウェアがようやくアップデートされた(される)。

とても喜んだのだが・・・・

このアップデートに気が付いたのは、メールでのお知らせでもなく、ソニーのホームページを見て気が付いたわけでもない。


昨晩iPadの充電をしようとしたら、ふとApp Storeのアップデート・マークに気が付いたわけだ。(
App Storeから購入したり、無料でダウンロードしたソフトが最新バージョンに変わると、App Storeは極めてまめにユーザーに連絡をくれるのだ)。5つほどアップデータがある中HDD Audio Remote最新バージョンがあるのに気が付いたわけだ。アップデートの日付けは4/27である。直ちにアップデートしたのだが、そこではたと思ったのは、ソニーからはなんの連絡もないなということ。HPを探し回ったら、ようやく下の公告を見つけたが、ソニーの公式案内ではいまだにアップデートされていないということなのだろうか?

なんだかよくわからない会社だよ、ソニーも。

 

「HAP-Z1ES/HAP-S1」 本体システムソフトウェアアップデート,
「HDD Audio Remote」ソフトウェアアップデートのお知らせ


平素は、ソニー製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
「HAP-Z1ES/HAP-S1」 のradiko.jp対応、フォルダ表示の追加、楽曲削除機能の追加、その他機能向上を含む本体システムソフトウェアアップデートおよび「HDD Audio Remote」のソフトウェアアップデートを予定しておりますので、ご案内いたします。
アップデートが開始されましたら、こちらのページにて再度ご案内いたします。
■対象製品
  • HAP-Z1ES
  • HAP-S1
  • HDD Audio Remote(mobile アプリ)
■提供開始日
2014年4月15日
■アップデートの主な内容
  • radiko.jpに対応しました (本体&アプリ)
  • フォルダ表示が追加になりました(本体&アプリ)
  • 本体およびHDD Audio Remoteからの曲・アルバム・フォルダ削除が可能になりました(本体*&アプリ)
  • 曲単位でのGracenoteからのミュージック情報の再取得が可能になりました(本体*&アプリ)
  • HDD Audio Remoteでのアルバムの編集機能の向上を図りました。
*本体Enterキーの長押しでリストメニュー表示。
(注意)本体とHDD Audio Remoteの両方を最新バージョンにアップデートする必要があります。

2014年4月23日水曜日

深部静脈血栓症:極初期治療の考え方

急性期深部静脈血栓症の考え方

深部静脈血栓症では,常に肺血栓塞栓症を念頭におき,診断・治療を選択する.急性期では,以下の4点を考慮する.
  1. 第一に,血栓の存在を確認して(血栓の判定),中枢進展を阻止する治療を開始する。
  2. 第二に,血栓の範囲を確定して(病型の判定),血栓後症候群を軽減する治療を選択する.
  3. 第三に,血栓の中枢端を評価して(塞栓源の判定),塞栓を阻止する治療を選択する.
  4. 第四に,静脈還流障害を評価して(重症度の判定),急性還流障害が改善する治療を選択する.
繰り返す

下肢深部静脈血栓症の治療目標は,(1)血栓症の進展や再発の予防,(2)肺血栓塞栓症の予防,(3)早期,晩期後遺症の軽減である. 

治療すれば血栓は溶けるのか?

深部静脈が血栓により完全閉塞した場合でも,時間経過とともに血栓が溶解して再疎通することが観察される.欧米の報告であるが,発症後7日で44%に,90日で100%に再疎通が観察され,血栓による完全閉塞例で発症後6週間以内に87%に再疎通が見られた

最も理想的な治療法とは?

肺血栓塞栓症の合併を防ぎ,速やかに静脈血栓を除去ないし溶解させ,再発を防ぐことにより,静脈の開存性を確保して静脈弁機能を温存できる方法である.

治療は?

ヘパリン

ヘパリンの抗凝固作用は各個人で大きく異なり,APTT(activated partial thromboplasmin time)や血中濃度でモニターする必要がある.

欧米ではAPTT値が1.5から2.5倍に延長するように,初回ヘパリン5,000単位静注後,40,000単位を24時間で持続点滴することが推奨されている.我が国においては詳細な検討はないが,欧米に準じて,APTT値の1.5から2.5倍延長を目標とするのが適当であろう(ClassⅠ).

初回5,000単位静注後,10,000から15,000単位を24時間で持続点滴(400から625単位/時間)し,4 ~ 6時間後にAPTT値を測定,その後は1日1回測定して増減する.ヘパリンの半減期は約1時間である.


【勧告の程度】
  1. 急性深部静脈血栓症治療におけるヘパリンとワルファリンの併用:ClassⅠ
  2. 急性深部静脈血栓症治療におけるヘパリンコントロールの目標APTT値 1.5から2.5倍延長: ClassⅠ
  3. 急性深部静脈血栓症治療におけるワルファリンコントロールの目標PT-INR値 2.0(1.5から2.5):ClassⅡb
  4. 急性深部静脈血栓症治療における全身的血栓溶解療法:ClassⅡ a


以上「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)」より


   ガイドライン_ダイジェスト版 

2014年4月19日土曜日

Style Council – The Paris Match Lyrics

Style Council – The Paris Match Lyrics


この曲が昔から好きでねえ
 今回は歌詞つきだ
Youtubeもいい雰囲気だ(ちと気障ではあるが)




Empty hours
Spent combing the street
In daytime showers
They've become my beat;
As I walk from cafe to bar
I wish I knew where you are;
Because you've clouded my mind
And now I'm all out of time
Empty skies say try to forget
Better advice is to have no regrets;
As I tread the boulevard floor
Will I see you once more;
Because you've clouded my mind
'Till then I'm biding my time

I'm only sad in a natural way
And I enjoy sometimes feeling this way
The gift you gave is desire
The match that started my fire

Empty nights with nothing to do
I sit and think, every thought is for you;
I get so restless and bored
So I go out once more;
I hate to feel so confined
I feel like I'm wasting my time

I'm only sad in a natural way
And I enjoy sometimes feeling this way
The gift you gave is desire
The match that started my fire
The match that started my fire
The match that started my fire
The match that started my fire
The match that started my fire

2014年4月17日木曜日

緊急手術(外傷を含む)の時:ワーファリン投与の切り抜け方

緊急手術(外傷を含む)の時 代表的な方法を示す。 

緊急手術時の代表的な方法
  1.  ワルファリン投与の中止。

  2.  プロトロンビン活性が40%以下なら積極的に③④に移行する。

  3. ビタミンK2を10~20mgを緩徐に静注する。

  4. 4~6時間以内に手術を予定されている場合、新鮮血や新鮮凍結血などの凝固因子を含む製剤を至急準備し投与する。

  5. 大量出血があった場合、ビタミンK2や凝固因子を再投与する。

  6. もし抗凝固薬がどうしても必要となる場合(例えば、僧帽弁置換後)、ワルファリンを中止しヘパリン療法(初め2500単位を静注し、1日あたり2万単位を持続静注する)を開始、術中のみ活性化全血凝固間(ACT)などの凝固機能検査が正常になるようヘパリンを硫酸プロタミンにて中和する。術後24時間から止血状態に応じてヘパリン療法を再開する。ヘパリンによるコントロールの目安として全血凝固時間(WBCT)又はACTを1日2回測定し、WBCTが正常の約2倍、ACTが130~150秒(血漿中のヘパリン濃度が0.15から0.50 U/mL)になるようにヘパリンを投与する。ジピリダモール100mg/日の点滴静注法も行われている(術当日)。

  7. 経口投与可能となった時点でワルファリン療法を再開する。

  8. ワルファリンを4~5日内服し、プロトロンビン時間が治療域に達したとき、ヘパリン療法を中止する。健康成人男子にワルファリン30~40mgを単回投与し、48時間後にビタミンK2を静注した時、プロトロンビン時間比は投与直前22.8%、3時間後68.0%、6時間後82.4%であったとの報告がある(承認外用量、30mg投与時)




INRとTT(%)の関係は一般的に以下となる。
INR 1.0( 正常値)
 TT 100%(正常値)  
INR 2.0
 TT 17%  
INR 3.0
 TT 9% 

PT時間が延長するとINRが高い値になる。
循環器系の術後はINR2.0~3.0でコントロールすることが多い

2014年4月14日月曜日

2014年2月現在の承認分子標的薬

2014年2月現在の承認分子標的薬
ー 49剤  ー


データはここから 

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2014年4月11日金曜日

今世界でSTAPはどうとらえられている?



久しぶりにPaul Knoepflerのホームページに行ってみた。このヒトのホームページの存在を知ったのはSTAP細胞が発表された1月29日の夜だ。理研が例の華々しい記者会見を開いたのとほとんど時を同じくして、Knoepflerはその解説やコメントを開始した。小生が理研の発表をネットで知って、直ちにnatureのホームページから論文をダウンロードして、そしてGoogleでSTAPのことを検索したら、早速引っかかったのが Knoepflerのブログだったというわけだ。

今現在もコメントは続いている。8回目の信任投票であるが、かなりきびしいなSTAP細胞。ちなみに小生は下から3番目に投票した。これ総数どれくらいの規模の投票なんだろう。%の数字から誰か計算してみませんかな。中学入試か高校入試レベルの数学のような気がするなあ。

ついにEpistasisの降臨か・・・

Nature 508, 249–253(10 April 2014) 

Received 20 September 2013
Accepted 07 January 2014
Published online 26 February 2014

このブログをお読みになる方でブログ作者名のEpistasisに造詣の深い方は余りおられないと思います。作者自身も遠い過去のある印象的な出来事がなければ、Epistasisなんて覚えていない。その出来事の詳細は当時は理解できなかったけど、ボクに「Epistasis」を熱く語ってくれたある研究者のことが忘れられないのと、それ以来「Epistasis」自体への興味が尽きることなく今日まで続いているので自戒を込めて作者名として使っている。

小生はかつてSNPsの研究をしたことがあるが、そこで得られる(P = 5.56×10−31というような数字の持つ意味に打ちのめされ続けた覚えがある。最初は「凄い」これは本物の疾患感受性であると思うのだ誰でも。しかしそんな多型が数多く見つかるにつけ、段々「これは一体なんなのだ」という戸惑いが生まれてくる。この戸惑いはそのうち「結局自然の真の姿なんて早々簡単にわかるのものではないのだろうな」という敗北感に繋がり、そして虚無感を感じ始める。

だけどボクはよくはわからないけど、この「Epistasis」にこそ眞実への鍵があるような思いがしてならなかった。そのエピスタシスであるがヒトの遺伝学で明瞭な形で語られることは、これまで多くはなかった。もちろん教科書には記述はある。古典遺伝学的な非常に高邁な概念である。

その高邁な世界が、地上界に降りてくる兆しが以下の論文であろう。そんな世界がようやく現実に論文の形で現れたのが下の論文であろうと思う。Big Data解析がエピスタシス研究とパラレルに進むことを愉しみに待ちたい。



遺伝:転写に影響するヒトのエピスタシスの検出と再現


Detection and replication of epistasis influencing transcription in humans

Gibran Hemani, Konstantin Shakhbazov, Harm-Jan Westra, Tonu Esko, Anjali K. Henders, Allan F. McRae, Jian Yang, Greg Gibson, Nicholas G. Martin, Andres Metspalu, Lude Franke, Grant W. Montgomery, Peter M. Visscher and Joseph E. Powell






エピスタシスは、ある形質に1か所の多型が及ぼす効果が、ゲノム中に存在する他の多型に依存して決まる現象のことである。エピスタシスが複雑な形質にどの 程度影響し、このような形質に見られる差異にどの程度寄与しているかは、進化とヒト遺伝学の根本問題の1つである。エピスタシスについてはモデル生物での 人為的遺伝子操作研究で度々実証されており、また、ヒト以外の生物種でいくつかの実例も報告されてはいるが、ヒトの形質の自然多型におけるエピスタシスの 例はほとんど明らかになっていない。経験的に見つかることがないのは、単に複雑な形質の遺伝的制御でエピスタシスの発生率が低いためとも考えられるが、別 な見方として、統計上の問題、そして計算上の問題からこれまでの技術では検出が難し過ぎたからだとも考えられる。今回我々は、高度な計算処理と遺伝子発現 研究デザインを用いて、ヒトの一般的な一塩基多型(SNP)間にもエピスタシスの実例が多く存在することを明らかにする。末梢血で7,339の遺伝子発現 レベルを測定した846人からなるコホートで、我々は、238個の遺伝子の発現に影響する一般的なSNP間での有意なペア間相互作用を501発見した(P < 2.91×10−16)。これらの相互作用について、2つの独立したデータセットを用いて再現解析を行ったところ、エピスタシスの影響の傾向が一致し(P = 5.56×10−31)、相互作用のP値が向上し、内輪に見積もった閾値P < 9.98×10−5から見ても、30の相互作用は有意であることが分かった。これらの遺伝的相互作用のうち44は、染色体の物理的相互作用が知られている5メガ塩基の領域中に位置していた(P = 1.8×10−10)。 3個以上のSNPからなるエピスタシスネットワークが129個の遺伝子の発現レベルに影響を及ぼしており、1個のシスに作用するSNPが、数個のトランス に作用するSNPによって調節されている。例えば、MBNL1はrs13069559における相加作用によって影響を受けるが、rs13069559自体 が14個の異なった染色体上のトランスに作用するSNPによって隠され、各シス–トランス相互作用はほぼ同一の遺伝子型–表現型マップとなる。本研究は、 離れた場所にある一般的多型の相互作用がヒトの形質に影響を及ぼす例が多くあることを、我々の知るかぎりで初めて証明するものである。